The Rolling Stones Bootleg Reviews written by Hara  
 
 



『100 Years Ago』(DAC)
dac100yearsago

『100 Years Ago』(DAC-169) 2CD

Sep.1 1973 Stadthalle,Vienna,Austria

Mono Audience Recording
Quality:Excellent-Very Good

(Disc-1)
1.Introdaction/2.Brown Sugar/3.Bitch/4.Gimme Shelter/5.Happy/6.Tumbling Dice/7.100 Years Ago/8.Star Star/9.Angie/10.Sweet Virginia
(Disc-2)
1.You Can't Always Get What You Want/2.Dancing With Mr.D/3.Midnight Rambler/4.Silver Train/5.Honky Tonk Women/6.All Down The Line/7.Rip This Joint/8.Jumping Jack Flash/9.Street Fighting Man

73年秋の欧州ツアー初日、ウイーン公演全曲収録盤。

そのアルバム名とジャケットから、"100Years Ago""Silver Train"といったツアー前半のみのレア曲を押さえつつ、コンサート全体をうまく1枚のLPにダイジェスト収録していた『100 Years Ago』(0501W)の復刻完全盤のようにも見えますが、中身の音源は別物。

100yearsagolp

本作は、2種類のオーディエンス音源を使用して全曲収録盤としていた、同系列レーベルのVGP『Goodnight Vienna』(VGP-009)のアップグレード版。

vgpgoodnightvienna2

事典では、この2種音源構成盤の代表タイトルとしてVGP盤に加えて、SODDの『The Golden Era 1969-1974 Vol.1』(SODD 092/093)も併記しましたが、それらと本作はどうなのかというと・・・。

soddgoldeneravol1

構成自体は既発とほぼ同じ。

メインとなるのは"Bitch"から"Jumping Jack Flash"のイントロまでで使用されている音源で、やや遠目というか奥行きを感じる音ではあるものの、耳障りな歓声等をあまり拾っていないバランスの良い優秀録音。

このメイン音源の音質については、全体的にすっきりとした印象なのがVGP盤。SODD盤の方はVGP盤に比べて、高域を抑えつつ音全体に厚みを持たせる加工を施していることから、音のレンジ自体が狭くなっているものの、逆にその分ラウドな印象を受けるという音。

本作の音質はVGP盤とほとんど変わらず。
ただしVGP盤の欠点の1つであった、"Gimme Shelter"イントロ途中から曲の終盤までの音量レベルの周期的な変化については、本作はレベルの変化なしで聴くことが出来るようになっています。

またSODD盤とVGP盤共通だった"Star Star"終了直後の「Thank You」で発生している音ブレについても本作は解消。

このメイン音源の長さ自体は既発と変わらずで、"Bitch"やや音量が小さ目にスタートして徐々にレベル上がって来るのも同様。

もう片方の音源は、"Brown Sugar"1曲丸ごとと、"Angie"のイントロから1コーラス途中までの30秒ほど、そして"Jumping Jack Flash"と"Street Fighting Man"に使われており、メイン同様にヴォーカルがやや遠く感じるものの、音源が切り替わっても違和感が少ないというもの。ただし、やや歓声がうるさい部分があるのが玉にキズ。

こちらの音源も音質自体はVGP盤とほとんど変わりませんが、編集に若干の違いがあります。

まず今回トラック割されているディスク1冒頭の"Introduction"。
既発では"Brown Sugar"と同トラックとされていてVGP盤とSODD盤どちらも途中からのフェードイン収録でしたが、本作はトラック冒頭約10秒をLP『100 Years Ago』音源から補填収録して、オープニングイントロダクションをノーカットで聞けるようになっています。

この音源の欠点であった、"Brown Sugar"イントロ3回目のリフから展開部にかけてのテレコのレベル調整と思しき、音の落ち込み部分の処理については、VGP盤はそのまま、SODD盤はその部分を持ち上げて音量を均一にしていましたが、本作も同様に持ち上げて音量を均一としています。この音量を持ち上げた部分、SODD盤はヒスノイズも増加していましたが、本作はノイズ除去処理をきちんとしている分だけ聞きやすさが向上。

一気にライブ終盤に飛んで"Jumping Jack Flash"の前にミックが叫ぶ「Alright Baby」「Alright」の二言。SODD盤は二言目の「Alright」が微妙にカットされてしまっていましたが、本作はVGP盤同様にカット無し。

その"Jumping Jack Flash"、メイン音源からの切り替わりがイントロ5音目からなのはVGP盤やSODD盤同様。

VGP盤やSODD盤で欠けていた"Street Fighting Man"のイントロ部分については、こちらもLP『100 Years Ago』音源から補填。"Street Fighting Man"開始前のミックの語りも聞けるようになってはいますが、何故か"Jumping Jack Flash"終了直後にミックが発した「Alright」は未収録。LPの方はきちんと入っているので、この部分を未収録としたのはやや疑問の残るところ。

なお、VGP盤のラストにボーナス収録されていた前座のビリープレストンの"That's The Way God Planned It"。これが本作にも収録されていればVGP盤は完全に用済みとなったんですが、残念ながら未収録としたのは、ストーンズとは関係のない部分とはいえ、VGP盤にもまだ若干の価値を残しておくということなのかなと。

01:15, Thursday, Mar 09, 2017 ¦ 固定リンク

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