The Rolling Stones Bootleg Reviews written by Hara  
 
 



『Hound Dog』(DAC)
dachounddog

『Hound Dog』(DAC-175) 2CD

June.28 1978 Mid-South Coliseum,Memphis,TN

(※)Disc-2 Track11
July.6 1978 Masonic Hall,Detroit,MI

Mono Audience Recording
Quality:Very Good

(Disc-1)
1.Let It Rock/2.All Down The Line/3.Honky Tonk Women/4.Star Star/5.When The Whip Comes Down/6.Miss You/7.Lies/8.Beast Of Burden/9.Just My Imagination
(Disc-2)
1.Respectable/2.Far Away Eyes/3.Love In Vain/4.Shattered/5.Hound Dog/6.Tumbling Dice/7.Happy/8.Sweet Little Sixteen/9.Brown Sugar/10.Jumping Jack Flash/11.Tumbling Dice


78年のメンフィス公演といえば、ヒューストンやレキシントン、デトロイトと並んでラジオ収録された4公演のうちの1つで、放送には"Shattered"と、ツアー中2回しか演奏されなかったレアなカバー曲"Hound Dog"の2曲が採用されましたが、本作はそんなメンフィス公演の全曲収録盤。

デトロイト公演のようにラジオのアウトテイクというわけではなく、全編オーディエンス録音。
この公演のオーディエンス音源といえば、過去に"Hound Dog"4曲入りのアナログEP盤のみ『Some Boys』(-)にてブート化されていましたが、本作はそのEPで使用されていたオーディエンス音源の全長版。

someboysep

若干遠目でボヤけた感じの音ではあるものの、演奏自体は大きく捉えられており、録音者の周りが騒がしくない聴きやすい音質の好録音。

EP『Some Boys』はエコーがかって演奏が奥に若干引っ込んだ音でしたが、本作はやや中域を持ち上げているようで、音の奥行き感はEPに譲るものの、逆に演奏自体を前面に出した感じの音となっています。

テープチェンジをうまく曲間で行っていたようで曲中のカットは無し。

本作が使用しているマスターはダビングを何回か経たテープを使用しているようで、"Star Star"の後半部では左チャンネルの高域が落ちたり、"Beast Of Burden"では周期的に"Just My Imagination"では小刻みな音ブレがそれぞれ左チャンネルに発生しています。

他にもちょっとしたドロップアウト等も左チャンネルに時折発生しているので、ここは思い切って左チャンネルをカットしてしまい、右チャンネルをモノラル化して作成していれば、これらの欠点は解消できていたので、この処理がされなかったのは残念。

また"Jumping Jack Flash"も極端に音質が落ちるので、これもイコライジングでもう少し何とかなったのではという印象。

と、まだ改善の余地はあるようですが、ラジオ放送されたメンフィス公演の全貌がようやく聞けるようになったという点で、本作は興味深いタイトルではあります。

この日は4つあったラジオ収録の最初ということで、ミックがややおとなしめには感じますが、"Beast Of Burden"のエンディングがぐだぐだになる以外は全体的に演奏がまとまっています。

その中でも4公演中2公演が採用された"Tumbling Dice"は、間奏後のミキシングミスがあったデトロイト公演や、構成を間違えた上に放送禁止用語をミックが言ってしまうヒューストン公演よりも演奏の出来が良いのに、何故欠陥のある公演2つが放送されたのかは謎の残るところ。

なお、本作はディスク2の最後にデトロイト公演の"Tumbling Dice"がオーディエンス音源にてボーナス収録されており、ラジオ放送では間奏後のミックのマイクがオフになっている為、しばらくインスト状態になってしまっていますが、本作収録のオーディエンス音源を聴くと、会場では普通にミックのヴォーカルが出ていたことが確認出来、これはマイクのトラブルではなくミキシング作業時のミスが原因ということが分かります。

このある意味貴重な"Tumbling Dice"のオーディエンス音源については、これまでLP『Abandoned In Detroit』(CS-DM-7678)でしか聞くことが出来ませんでしたが、本作に収録されたことによってようやくCDでも聞けるようになったのは特筆すべき点。

lpabandonedindetroit2

本作に収録されているオーディエンス音源はLPとは別音源。LPの方はクリアーな音質ではあるものの定位左寄りの低域が不足気味の軽めな音質だったのに対し、本作はヒスノイズ大目で音のクリアーさはLPに譲るものの、しっかりと低音の出た安定した音で聞けるようになっています。

12:14, Sunday, Mar 12, 2017 ¦ 固定リンク

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