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『Fort Worth 1972 2nd Show』(-) |
『Fort Worth 1972 2nd Show』(-) 1CD
June.24 1972 Fort Worth,TX (2nd Show)
Stereo Soundboard Recording Quality:Excellent
1.Introduction/2.Brown Sugar/3.Bitch/4.Rocks Off/5.Gimme Shelter/6.Don't Lie To Me/7.Love In Vain/8.Sweet Virginia/9.You Can't Always Get What You Want/10.Tumbling Dice/11.Midnight Rambler/12.Band Introductions/13.Bye Bye Johnny/14.Rip This Joint/15.Jumping Jack Flash/16.Street Fighting Man
企画倒れとなった1972年ツアーのライブアルバムのサウンドボード素材の中で、ほぼコンサートの全貌を捉える形でブート化されているのが、本作収録の6月24日フォートワースでのセカンドショー。
この公演で演奏された16曲のうち、"Happy"と"All Down The Line"を除いた14曲がブート化されており、中でもツアーでこの公演でしか演奏していないレアな"Don't Lie To Me"が含まれているのが特筆もの。
事典で挙げたこの音源を収録した代表盤は『Tarrant County 1972』(NUMBER 003)。
また、旧事典ではVGP『Fort Worth Express』(VGP-205)を代表盤として挙げましたが、ここではこの2タイトルを中心として本作と比較してみることとします。
まず全体的な音質ですが、『Fort Worth Express』はヒスノイズ多めなもののクリアーな音質だったのに対して、『Tarrant County 1972』の方は、音の鮮明さこそ『Fort Worth Express』に譲るものの、中域に厚みを持たせた音造りとしており、ヒスノイズも余韻がおかしくならない程度に除去してあり、総合的に聞きやすい仕上がりとなっています。
本作はというと、『Fort Worth Express』と同傾向の音質ですが、『Fort Worth Express』盤より若干音に厚みが増しているという印象。
ただ、ヒスノイズの除去処理をやや強めにしてしまっているようで、音の余韻がおかしかったり、ノイズ除去処理をし過ぎた際、主に静音部で発生するキュルキュルというノイズが乗ってしまっているという難点あり。
『Fort Worth Express』はキース曲も必要と考えたのか、この日の1stショーから"Happy"を追加収録していますが、『Tarrant County 1972』と本作は純粋にこの2ndショー音源のみで構成。
サウンドボード音源では"Brown Sugar"イントロの頭3音が欠落しており、いずれのタイトルもオーディエンス音源を補填していますが、『Tarrant County 1972』や『Fort Worth Express』はイントロを弾き始める寸前の歓声部からの収録なのに対し、本作はそれよりも前のバンドコールから収録しています。
ちなみにこの公演のオーディエンス音源は2種ブート化されていますが、本作がこの部分の補填に使っているのはVGP『Mick Taylor We Miss You』(VGP-092)からのよう。
"Tumbling Dice"終了後にはミックが「Thank you very much」と発しており、その部分のサウンドボード音源も残されてはいますが、『Tarrant County 1972』や『Fort Worth Express』は未収録。本作は「Thank you ve」と途中まで収録されていますが、この長さで思い出すのがSODDの『The Greatest Lost 1972 Live Album』(SODD 016)。
SODD盤の方はイコライズしているようで高域がやや耳につく仕上がりとなっていますが、前述した静音部で発生するキュルキュルというノイズについては本作と同じであることから、本作はSODD盤と同じマスターということとなります。
なお、きちんと「Thank you very much」がフェードアウトしつつも聴けるのは『Hows Your Lungs』(SOF 8002)のみ。
続く"Midnight Rambler"の前のMCはサウンドボード音源未発掘で、『Fort Worth Express』や本作は未収録ですが、『Tarrant County 1972』は前述のVGP『Mick Taylor We Miss You』から持ってきて、MCを聞くことが出来るようにしています。
このMC後に始まる"Midnight Rambler"曲が始まってから1コーラス終わった少し後まで、『Fort Worth Express』や本作は音がコモってしまっていることに加えヒスノイズも結構増えてしまっていますが、『Tarrant County 1972』はさほど音質変化なく聞くことが出来ます。
ただし『Tarrant County 1972』は2番に入った途端に右チャンネルがやや中央に急に寄るという定位変化が起きてしまっています。
ちなみに『Plug In Flush Out』(VGP-259)や『American Tour 1972』(VGP-259)にも、この公演の"Midnight Rambler"が収録されていますが、音質変化や定位変化の無い、もっとも良い状態となっていますので、本作もここから持って来ればもう少し良くなったのではという感も。
というわけで既発とは一長一短あり、本作をこの音源の代表盤とするには今一歩といったところ。 |
by Hara ¦ 23:51, Thursday, Mar 16, 2017 ¦ 固定リンク
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