The Rolling Stones Bootleg Reviews written by Hara  
 
 



『Altamont Speedway Free Festival』(TARKL)
tarklaltamont

『Altamont Speedway Free Festival』(TCD-001-1/2)

Altamont Speedway,Livermore,CA Dec.6 1969

Mono Audience Recording
Quality:Very Good

(Disc-1)
1.Jumping Jack Flash/2.Carol/3.Sympathy For The Devil #1/4.Sympathy For The Devil #2/5.The Sun Is Shining/6.Stray Cat Blues/7.Love In Vain/8.Under My Thumb #1/9.Under My Thumb #2/10.Brown Sugar
(Disc-2)
1.Midnight Rambler/2.Live With Me/3.Gimme Shelter/4.Little Queenie/5.(I Can't Get No)Satisfaction/6.Honky Tonk Women/7.Street Fighting Man

映画『Gimme Shelter』でもお馴染みの69年ツアー最終日、オルタモントでのフリーコンサート。

映画のハイライト部分に使用されたこともあり、どうしても映画に取りあげられた混乱部分が注目されがちですが、"Sympathy For The Devil"終了後、観客を落ち着かせる為と思しき即興演奏のジミー・リードのブルースナンバー"The Sun Is Shining"や、ライブ初演となる発表前の新曲"Brown Sugar"等、実は映画で取りあげられた以外の部分でも聴き所の多い公演だったりします。

このコンサートを収録したブートは幾つかリリースされておりますが、まずは本作との比較となるオーディエンス音源による既発全曲収録タイトルを挙げますと。

ghraltamont

『Gimme Shelter』(GHT 001-2)
ブートCD黎明期にリリースされたタイトル。
音源自体は、音の近いオーディエンス録音。最初はミックのヴォーカルとキースのギターしか聞こえなく、テイラーはギターソロもしくはキースがソロをとったりして音が小さくなった時、チャーリーもキースの音が小さい時に聞こえてくる程度で、ハイハットは聞き取れず、ビルに至っては全く聞こえない様な状態。ライブが進むに連れ、段々バランスが改善されてきますが、逆に周りに歌い出したりする騒がしい観客が・・・。とはいえ、この時代のオーディエンス録音としては、充分よく録れている音。

ちなみに、何故か"Brown Sugar"3コーラス目のサビ寸前からエンディングまでは、音量レベル、ピッチの異なる音源が繋がれている為、別音源の様にも聞こえますが、曲終了後の叫び声からするとジェネレーション違いの同音源にも感じられるので、判断の難しいところ。


vgpaltamontold

続いてはVGP『Altamont 1969』(VGP-113)の旧バージョン。
後述するリマスター盤とジャケットが全く同じ為、盤のデザインで見分けるしかなく、こちらの旧バージョンはブタマーク入り。

vgpaltamontdisc

音は『Gimme Shalter』に比べ、ピッチは正確な上、全体的にヒスノイズも減って格段に聴きやすくなっていますが、"Brown Sugar"は繋ぎこそなくなったものの、最後の4音がカット。続く"Midnight Rambler"は曲前のアドリブ部分がカットされイントロからの収録と、全体的に少し短くなってしまっているのが玉にキズ。


vgpaltamontremaster

そしてVGP『Altamont 1969』(VGP-113)リマスター盤。
ジャケは前述した通り同じで、盤のデザインがシンプルになっているのがこちら。

vgpaltamontremdisc

音の方は旧バージョンと比べるとややヒスノイズが増えてはいますが、旧盤で不自然だった余韻の改善含めナチュラルな質感になり、ヘッドフォンで聴いた際に多少の音の広がりが感じられる造りとなっています。

こちらもメインの音は、"Brown Sugar"の最後の4音が欠けているものの、『Gimme Shelter』で使用されていた別の音源をピッチ・音量合わせて補填。
ただし『Gimme Shelter』でも感じられた、キーンという高周波ノイズは除去出来なかった模様。こちらも残念ながら"Midnight Rambler"曲前のアドリブ部分がカットされてイントロからの収録。

さて、SODDの上位レーベルという触れ込みでのTARKLレーベル第一弾となった本作。こちらもオーディエンス音源による全曲収録盤。

高域強めの音造りで"Street Fighting Man"ではヴォーカルが耳に刺さったりする上、VGPリマスター盤にあった音の広がりもなく、全体的に硬めの音になってしまっているのが難点。

本作も残念ながら"Brown Sugar"の最後の4音が欠けており、VGP盤同様に別の音源を補填していますが、本作の補填部分に関してはキーンという高周波ノイズは無し。

ただし、メインの硬質な音に比べ、補填音源はモコっとした音につき、音源チェンジの際の音質差による違和感はVGP盤より多め。

また、いずれのVGP盤にも未収録だった"Midnight Rambler"曲前のアドリブ部分を本作は収録しています。

せっかくVGPよりも収録時間が長いというメリットがあるのに、肝心の音造りがVGPよりも劣ってしまっているのは、なんとも残念なタイトル。

また、せっかく後発でリリースるするんだったら、収録時間には余裕があるのだから、DACが『Altamont』(DAC-019)にてリリースしたラジオ放送音源(Midnight Rambler以降の7曲)をボーナス収録する等、後発ならではの決定盤的な形にすればいいのにと思ってしまう残念なタイトル。

dacaltamont

by Hara ¦ 13:19, Saturday, May 03, 2008 ¦ 固定リンク

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