|
『Western Affair Vol.1』(DAC) |
『Western Affair Vol.1』(DAC-124) 2CD
Nov.8 1969 Inglewood Forum,Los Angels,CA (1st & 2nd show)
Mono Audience Recording Quality:Very Good
(Disc-1) 1.Jumping Jack Flash/2.Carol/3.Sympathy For The Devil/4.Stray Cat Blues/5.Prodigal Son/6.Love In Vain/7.I'm Free/8.Midnight Rambler/9.Live With Me/10.Little Queenie/11.Satisfaction/12.Honky Tonk Women/13.Street Fighting Man (Disc-2) 1.Jumping Jack Flash/2.Carol/3.Sympathy For The Devil/4.Stray Cat Blues/5.Prodigal Son/6.You Gotta Move/7.Love In Vain/8.I'm Free/9.Under My Thumb/10.Midnight Rambler/11.Live With Me/12.Little Queenie/13.Satisfaction/14.Honky Tonk Women/15.Street Fighting Man
ツアー2公演目と3公演目にあたる1969年11月8日にLAで行われた2回のショーを、ブタマークでお馴染みの元祖TMOQ創始者であるダブ・テイラーが録音した音源にて、作成された2枚組全曲収録タイトル。
本作収録の音源は、裏ジャケに「Both Shows Were Recorded By Dub Taylor(TMOQ) But Never Used For TMOQ LP」とクレジットされているように、TMOQとしてのLPリリースはおろか、いずれもCD時代になってからブート化されたものだったりします。
まずはディスク1収録の1stショー。久々のツアー、しかも2日目にして1日2回公演であったからなのか、初日演奏した"Gimme Shelter"と"Under My Thumb"の2曲を演奏しなかった代わりに、当時の新曲"Live With Me"を追加の全13曲とツアー最少の曲数公演となっています。
幾つかの曲でPAがハウリングを起こしていたり、ラスト"SFM"のイントロでチャーリーが迷子になってしまい、一旦叩くのを止めてしまったりするドタバタも、ツアー初期ならではの光景かと。
このショーの音源の初リリースはRISK DISCの『L.A.Queenie』(RISK DISC 007)。
"JJF"の冒頭で音切れが多発していたり、全体的にヒズノイス多目のコモッた音だったりしましたが、初音源だったこともあり、それなりに話題になったタイトルではあります。
それよりも状態の良いテープから作成されての既発代表盤がVGP『Welcome To The Breakfast Show』(VGP-337)。
オープニングの"JJF"で、頭からオーバーレベルと思しき音割れを起こしてるのは同様ですが、RISK DISC盤のような音切れは無し。この音切れ、後のオークランド公演やサンディエゴ公演音源で確認出来る、曲中の極端ともいえるレベル調整に似た感じではありますが、VGP盤リリース時の技術でまるでその上げ下げが無かったかのような修正は出来ないと推測されますので、あくまでもRISK DISCが入手したテープだけが意図的にそういう処理をされていたのかと考えるのが妥当かなと。
なお、この音割れは冒頭だけで、以降はヴォーカルがやや奥に引っ込んだ感じの遠目の音となりますが、ヴォーカルの引っ込みはライブが進むに連れて改善されてきますので、会場自体の出音がそうだったのかもしれません。
VGP盤が基にしたテープはヒスノイズが結構あったようで、ヒスノイズ除去を行った弊害であるシュワシュワといった音の波打ちが起こってしまっている割には、全体的にシーという強烈なノイズが漂っていたりしますが、本作は状態の良いテープから作成されたようで、VGP盤に比べるとはるかにヒスノイズが減っている上に、ノイズ除去に伴う波打ちの発生はなかったりします。
音質は、VGP盤のように高域を持ち上げず自然な質感にした上、基音がそうだったのかもしれませんが、低域を強調していることから、ブイブイと唸るビルのベースがよく聞こえる音造りになっています。
なお、"JJF"終了直後にマイクの近くで吹かれた口笛を大きく拾ってしまう箇所があり、VGP盤はその部分を一旦切り取ってヴォリューム調整をした後に再度繋げていることから、ヒスノイズが急に消えてまた発生するという、如何にも繋いでます的な処理に鳴っているのに対し、本作は部分処理を行わないボリューム調整で対応したようで、その口笛部分も自然な感じで抑えられています。
ただしPAのハウリングが激しかった"Midnight Rambler"のイントロはその逆で、VGP盤が割れた音そのままの収録だったのに対し、本作は0分5秒から0分11秒まで抽出してのボリューム調整を行ったようで、この部分の音質に若干の変化があります。
テープチェンジにあたった"Little Queenie"がギターソロ前のAメロからの途中収録という点は、別音源が発掘されていないのでどの盤も共通。
ディスク2は2ndショー。 この公演から当時の未発表曲"You Gotta Move"がセットリストに追加され、また1stショーでは演奏されなかった"Under My Thumb"も復活し、初日演奏の"Gimme Shelter"は外されているものの、3公演目にして1969年ツアーでは最長の全15曲となっています。
この公演の音源はこれまで2種ブート化されており、所謂OBR音源の方は、 DACが型番4つ前の『L.A.69』(DAC-120)にて決定盤をリリース済み。
本作はSonic Zoom『Born In The Crossfire Hurricane』(SZ 1002)のみでブート化されていた方の音源。
ヒスノイズはそこそこあるものの、OBR音源同様に演奏を大きく捉えた好録音で、この時代のオーディエンス録音としてはかなり上質の部類。
OBR音源はギターはオンに録れているもののミックのヴォーカルがやや奥に引っ込み気味というバランスでしたが、本作の音源はヴォーカルがよく聞こえる代わりにギターが引っ込み気味といったバランス。
こちらも1stショー音源同様に、"JJF"では歌い出し前から1コーラス目にかけてTMOQのオークランドやサンディエゴ音源特有のヴォリューム調整による極端な音量の上げ下げに似たような音量変化が、『Born In The Crossfire Hurricane』には収録されていますが、本作は違和感なくその部分を均一な音量で聴くことが出来ることから、こちらも基テープでの音量調整はなかったものと考えられます。
OBR音源に収録されていたサム・カトラーのイントロダクションは、TMOQ音源のテレコスタートがその後からだったからなのか、既発本作共に未収録。
ただし、テープチェンジによる"Live With Me"最初のサビまでの欠落部分については、曲前の「Thank you」のMCからOBR音源を補填。音質を合わせる都合上からか、同レーベル『L.A.69』よりもヒスノイズ除去を控えめにしたようで、『L.A.69』よりもヒスノイズ部分の波打ちがやや大きめ。
また『Born In The Crossfire Hurricane』はDATテープを基に作成されたようで、"I'm Free"の前のMCでデジタルノイズと共にMCの一部欠落がありましたが、本作には当然の事ながらそのようなことはありません。 |
by Hara ¦ 11:36, Monday, Dec 24, 2012 ¦ 固定リンク
|
Links |
|
|
|