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『The Rolling Stones In Scotland 1973』(DAC) |
『The Rolling Stones In Scotland 1973』(DAC-166) 2CD
Sep.16 1973 Apollo Thetre,Glasgow,Scotland
Mono Audience Recording Quality:Excellent
(Disc-1) Billy Preston's God Squad 1.Day Tripper/2.The Bus/3.The Bus(reprise)/4.Let It Be - Let's Go Get Stoned/5.Will It Go Round In Circles/6.That's The Way God Planned It/7.Outa Space/8.Puta Space(reprise) - Get Back/Higher
(Disc-2) The Rolling Stones 1.Introduction/2.Brown Sugar/3.Gimme Shelter/4.Happy/5.Tumbling Dice/6.Star Star/7.Dancing With Mr.D/8.Angie/9.You Can't Always Get What You Want/10.Midnight Rambler/11.Honky Tonk Women/12.All Down The Line/13.Rip This Joint/14.Jumping Jack Flash/15.Street Fighting Man/16.Outro
前項に引き続いての73年9月16日のアポロシアター公演収録盤。
ディスク1は、前座のビリープレストンの演奏を1曲目の"Day Tripper"イントロ途中から最後まで、メインのストーンズと同じ録音者によるバランスの良い高音質音源にて収録。
ツアー後半からはミック・テイラーが、ビリープレストンの前座ステージに客演するようになりますが、この時期はまだということで、ディスク1にストーンズのメンバーは参加していません。
よって、ストーンズのブートという観点からすると対象外という音源ではありますが、おそらく元々ブートの少ない人の音源につき、これはこれで興味のある方には魅力的な音ではあるのでしょう。
ちなみにこの時のストーンズ前座ツアーは『Live Europian Tour』としてオフィシャル化されており、日本では選曲が異なるUSバージョンとUKバージョンが2イン1でCD化されていますが、本作収録の楽曲は全てこのオフィシャルCDに網羅されていますので、本作でしか聞けない楽曲というのはありません。
ディスク2は、新たに発掘された16日と称される音源を収録。
演奏を大きく捉えている上に耳障りな手拍子・歓声の類なし。そして音の分離も良く、ヒスノイズはやや強めながら音質はクリアーと、73年ヨーロピアンツアーのオーディエンス音源としてはトップクラスのもの。
前項の『You Don't Have To Go To Harlem』(EAT 80)にて触れたように、この音源はテープチェンジによる欠落や、録音レベル調整による音量差が生じてしまっているので、そこをどう調整してあるかが比較ポイントとなります。
まずはテープチェンジによるものと思しき欠落部2ヶ所。
"You Can't Always Get What You Want"のエンディング部については、『Glasgow Apollo 1973』(-)、『You Don't Have To Go To Harlem』いずれも音が飛んでいたのに対し、本作は1つ前のサビの同部分「But if you try sometimes」をコピー補填することにより、スムーズに聞けるよう編集されています。
"Rip This Joint"1番途中から2番冒頭までの欠落部については、中盤のサックスによる間奏の終わりにかけから3番冒頭にかけての部分を補填。当然ながら歌詞が異なっているため、本作での2番頭は「Mister President, Mister Immigration Man」が「From San Jose down, Mister Immigration Man,」と変わってしまっていますが、スムーズに聞けるという点ではこの編集もありかと。
続いては、レコーダーの録音レベル調整によるものと思しき音量レベルダウン部。
"Brown Sugar"イントロ途中から中間ギターソロまでの広範囲にわたる若干のレベル落ちについては、そんなことがあったのか分からないくらいの見事な音量調整が施されています。
ただし、一番落ち込みの激しい「market down in New Orleans」部分については、音量を思い切り持ち上げたことによるスプレーを吹き付けたかの如くの強烈なヒスノイズが発生していますが、同様の編集をしている『You Don't Have To Go To Harlem』と比べると、演奏の音量をよりメインに近づけるべく音量を上げている分だけ、本作の方がこの部分のヒスノイズは多めとなっています。
もう1ヶ所の"You Can't Always Get What You Want"1番「was a footloose man」部分も、他のタイトルはそのままだったのに対し、本作は音量を上げる編集がされているため、こちらもヒスノイズが強烈にはなっています。
ここで素朴に、ここでのヒスノイズを今度は除去処理するとどんな感じになるんだろうというのがあるのですが、この手の編集でその処理がされたブートというのを少なくともストーンズブートでは知らないので、あまり効果がないということなのでしょうか。
全体的な音質については、『Glasgow Apollo 1973』よりもヒスノイズ抑え目で、中低域に若干の厚みを持たせるという『You Don't Have To Go To Harlem』に近い音造り。
『You Don't Have To Go To Harlem』より高域のクリアーさは本作の僅かながら上ですが、中低域については『You Don't Have To Go To Harlem』の方が厚みを感じる音となっているので、このあたりは僅かな差とはいえ、好みの分かれるところ。とはいえ『You Don't Have To Go To Harlem』の方はピッチが速いという難点があるのですが・・・。 |
18:34, Monday, Mar 21, 2016 ¦ 固定リンク
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