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『The Complete Hamburg Tapes 1973』(DAC) |
『The Complete Hamburg Tapes 1973』(DAC-193) 2CD
Oct.2 1973 Emst Merck Halle,Hamburg,Germany(1st & 2nd Show)
Mono Audience Recording Quality:Very Good
(Disc-1) 1.Brown Sugar/2.Gimme Shelter/3.Happy/4.Tumbling Dice/5.Star Star/6.Dancing With Mr.D./7.Angie/8.You Can't Always Get What You Want/9.Midnight Rambler/10.Honky Tonk Women/11.All Down The Line/12.Rip This Joint/13.Jumping Jack Flash/14.Street Fighting Man (Disc-2) 1.Brown Sugar/2.Gimme Shelter/3.Happy/4.Tumbling Dice/5.Star Star/6.Doo Doo Doo Doo Doo/7.Angie/8.You Can't Always Get What You Want/9.Midnight Rambler/10.Honky Tonk Women/11.All Down The Line/12.Rip This Joint/13.Jumping Jack Flash/14.Street Fighting Man
1973年10月2日に行われたハンブルグ2公演全曲収録盤
ディスク1に収録されているのが1stショー。 この1stショー収録したタイトルについては、事典では『Hamburg 1973 1st Show』(-)のセカンドプレスを代表盤として挙げていましたが、本作の基となっているのも同じ録音で、シンバル類がほとんど聞こえないモコッとした感じの遠目の音でありつつも、意外と演奏を大きく捉えており、耳障りな手拍子や拍手・歓声の類がほとんど入っていないことに加えてヒスノイズもほとんど無いことから、慣れてしまえば案外と聞きやすい印象を受ける音源。
この公演を収録した他のタイトルはというと、タランチュラの『Hamburger Concerto』(TCDR.S-49-1,2)が事典出版後にリリースされています。
これら3種の音質を比べてみると、『Hamburg 1973 1st Show』は中高域控えめな耳に優しい音造りに加え、疑似ステレオ処理で音に奥行を与えて聴き易さの向上を図っているという特徴あり。ちなみにこのタイトルのファーストプレスはこの疑似ステレオ処理が施されていないのと、プレスミスによる周期的なデジタルノイズが発生しているので要注意。
本作はというと『Hamburg 1973 1st Show』のような疑似ステレオ処理を施していないため音の拡がり自体は乏しいものの、その処理による音の引っ込みがないため、ヴォーカルやギターは比べるとオンに聞こえます。また『Hamburg 1973 1st Show』よりも中高域が上がっていることから僅かながらクリアーな音となっています。
タランチュラ盤は本作に感じは近いものの、マスター作成時に音を過大入力してしまったのか、音の端々にビリビリとした歪みが生じて聴きづらくなってしまっているというマイナスポイントあり。
なお、テープチェンジによるカットは"Honky Tonk Women"のイントロ数秒ですが、ここの編集は3タイトルとも同様にそのままですが、開演前の手拍子からバンドコールが始まる前のテレコのオンオフによる音飛びについては、タランチュラ盤はそのまま、『Hamburg 1973 1st Show』は極力滑らかに聞こえるよう編集がされていたのに対し、本作はそれがなかったかの如くのスムーズな編集がされています。
続いてディスク2の2ndショー
この公演はアナログ時代から"Star Star"と"Doo Doo Doo Doo Doo"の2曲が高音質録音でリリースされてきましたが、未だこの音源の全長版発掘は叶わず。
こちらはこの2曲を収録した代表盤のDAC『The Stars In The Sky The Never Lie』(DAC-100)
本作が収録しているのは、VGP/DACがCAUTION!名義の『The Stars In The Sky They Never Lie』(Caution) にて全曲リリースしていた方のオーディエンス音源で、遠目の録音ですが観客が近くで騒いでいない分、安定はしているので耳さえ慣れればそれなりに聞くことは出来るというもの。
CAUTION!盤の方は、ヒスノイズの多いモコっとした音で、ヴォーカルやギターは聞き取れるもののドラムの判別がしづらいといった状態でしたが、本作はジェネレーションの若いテープから作られているようでヒスノイズは激減、また中域をやや持ち上げたことにより音像も近くなりドラムも判別できる状態まで向上しています。
音源の欠落部については、CAUTION!盤が"Angie"の中盤から終盤にかけて欠落していたり、"You Can't Always Get What You Want"では基テープの劣化と思しき一瞬の音切れや音飛びが、そして"Street Fighting Man"はテープが切れたのか、終盤加速し始めたところでフェードアウトしてしまっています。
対して本作は、"You Can't Always Get What You Want"の音飛び等は変わらず、"Street Fighting Man"のフェードアウトも同様ですが、"Angie"の欠落がなくなってフルに聴くことが出来るようになっています。
逆に本作の"Jumping Jack Flash"は、イントロはほんの僅か、1番のAメロが後半半分だけしか収録されておらず、最初のサビの真ん中にもカットがあったりして、ようやくまともに聴けるのは2番以降からという収録状態なのですが、CAUTION!盤の方はイントロからノーカットで聴けるようになっています。
ただ、CAUTION!盤の方の"Jumping Jack Flash"のイントロから最初のサビまでは、9月25日のベルン公演に似た感じの歓声が聞こえたりするので、ひょっとしたらそこまではベルンの可能性もあるのではとも考えたりしますが、ヒスノイズや音の距離も変わらないことから、当時そのような編集が出来たのかという観点からいうと、ノーカットなのではという気はします。
ちなみに1stショーの方で紹介したタランチュラの『Hamburger Concerto』(TCDR.S-49-1,2)、 ディスク2は全曲この2ndショーからとクレジットされていますが、2ndショー音源は"You Can't Always Get What You Want"までで、"Midnight Rambler"以降は9月25日のベルン公演音源が収録されています。
演奏は、2ndショーの"Happy"がイントロをやり直していたり、"All Down The Line"中盤でミックが完全に歌を飛ばしてしまったりはしているものの、総じて両公演ともハイレベルでという意味での平均的なものとなっています。 |
15:10, Thursday, Jul 23, 2020 ¦ 固定リンク
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