The Rolling Stones Bootleg Reviews written by Hara  
 
 

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2008年 2月

『Sympathy For Slowhand』(DAC)
dacsympathyforslowhand

『Sympathy For Slowhand』(DAC-075) 2CD

June.22 1975 Madison Square Garden,New York City,NY

Mono Audience Recording
Quality:Excellent-Very Good

(※)Disc-1 Track-15
June.25 1975 Electric Lady Studios,NY

Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent

(※)Disc-2 Track-13
Dec.18 1970 Olympic Sound Studios,London

Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent

(Disc-1)
1.Fanfale For The Common Man/2.Honky Tonk Women/3.All Down The Line/4.If You Can't Rock Me - Get Off Of My Cloud/5.Star Star/6.Gimme Shelter/7.Ain't Too Proud To Beg/8.You Gotta Move/9.You Can't Always Get What You Want/10.Band Introductions/11.Happy/12.Tumbling Dice/13.It's Only Rock'n Roll/14.Doo Doo Doo Doo Doo/15.Carnival To Rio
(Disc-2)
1.Fingerprint File/2.Angie/3.Wild Horses/4.That's Life/5.Outa Space/6.Brown Sugar/7.Midnight Rambler/8.Rip This Joint/9.Street Fighting Man/10.Jumping Jack Flash/11.Sympathy For The Devil/12.Outro/13.Brown Sugar

MSG6日連続公演初日、アンコール"Sympathy For The Devil"でクラプトンが飛び入りしたことで有名なこの公演がDACからもリリース。

75年のMSGといえばサンタナ飛び入りの最終日も有名で、あちらの"Sympathy For The Devil"はベースに回ったキースとチャーリーのタイミングが合わずに苦労している様子を聴くことが出来ましたが、実はこの日の"Sympathy For The Devil"も負けず劣らずで、ミックとバックの演奏がズレまくって、こちらも混乱(笑)。

更にこの日の"Tumbling Dice"ではキースがイントロをトチってやり直していたり、"Brown Sugar"や"JJF"ではミックが歌い出せず・・・。挙げ句その"JJF"の2コーラス目からはベースがなくなり(メーカーインフォでは弦が切れたとのこと)、しばしの間は音が薄くなったりもしてますが、さすがに気合いの入った大都市での公演、こんだけ色々やらかしていても、全体的にはまとまりのある好演奏を繰り広げています。

さて、そんなこの公演、ブート化されている音源に関しては現在2種あり、いずれもCD時代になってからの発掘。

とりあえず、両方の音源に軽く触れておきますと・・・

●ソースA
最初に発掘されたソースで、事典では『Eric Clapton & His Rolling Stones』(VGP-315)を代表盤として取りあげた方のソース。

vgpecand

遠目からの録音なのと、総じてややモコっとした印象は受けるものの、
邪魔な歓声の少ない安定した聞き易い音。

この音源の全曲収録盤としては他に、ピッチが早く(注:事典では遅くと間違っていました、失礼)、テープ劣化による音ユレがあり、ヒスノイズも多めでコモり気味の音質の『Tour Of The Americas 75』(RS01-08)、

tota75box

イコライジング過多による高域キツ目の低音不足な音作りの上、ヒスノイズも多くなってしまっている『Devil』(Mid Valley 057/058)があります。

devil

なお、VGP盤は曲中カット無しの全曲収録となっていますが、この音源を収録した前述のタイトルは"You Can't Always Get What You Want"の7分過ぎにカットがあり、『Devil』のその部分の処理に関しては、本来のそことは異なる違う部分をつなぎ合わせて、曲のサイズを合わせているので要注意。

●ソースB

今回のDAC盤の方の音源。全曲収録はもちろんのこと、前述の音源では聴けなかった終演後の客出し場内BGMまで聴くことができます。

肝心の音の方は、ソースA同様に遠目からの録音ですが、高域の抜けが良いことから全体的にすっきりとした印象を受けるのと、こちらも周りの観客比較的静かな為、たとえ演奏を大きく拾っていなくともさほど距離感を感じず聴くことが出来ます。

ただし、ソースAに比べると、ギターが奥に引っ込んでしまっており、"You Can't Always Get What You Want""Happy""Tumbling Dice"辺りでは、
ギターより前面に出たビリーのオルガンが新鮮な反面、鬱陶しく感じてしまうのが玉にキズ。

この音源を収録した既発タイトルでは、タランチュラの『Sympathy For The God』(TCDES-5-1,2)がありますが、紙ジャケにピクチャーディスクそしてポスター付きと、装丁が立派な割には肝心の中身の音作りがイマイチ。

tarasympathyforthegod

全体的に、今時珍しい耳に高域が突き刺さるドンシャリサウンドで、かなりキツい印象を受ける音作りな上、ピッチは早め。

また、編集に問題があったようで、チャプターが変わる部分に音の欠落が生じており、歓声の音量が急に変化したり、"Rip This Joint"から間髪いれず始まる"SFM"では、なんとイントロで音飛びを起こしてしまっているというトホホぶり。

そして本作『Sympathy For Slowhand』

dacsympathyfoslowhand

当然の事ながらタランチュラ盤にあったような音飛びは当然皆無。

また、ピッチもほぼ正常な上、音質もタランチュラ盤に比べると、シンバル類の抜けが自然な感じのナチュラルな音作りで、ピッチも当然ながらほぼ正常。

なお、この音源で目立つカット部分は3箇所ですが、タランチュラとDAC盤では当然ながら編集も異なっています。

まずは"You Gotta Move"での、曲が一旦終わってピアノ・リフレイン部分に移る部分。ここでミックが発する「You Gotta Move,You Gotta Move」というつぶやきとピアノ・リフレイン部分での歌い出し3音がカットされていますが、タランチュラ盤はその部分を定位も音質も合わせずに繋いでいる為、如何にも繋ぎましたといった違和感を感じる音なのに対し、DAC盤はどこで切り替わったか分からない位の見事な音合わせ及び繋ぎを施しています。

続いて"Brown Sugar"、こちらはイントロの最初の1フレーズが丸々と、2フレーズ目の最初の1音がほんのわずかにフェードイン気味でしたが、タランチュラ盤は1フレーズ目のみをソースAで補填している為、2フレーズ目はややフェードイン気味。対するDAC盤は、繋ぎ部分をスムーズに聴かせるべく、2フレーズ目で入るチャーリーのフィルから音源を切り替え。

そして"Midnight Rambler"終了直後のミックのファルセットでの叫び声。こちらに関しては、タランチュラ、DAC共々カットのままですが、タランチュラは如何にも音が切れてますといったブツ切れ繋ぎ編集なのに対し、DAC盤は元々なかったかのように綺麗な繋ぎ処理を施しています。

全体的な音質もさることながら、定位調整や繋ぎ処理に関してもDAC盤はさすがの編集上手といった感じ。

さて、このDAC盤の各ディスクの最後には1曲ずつボーナストラックが収録されており、まずはディスク1の最後に収録された"Carnival To Rio"。

後にクラプトンのアルバム『No Reason To Cry』で"Carnival"と改題されて
リリースされる曲ですが、本作に収録されているのは正規テイクとは別のストーンズ参加テイク。

この曲に関しては、6月25日に7テイク、6月30日に3テイクの計10テイクを録音と事典にも載せましたが、ストーンズ自体は6月29,30日とフィラデルフィア公演を行っており、そこからわざわざ公演日である30日に一旦ニューヨークに戻るとは考え難いので、今回収録のテイクは6月25日に録音されたと考えるのが妥当かと。まあ、6月30日に作られたテイク自体が、6月25日のテイクにクラプトン側がオーバーダヴしただけと推測すれば、ストーンズ参加テイクという可能性もありますけど・・・。

さて、この曲に関しては、まず編集盤『Gals*Gags*Pin-Ups』(RST-SG)にて、今回のDAC盤でいうところの3分33秒付近から1分半弱の部分が、かなり劣化した音質でまず初登場。

galsgagspinups

続いて前述『Eric Clapton & His Rolling Stones』に少しだけ音質が改善された物がリリースされましたが、曲のサイズは中途半端なまま。

そして「Steel Wheels Tour」でのクラプトン競演公演をカップリングした
ミッドバレイ『19』(MVR 185-189)のボーナスディスク及び、それのディスクは同じでジャケだけ新たに作った単品リリース『Brown Sugar * Carnival』(MVR Limited Sampler)にて、ついにフルサイズが登場。

19

mvbrownsugarcarnival

ちなみに、これらMV盤には"Carnival To Rio"が2つ入っていますが、1フレーズでテープを止められてしまうイントロ部分が入っているかいないかだけの違いにつき、テイク違い云々といった類ではありません。

今回のDAC盤に収録されたのもMV盤とテイクは同じ。

ただ、MV盤はヒスノイズ多めでやや輪郭の甘い音だったのに対し、DAC盤はヒスノイズはさほど感じない上、MV盤にはなかった止められてしまうイントロ前の音(この曲の音かは不明)までを収録。

まあ、この音はあってもなくてもといった感じですが、曲本体も一段と聴きやすくなっています。

ディスク2のラストは、毎度お馴染みクラプトンとアル・クーパー参加の"Brown Sugar"

これだけ年代がちょいと前になってしまいますが、MV盤に収録ということで、こちらにも収録したんでしょう。音の方はこちらもMV盤より音が締まって聞き易さが増しています。

ちなみにディスク2の頭の"Fingerprint File"をディスク1の最後に持ってきてボーナストラック2曲をディスク2の最後に持ってきた方がすっきりすると感じる人も多かろうと思われますが(当然私も)、実際に計算してみると、たしかに"Fingerprint File"自体はギリギリで入る事が判明しましたが、曲終了後あまり余裕なくフェードアウトしなくてはならないので、ここはあえて、ディスクの代わり目ではあるものの、ライブを途中で分断する不自然な形となったのかなと。

だったら個人的には、"Carnival To Rio"なら時期的にも一致しているので、イントロダクション的にディスク1の頭に収録しても良かったかななんて思ったりもするのですが・・・。

by Hara ¦ 03:05, Monday, Feb 25, 2008 ¦ 固定リンク


『The Original Hold On Tight』(-)
originalholdontight

『The Original Hold On Tight』(-) 2CD

June.27 1975 Madison Square Garden,New York City,NY

Stereo Audience Recording
Quality:Excellent

(Disc-1)
1.Fanfale For The Common Man/2.Honky Tonk Women/3.All Down The Line/4.If You Can't Rock Me - Get Off Of My Cloud/5.Star Star/6.Gimme Shelter/7.Ain't Too Proud To Beg/8.You Gotta Move/9.You Can't Always Get What You Want/10.Happy/11.Tumbling Dice/12.It's Only Rock'n Roll/13.Band Introductions/14.Doo Doo Doo Doo Doo
(Disc-2)
1.Fingerprint File/2.Cherry Oh Baby/3.Angie/4.Wild Horses/5.That's Life(-Diff Source-)/6.Outa Space/7.Brown Sugar/8.Midnight Rambler/9.Rip This Joint(-Diff Source-)/10.Street Fighting Man/11.Jumping Jack Flash(-Diff Source-)/12.Sympathy For The Devil

アンコール"Sympathy For The Devil"でサンタナがゲスト出演した、MSG 6日連続公演の最終日全曲収録盤。

この公演の音源に関しては、アナログ時代から良好音源が2種あり、当然のことながらCD化も幾つかのタイトルでされてきましたが、何故かアナログのジャケットを流用していながら中身は別の方のアナログ音源でCD化といった具合で、まずは少し整理から。

●ソースA

本作の基になったアナログ『Hold On Tight』(CS-MSG-75) にて登場した音源。

lpholdontight

演奏が大きく録れたバランスの良い録音で、邪魔な歓声もない聴きやすい録音。
ただしピッチがかなり早くて定位は右寄りでヒスノイズが多め。また、曲順をいじっている上に全曲収録ではなく、"That's Life""Rip This Joint""JJF"が未収録。そして"You Can't Always Get What You Want""Midnight Rambler""Brown Sugar"の曲中に欠落あり。
ちなみにこのアナログに収録されている"Rip This Joint"は同じMSG公演でも6月24日のもの。
何故かジャケの方はCDによく使われるのに、肝心の音の方はほとんどCD化されてないという状況。

●ソースB

アナログ『Preserve For Future...』(Nothern Rec.1501)と『Discover New York』(Nothern Rec.1502)にて登場した音源。

lppreserveforfuture

lpdiscovernewyork

ソースAと比べると若干音が遠くなるのと、やたら"Satisfaction"をリクエストする女性達含め歓声はやや多めなものの、録音自体は良好な聴きやすい音源。

アナログ時代はオープニングから"Angie"までしか聴けませんでしたが、
現在は同一ソースで全曲を聴くことが可。

では、本作含め幾つか出ているCDの特徴をば


***『Hold On Tight』(CA-020-1A/CA-021-2A)

silverboxholdontight

アナログ複刻の様にみせかけ、実際盤のデザインまで流用しているにも関わらず、実際のところはオープニングから"Angie"までがソースBのアナログ2タイトル『Preserve For Future...』『Discover New York』から、そしてそれ以降が『Hold On Tight』落とし。
したがって当然のことながら、"That's Life""JJF"は未収録で、"Rip This Joint"は6月24日のもの。そして"Brown Sugar"と"Midnight Rambler"がひっくり返っちゃっているのと、ピッチは早いまま。全体的に音を高域キツ目に仕上げている様で、耳に大変優しくないキンキンサウンド(苦笑)。


***『Hold On Tight』(VGP-255)

vgpholdontight

こちらもソースAのアナログタイトルを名乗っていますが、ソースBの全曲収録盤。

"You Gotta Move"のピアノリフレインに入る部分や、"Midnight Rambler"の終盤テンポアップする部分に音飛びあり。

また基テープの劣化に起因してなのか、"Midnight Rambler"以降、左チャンネルがコモってしまっているのが玉にキズ。

なお、この音源に関しては、同じくVGPの『Preserve For Future...』(NR 1501),『Discover New York』(NR 1502),『The Best Of The Rest - 100% Odd Lods』(VGP-026/ODD-1) の3タイトルでカバーすることも可。

vgppreserveforfuture

vgpdiscovernewyork

vgpbestofrest


***『The Original Hold On Tight』(-)

theoriginalholdontight

そして本作。タイトルにわざわざオリジナルと表記している通り、ようやくジャケットと中身が一致。

早かったピッチはほぼ正常。そして定位は"Wild Horses"でやや左に寄るものの、概ね中央に修正。

またヒスノイズを余韻に影響ない程度に除去している上、ピッチ修正で引っ込んだ高域も自然な感じで補正している為、全体的に聞き易い音の仕上がり。

また、欠落部に関してはソースBを補填。
"You Can't Always Get What You Want"6分59秒から8分35秒までと、"Brown Sugar"2分6秒から2分30秒まで、そして"Midnight Rambler"
4分30秒から4分36秒までの曲中音源切り替わり部分に関しては、若干定位が変わって音が奥に引っ込んだ程度の印象を受けますが、概ね自然な繋ぎ。

また、VGP『Hold On Tight』で左チャンネルがモコモコだった"Rip This Joint"と"JJF"に関しても、右チャンネルをメインとしてモノラルにならない程度に音を作り直した様で、こちらもさほど違和感なく切り替わっています。

惜しむらくは、"You Gotta Move"と"You Can't Always Get What You Want"の曲間がフェードアウト・インとなっていることですが、まあこれもさほど気にならないレベルの欠点。

アナログ時代からの名音源が、欠点解消のまともな形でようやくCD化されたという点でなかなかポイント高いタイトル。

by Hara ¦ 16:46, Saturday, Feb 16, 2008 ¦ 固定リンク


『Giants Studium 1994』(-)
giantsstudium1994

『Giants Studium 1994』(-) 2CD

Aug.14 1994 Giants Stadium,NJ

Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent

(Disc-1)
1.Opening/2.Not Fade Away/3.Tumbling Dice/4.You Got Me Rocking/5.Shattered/6.Rocks Off/7.Sparks Will Fly/8.Satisfaction/9.Beast Of Burden/10.Out Of Tears/11.Wild Horses/12.All Down The Line/13.Miss You
(Disc-2)
1.Can't Get Next To You/2.I Go Wild/3.Band Introduction/4.Honky Tonk Women/5.Happy/6.The Worst/7.S.E./8.Love Is Strong/9.Monkey Man/10.Start Me Up/11.It's Only Rock'n'Roll/12.Street Fighting Man/13.Brown Sugar/14.Jumping Jack Flash

久々のVoodoo Loungeツアーブートは、オフィシャルビデオがリリースされたジャイアンツスタジアム公演、高音質収録盤。

この公演の代表的なタイトルとしては、オフィシャルビデオはもちろんのこと、そのビデオの音声をストレートにCD化した『Sparks Will Fly』(KTS 377) が、音質では最も優れているタイトルですが、その基となったオフィシャルビデオ自体、この日演奏した24曲の中から17曲を抜粋という不完全収録だったのが玉にキズ。

sparkswillfly

その後VGPから、ビデオとは違ったロニーがオフ気味の別ミックスSBD全曲収録盤『Bite The Big Apple』(VGP-069)がリリース。

bitethebigapple

このVGP盤、残念ながら正規ビデオに比べると音質はかなり劣るものの、全曲収録の点はもちろんのこと、ビデオから漏れたレア曲"Can't Get Next To You"と『Stripped』とは別アレンジの"Wild Horses"を収録しており、特に"Can't Get Next To You"に関しては未だ唯一のSBD音源な為、非常に価値のあるタイトル。

本作はそのVGP盤と同じ音源を収録していますが、モコモコとしたコモった音のVGP盤に比べ、かなりマスターに近いテープから作成されているようで、ほぼオフィシャル同様の高音質。

ちなみに、VGP盤にあった幾つかのカット部分に関しては・・・。

まずはメンバー紹介のボビーキーズ紹介直後の歓声に関しては、入ってくる観客の口笛が同じことから、おそらくその後のマイケル・デイヴィスの歓声の一部を繋ぎに使用している模様。

続いてロニー紹介直後の歓声の音切れに関しては、本作のマスターでは切れてなかったようで、この部分はノーカット。

そして"S.E."終了直後から"Love Is Strong"のイントロでドラムが入ってくるまでの欠落部分に関しては、この日のオーディエンス収録盤『Welcome To Voodoo Loundge 1994』(GIN XX3)から同部分を持ってきて、見事に違和感なく繋いでいます。

welcometovoodoolounge

といった具合で、今更感はあるかもしれませんが、VLツアーが好きな方にとってはもちろん、"Can't Get Next To You"が高音質で聴けるようになった点では、かなり良いタイトルなのかなと。

by Hara ¦ 06:21, Friday, Feb 15, 2008 ¦ 固定リンク


『The Mick Taylor Years』
micktaylorbox

『The Mick Taylor Years』(RSMT BOX CD1-12) 12CD+1DVD

ミックテイラー期を、12枚のCD+DVDにまとめたボックスセット。
これだけのボリュームなんで、集大成的な物になるのかというと、
なかなかそうはいかないようで(苦笑)

●Disc-1
All Tracks 1973
1.Brown Sugar(Sep.28)/2.Gimme Shelter(Oct.2)/3.Happy(Oct.10)/4.Tumbling Dice(Oct.10)/5.Star Star(Oct.2)/6.Dancing With Mr.D(Oct.10)/7.Angie(Oct.10)/8.You Can't Always Get What You Want(Oct.10)/9.Gimme Shelter(Oct.17 2nd)/10.Happy(Oct.17 2nd)/11.Star Star(Oct.17 2nd)/12.All Down The Line -Part-(Oct.17 2nd)/13.All Down The Line - Rip This Joint(Oct.17 2nd)

クレジットには全曲サウンドボードという表記がありますが、そんなことはなくトラック2〜8の7曲は高音質オーディエンス音源。
"All Down The Line"が重複収録されていることからも分かるように『The Stars In The Sky They Never Lie』(MB CD 141)からのコピー収録。ただしディスク2と重複するのを避けて10月2日の"Doo Doo Doo Doo Doo"と、9月30日2ndショーからの"SFM"はカット。

mbstarsinthesky


●Disc-2
Track1-12 1973
1.Brown Sugar(Sep.13)/2.Star Star(Sep.13)/3.Dancing With Mr.D(Sep.9)/4.Angie(Sep.13)/5.Midnight Rambler(Sep.9)/6.Doo Doo Doo Doo Doo(Oct.2)/7.Gimme Shelter(Oct.17 2nd)/8.Happy(Oct.17 2nd)/9.Star Star(Oct.17 2nd)/10.All Down The Line(Oct.17 2nd)/11.Rip This Joint(Oct.17 2nd)/12.Street Fighting Man(Sep.30 2nd)/13.Jumping Jack Flash(Apr.28 1968)

ディスク2は懐かしのタイトル『Reflections Of A Stone Alone』(VGP-043)のコピー。
したがって10月17日ブリュッセル2ndショーのSBD音源である7〜11の5曲も10月15日のアントワープ公演という誤表記がそのまま。
またディスク1でカットされた、10月2日のAUD音源"Doo Doo Doo Doo Doo"と9月30日2ndショーからの"SFM"はこちらに収録。ディスク1のMB盤に比べると音質が落ちてしまうこちらの音源を、どのような判断で生かしたかはなんとも疑問。

vgpreflections


●Disc-3
1.Brown Sugar/2.Bitch/3.Rocks Off/4.Gimme Shelter/5.Happy/6.Tumbling Dice/7.Love In Vain/8.Sweet Virginia/9.You Can't Always Get What You Want/10.Honky Tonk Women/11.All Down The Line/12.Midnight Rambler/13.Band Introduction-Happy Birthday Nicky/14.Little Queenie/15.Rip This Joint

Feb.24 1973 Western Australia Cricket Ground,Perth Australia
(※)Track7,8,9,15
Feb.26 1973 Royal Randwick Racecourse,Sydney, Australia

Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent

ディスク3は、全編24日公演とクレジットされてますが、実際は"Love In Vain""Sweet Virginia""You Can't Always Get What You Want""Rip This Joint"の4曲は26日公演の音源なことからTSP『Rocks Off!』(TSP-CD-056)のコピー

tsprocksoff


●Disc-4
1.Brown Sugar/2.Bitch/3.Rocks Off/4.Gimme Shelter/5.Happy/6.Tumbling Dice/7.Love In Vain/8.Sweet Virginia/9.You Can't Always Get What You Want/10.Honky Tonk Women/11.All Down The Line/12.Midnight Rambler/13.Band Introductions/14.Little Queenie/15.Rip This Joint/16.Jumping Jack Flash/17.Street Fighting Man

Feb.27 1973 Royal Randwick Racecource,Sydney,Australia

Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent

ディスク4は『Welcome To Austraria』(VGP-110)等でお馴染みの2月27日シドニー公演のステレオSBD音源。

vgpwlcmaustralia

"Brown Sugar"前のミックのかけ声がカット、また"SFM"終了時のミックの挨拶後の歓声のフェードアウトも早め。そして曲間の歓声の質感が異なることから、このボックスでは珍しいことに、コピーではなくテープから起こしている可能性も。


●Disc-5
1.Get A Line On You/2.Shake Your Hips/3.Good Time Women/4.Sweet Virginia/5.Sweet Black Angel/6.Loving Cup/7.Let It Loose/8.All Down The Line/9.Stop Breaking Down/10.Shine A Light/11.Exile On Main St.Blues/12.All Down The Line/13.Sweet Virginia/14.Stop Breaking Down/15.Shine A Light/16.Loving Cup/17.All Down The Line

Studio Outtakes,Official Take

Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent (Track13,14,15 Very Good)

ディスク5は『Exile On Main Street』のアウトテイク集。
冒頭10曲はVGP『Wingless Angels』(VGP-153)のコピー。

vgpwingangel

以降は、様々なところからコピーしていると思しき音源ですが、特定は出来ず。

"Exile On Main St.Blues"は、アルバム収録曲のダイジェストがインサートされない1分28秒のショートバージョン。
"All Down The Line"はUSシングル別ミックス。
トラック13の"Sweet Virginia"はトラック4と同テイク。但し、音質は著しく劣化している上、ヒスノイズの消しすぎで余韻が変。
トラック14の"Stop Breaking Down"はトラック9と同テイク、こちらも音質は著しく劣化。
トラック15の"Shine A Light"も、トラック10とテイクは同じ。ただし頭のピアノ一音はカットの歌い始めフェードインで、音質も劣化。
トラック16の"Loving Cup"はサザビーテープでお馴染みのテイクで、音質はそれら収録盤に比べるとやや劣る感が・・・。
トラック17の"All Down The Line"はアコースティックギターメインのデモテイク。


●Disc-6
1.Silver Train/2.Criss Cross Man(I)/3.Criss Cross Man(II)/4.Hide Your Love/5.100 Years Ago/6.Ain't Too Proud To Beg/7.If You Can't Rock Me/8.Till The Next Goodbye/9.Drift Away/10.Dance Little Sister/11.Fingerprint File/12.Brown Sugar/13.Bitch/14.Let It Rock/15.Ain't Too Proud To Beg (Edited Version)

Studio Outtakes,Official Take and Diff Mix

Stereo Soundboard Recording
Mono Soundboard Recording (Track12,13,14)
Quality:Excellent

ディスク6はMidnight Beat『Acetates』(MB CD 045)のコピー

mbacetates


●Disc-7
1.Jiving Sister Funny/2.I'm Going Down/3.I Don't Know Why/4.Hamburger To Go/5.Down Town Suzie/6.Blood Red Wine/7.Travellin' Man/8.Family/9.Still A Fool/10.Family(Retake)/11.Leather Jacket/12.Dancing In The Light/13.Potted Shrimp/14.Aladin Story/15.I Was Just A Country Boy/16.Who Am I?/17.Trident Jam

Studio Outtakes

Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent

ディスク7は1968年から1970年のアウトテイク集代表盤であるDAC『The Trident Mixes』(DAC-052)の丸コピー

dactridmix


●Disc-8
1.Brown Sugar/2.Brown Sugar/3.Brown Sugar/4.Sway/5.Wild Horses/6.Wild Horses/7.Can't You Hear Me Knocking/8.You Gotta Move/9.Bitch/10.Sister Morphine/11.Dead Flowers/12.Bitch/13.Brown Sugar/14.Let It Rock

Studio Outtakes,Official Take

Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent

(※)Track7
Dec.28 1986 Lone Star Cafe NY
Stereo Audience Recording
Quality:Excellent

(※)Track11-14
Mar.13 1971 University of Leeds .U.K.
Mono Soundboard Recording
Quality:Excellent

ディスク8は『Sticky Fingers』のアウトテイクと称しているものの、トラック7の"Can't You Hear Me Knocking"が、ミックテイラーの86年12月28日ローンスターカフェ公演からの音源ということから『Tricky Fingers & Slicky Ringers』(LU 9316)の丸コピー

trickyfingers

トラック1の"Brown Sugar"はクラプトン参加テイク。
トラック4の"Sway"はシングル別ミックス。
トラック6の"Wild Horses"は『Hot Rocks』初回盤から。
トラック11から14の4曲はディスク11で再び現れるリーズ大学から。


●Disc-9
1.Jungle Disease/2.Jungle disease/3.Tar And Feathered Blues/4.Hats Off To Slim Harpo/5.Let It Loose/6.Gimme Shelter/7.Jam/8.Ventilator Blues/9.Ventilator Blues/10.Delta Slide/11.Memphis Jam/
●Disc-10
1.Sweet Black Angel - Don't Lie To Me/2.Tabasco Jam/3.Shake Your Hips/4.Let It Loose/5.Texarkana Jam/6.Shave'em Dry/7.Key To The Highway/8.32-20 Blues/9.When You Got A Good Friend/10.Torn & Frayed/11.The Last Time/12.Satisfaction/13.Monkey Man/14.Whip's Crack & Tiger's Snarl

June.23 1972 Sumet-Burnet Recording Studio,Dallas,Texas

Stereo Soundboard Recording
Quality:Very Good

ディスク9と10は1972年ダラスリハーサルの代表盤『Dallas Rehearsals 1972』(DAC-008)の丸コピー

dacdallsrehearsals


●Disc-11
1.Dead Flowers/2.Stray Cat Blues/3.Love In Vain/4.Midnight Rambler/5.Bitch/6.Band Introduction/7.Honky Tonk Women/8.Satisfaction/9.Little Queenie/10.Brown Sugar/11.Street Fighting Man/12.Let It Rock

Mar.13 1971 University of Leeds .U.K.

Mono Soundboard Recording
Quality:Excellent

ディスク11は"SFM"終了直後のハウリングがカットされていないことから『Get Your Leeds Lungs Out!』(TSP-CD-030)のコピーと推測されますが、TSP盤よりピッチ早め

tspgetyourleeds


●Disc-12
All Songs "You Can't Get What You Want"(part)
Track1-12 1972,Track13-23 1973
1.May/2.June.3/3.June.9/4.June.11/5.June.19/6.June.24 1st/7.June.24 2nd/8.June.25/9.July.4/10.July.11/11.July.21/12.July.26/13.Jan.18/14.Jan.22 1st/15.Jan.21/16.Jan.22 2nd/17.Feb.14/18.Feb.17/19.Feb.24/20.Feb.27/21.Sep.1/22.Sep.12/23.Oct.10

ディスク12は、1972年から1973年にかけてライブ演奏された"You Can't Always Get What You Want"からギターソロをメインに、歌の合間のオブリで変わった事をやった部分を抜粋して集めたもの。
したがって、完走している曲は無し(苦笑)。
テイラーのギターを研究している人には重宝するかもしれませんが、普通に聴く分には、中途半端すぎて二度と聴く気の起きないディスク。


●DVD
1.Reina/2.Satisfaction/3.Vicio/4.Rock Del Gato/5.Cow Boy/6.Juana De Arco/7.Leather Jacket/8.Little Red Rooster/9.Alabama/10.Talk To Me Baby(W.Chris Jagger)/11.No Expectations/12.Reelin' And Rockin'/13.Alabama/14.TV Interview/15.Secret Affair

DVDはミックテイラーのソロコレクション。
冒頭6曲は1993年6月11日ブエノスアイレス公演のTV放送。
7〜12は各地での隠し撮り映像集。
14と15は『a stone's throw』発売時のTV出演。

by Hara ¦ 02:40, Wednesday, Feb 13, 2008 ¦ 固定リンク


『The RCA Studio Hollywood 1978』(WLR)
wlrrca1978

『The RCA Studio Hollywood 1978』(WLR-2067) 2CD

Aug.23-Sep.8 1978 RCA Studios,Los Angels

Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent

(Disc-1)
1.Back In The USA/2.Jimmy Reed Jam/3.What Gives You The Right(I)/4.My First Plea(III)/5.Blue Feeling(Blues With A Feeling)/6.What Am I Living For(II)/7.Your Angel Steps(Your Angel Steps Out Of Heaven)/8.The Harder They Come(II)/9.Serious(Serious Love)/10.Not The Way To Go(I)/11.Summer Romance(III)
(Disc-2)
1.I Ain't Superstitious/2.Where The Boys Go(II)/3.I'll Let You Know/4.One Night/5.Knee Trembler/6.Tallahassee Lassie(II)

7.What Am I Living For(I)/8.What Gives You The Right(II)/9.Not The Way To Go(II)/10.My First Plea(I)/11.My First Plea(II)

1978年8月23日から9月4日まで行われた、RCAスタジオでのレコーディングアウトテイク集。

ディスク2の"Tallahassee Lassie(II)"までの17曲をメインとし、他の曲をボーナス扱いとしてクレジットしているところから、おそらくメイン部分と同じ収録曲の『Back In The U.S.A.』(BB-CD-002)を曲順を入れ替えてコピーしたと思しきタイトル。

backintheusa

この『Back In The U.S.A.』自体が、旧IMPの『The Harder They Come』(IMP-CD 002)とVGP『Twilight Zone』(VGP-048)からのコピーにつき、本作は所謂コピーのコピーといった形になります。

imphardertheycome

vgptwilightzone

また、ボーナストラック扱いとなった5曲も、上記旧IMP盤とVGP盤の2作から。

これらコピー元とに比べると、全体的にコンプレッサーを欠けすぎの様で、一部高域が耳につく部分があったり、曲間のチャットが一部カットされている曲もあったりする点はなんとも残念。

ちなみに"My First Plea(III)"の4分10秒の音飛びに関しては、新生IMPの『The Harder They Come 1978』(IMP-N-001)はうまく循環コードに乗せたカット及び繋ぎ処理をしていましたが、本作は単純に音切れしている部分を摘んで繋いでいるだけなので、コード進行がおかしなことになっています。

newimpharderthwycome

せっかく『The RCA Studio Hollywood 1978』と銘打っているんだから、旧IMP盤等に収録されていた"My First Plea(%uE285A3)"や"Where The Boys Go(%uE285A0)"、新生IMP盤収録の"Where The Boys Go(%uE285A2)"『Paris Results』(OBR 305 CD-016)等に収録の"What Gives You The Right(III)"あたりを収録すれば、集大成的なタイトルとなったのにと、ちょっと残念というよりは中途半端な印象を受けるタイトル。

by Hara ¦ 07:20, Tuesday, Feb 12, 2008 ¦ 固定リンク


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