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2014年12月
『New Orleans 1994』(-) 2CD
Oct.10 1994 Superdome,New Orleans,LA
Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent
(※)Disc-1 Track1,2,3,4,10 Disc-2 Track2,4,5,6,7,8
Mono Soundboard Recording
Quality:Excellent
(Disc-1)
1.Intro/2.Not Fade Away/3.Tumbling Dice/4.You Got Me Rocking/5.Shattered/6.Rocks Off/7.Sparks Will Fly/8.Satisfaction/9.Beast Of Burden/10.Out Of Tears/11.Doo Doo Doo Doo Doo/12.I Go Wild/13.It's All Over Now
(Disc-2)
1.Miss You/2.Band Introductions/3.Honky Tonk Women/4.Before They Make Me Run/5.The Worst/6.Love Is Strong/7.Monkey Man/8.Street Fighting Man/9.Start Me Up/10.It's Only Rock'n Roll/11.Brown Sugar/12.Jumping Jack Flash
本作が収録しているのは94年のニューオリンズ公演。このニューオリンズ公演、事典でも取り上げてはいますが、本作のリリースまでは以下の2種のラジオ音源がブート化されてきています。
1)全米ラジオ局によるライブ直後の放送
ライブ後にさほど時間をおかずに全曲を放送。ただしブート対策だったのか、ミックスは大変分離の悪いモコモコしたもので、当時出始めていたDATによるクリアーな他公演のオーディエンス音源の方がはるかにバランスが良かったといった音。
ただしツアー半ばでの1コンサートほぼフルの全曲放送だったため、ブートはかなりの数がリリース。その中では、左右逆のタイトルが多い中できちんと合わせあることや、カットされているタイトルも多かったオープニングSE冒頭の「ゴンゴン」というティンパニーっぽい音が収録されている『The Show Must Roll On』(OCTO 053-054)を事典では代表盤として挙げておきました。
2)WESTWOOD ONEによる放送
事典に書ききれなかったことも含めてここであらためてまとめておくと、公演の翌年95年と96年に、WESTWOOD ONEは「Superstar Concert Series」というプログラムでこの公演を放送。
ミックスはきちんと整理されたものでしたが、残念ながら全曲とはいかず、"Shattered""Rocks Off""Sparks Will Fly""Satisfaction""Beast Of Burden""Doo Doo Doo Doo Doo""I Go Wild""It's All Over Now""Miss You""Honky Tonk Women""Start Me Up""It's Only Rock'n Roll""Brown Sugar""Jumping Jack Flash"の当日演奏曲23曲中14曲のみが放送されています。
この公演、95年はshow #95-27、96年はshow #96-16として放送されましたが、微妙に異なる点があり、その違いは"Sparks Will Fly"の2回目のサビに出てくる 「fuck your sweet ass」という言葉の扱い。95年の放送ではそのまま流されましたが、96年の放送ではテープの逆回転のような音が上に被せられています。
ちなみに1)の放送のこの部分はというと、若干の音飛びのような処理となっています。
この「Superstar Concert Series」を収録しているブートは、これまで『But Naked』(VGP-071)と『Tattoo Me』(-)の2種ありましたが、VGP『But Naked』は95年のラジオショーディスクを基に作成された高音質タイトル。したがって"Sparks Will Fly"のサビは加工されずそのまま。
もう片方の『Tattoo Me』は96年の放送から作成されていることから、"Sparks Will Fly"の2回目のサビに逆回転のような音が被っています。またこのタイトルは、カセットでのエアチェックテープを基にしていたようで、高域が若干荒れ気味なのに加え、"Sparks Will Fly"では曲最後の「タン」というチャーリーのスネア1発が欠落してしまっている等、やや残念な出来。
さて本作ですが、ベースとなっているのは2)の「Superstar Concert Series」の96年版音源。したがって"Sparks Will Fly"の2回目のサビに逆回転のような音が被っています。
そしてこの96年版音源がカバーできていなかった残り9曲を、サイト「Wolfgang's Vault」にアップされていたサウンドボード音源にて補填して全曲収録盤としています。
ただしこの「Wolfgang's Vault」音源、微妙に歓声のミックスは異なっているものの「Superstar Concert Series」音源同様にきちんと整理されたミックスだったのですが、なんとステレオの右チャンネルをモノラル化したものにつき、ロニーはソロで中央にパンニングされるとき以外はほとんど聞こえないという欠点を抱えていてしまっているのが難点。したがってロニーがイントロを弾く"It's All Over Now"(本作はラジオ音源を採用しているので未収録)や"Street Fighting Man"等は、他のマイクが拾ったと思しきエコーがかった音でしか聞けません。
本作は「Superstar Concert Series」未放送の楽曲9曲の補填に加え、メンバー紹介やMC等ももらさず補填しての完全版としているのもポイント。そのメンバー紹介、1)の全米ラジオ局放送の際にもカットされていたので、実は本作が初のブート化。惜しむらくは、MCまで細かい補填をしているのは良いのですが、モノラルとステレオの違いにより大半の曲の曲間で音が広がったり狭まったりしてしまっているので、聞いていてちょっと違和感を覚えてしまうこと。楽曲は仕方ないとしてもMC部分は擬似ステレオにする等して、音源切り替わり時の差を軽減する等の加工があれば尚良しだったかと。
なお、"The Worst"から"Love Is Strong"にかけて受信不良のようなノイズが被っていますが、これは1)の全米ラジオ局放送でも同様につき、これはおそらく楽器のワイアレス系の受信不良ノイズと推測されます。 |
by Hara ¦ 18:24, Wednesday, Dec 31, 2014 ¦ 固定リンク
『RIO 1998』(MF-60/61/62) 2CD+1DVD
Apr.11 1998 Praca da Apoteose,Rio de Janeiro,Brazil
Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent
(Disc-1)
1.Opening/2.Satisfaction/3.Let's Spend The Night Together/4.Flip The Switch/5.Gimme Shelter/6.Ruby Tuesday/7.Saint Of Me/8.Out Of Control/9.Miss You/10.Like A Rolling Stone/11.Band Introductions/12.You Don't Have To Mean It
(Disc-2)
1.Move To B-Stage/2.Little Queenie/3.I Just Wanna Make Love To You/4.You Got Me Rocking/5.Sympathy For The Devil/6.Honky Tonk Women/7.Start Me Up/8.Jumping Jack Flash/9.You Can't Always Get What You Want/10.Brown Sugar
95年のフランス・モンペリエ公演でストーンズと初共演したボブ・ディランは、98年春のストーンズ南米ツアーで再び共演。この98年は、アルゼンチンで4月4日と5日の2回、そしてブラジルで4月11日と13日と都合4回のゲスト出演を果たしています。
その共演曲はディラン作の"Like A Rolling Stone"。事典でも触れましたが、95年の共演時はキーが下げられミックが歌いづらそうでしたが、今回の共演ではストーンズがいつも演奏しているキーなのでミックも余裕を持ったパフォーマンスをしています。とはいえ歌の節回しがあまりに違う二人なだけに、ミックは余裕があるといってもサビで合わせるのには相当苦労しているようですが・・・。
さて、本作が収録しているのは4月11日のブラジル公演(※事典では、会場名・国名表記がその前のアルゼンチンのままでした、すみません)。この公演はテレビ放送に加え、事典では抜け落ちてしまいましたがFMラジオでもステレオで放送されています。
本作はラジオ放送を基に作成したCDと、テレビ放送を収録したDVDの3枚組タイトル。
事典でこの公演の代表盤として挙げた『Bob Dylan & Los Rolling Stones』(VGP-198)と『Real Sterio』(SOF 9006)は、いずれもラジオ放送から作成されたタイトルでしたが(SOF盤には裏ジャケットにその旨の記載もあり)、本作はこの両タイトルと比べてどうかというと・・・。
まずは音質ですが、一番硬質な音造りがVGP盤で、SOF盤は少し高域がマイルド気味。本作はこのレーベル特有の硬質な音造りと思いきや、SOF盤の低域を膨らませた感じの高域控えめな音に仕上げています。
本作が、このどちらかのタイトルからのコピーかどうかという点については、VGP盤はボーナストラックを収録する都合からか"Brown Sugar"終了後の歓声に、95年東京セッションの"Honest I Do"がクロスフェードしてきますが、本作はSOF盤同様にそのクロスフェード以降の歓声も収録。
SOF盤はディスクのディバイド・ポイントが"Like A Rolling Stone"の後と、"You Don't Have To Mean It"の後をポイントとしているVGP盤や本作と異なっており、"Like A Rolling Stone"と"Band Introductions"の間の長さはVGP盤と本作は同じ。
ちなみにSOF盤でも"You Don't Have To Mean It"終了直後で一旦フェードアウトして、つぎのBステージへの橋がかかる際のSEがフェードインしてきているので、実際の放送でもこの部分だけはフェードアウト・インしていたのかなと。
そしてそのSOF盤でディスクをまたぐ"Like A Rolling Stone"と"Band Introductions"の間は、重複部分を作らずにフェードアウト・イン処理していることから、もし本作がコピーをするにしても、その部分をVGP盤からコピーする等して補填しない限りは出来ませんが、本作のその部分を聞く限りは補填による編集痕や音質変化もなかったことから、本作は新たな別マスターから作成されていることになります。
DVDの方にも触れておくと、ラジオ放送ではカットされていた"Wanna Hold You"と"Tumbling Dice"、テレビ放送でもこの2曲ではCMにあたってしまってはいますが、CM明けに現地レポーターのレポートのバックで曲の終わり数十秒を見ることが出来ます。ただしその反面、オープニングSEの途中までや"You Can't Always Get What You Want"のイントロには、レポーターのしゃべりが被ってしまっているという難点もあったりします。
ちなみに本作のDVDを既発の2枚組プレスDVD『Bridges To Babylon Tour』(WOW-050 1/2)と比べてみると、画像の輪郭の甘さはほぼ同等ですが、発色は本作の方がはるかに上回っています。
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by Hara ¦ 17:25, Wednesday, Dec 31, 2014 ¦ 固定リンク
『Garden State 2012 HD (Stereo Remix)』(RS121215R) |
『Garden State 2012 HD (Stereo Remix)』(RS121215R) 2CD
Dec.15 2012 Prudential Center,Newark,NJ
Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent
(Disc-1)
1.Opening/2.Get Off Of My Cloud/3.The Last Time/4.It's Only Rock'n Roll/5.Paint It Black/6.Gimme Shelter(with Lady Gaga)/7.Wild Horses/8.Going Down(with John Mayer & Gary Clark Jr.)/9.Dead Flowers/10.Who Do You Love?(with The Black Keys)/11.Doom And Gloom/12.One More Shot/13.Miss You/14.Honky Tonk Women
(Disc-2)
1.Band Introductions/2.Before They Make Me Run/3.Happy/4.Midnight Rambler(with Mick Taylor)/5
.Start Me Up/6.Tumbling Dice(with Bruce Springsteen)/7.Brown Sugar/8.Sympathy For The Devil/9
.You Can't Always Get What You Want(with Trinity Wall Street Choir)/10.Jumping Jack Flash/11.Satisfaction
本作が収録しているのは、「One More Shot」というタイトルで日本でもWOWOWで放送された、2012年ツアー千秋楽12月15日のニュージャージー公演の番組音声。
ニュージャージー繋がり、そしてステレオサウンドボード音源収録盤繋がりということなのでしょう、本作は78年ツアーのニュージャージー公演を収録したアナログ時代からの名盤『Garden State 78』の2012年版といったアルバムタイトル、そしてジャケットの構図も似せて造られています。
ちなみに本作のセカンドエディション(オマケのBD-Rが付属せず2枚組CDのみ)のジャケットは、さらに『Garden State』に近い構図となっています(※画像はネットから)。
さて、肝心の音の方ですが、事典で代表盤として挙げた『One More Shot』(DAC-131)と『One More Shot The Rolling Stones Live』(CR-121215-CD1/2)に比べてどうかというと、
高域の鮮明度はDAC盤と同等で、低域の厚みはCR盤に近い感じという、両タイトルのいいとこどりな音質。更に音の分離についても両タイトルよりも広がりがあるように仕上がっています。
そしてこの放送とその収録タイトル全てに共通しての難点であった、"Miss You"の曲中に入り込んでくる、アンビエントマイクが拾ってしまった観客のうめき声と音痴な歌声が、本作では見事に削除されています。
この声が左チャンネルだけにしか入っていなかったことから、右チャンネルをモノラル化して擬似ステレオエフェクトでもかけたのかと思いきや、きちんとロニーのギターは左に残されていたりするし、補填できそうな同じような箇所というのもなかったことから、どうやらこれはきちんとその声のみを削除している模様。そしてその削除箇所の音質変化も聴感上分からないほどにきちんと整えてあります。
アルバムタイトルにはStereo Remixとかありますが、マルチのテープを入手しているわけではないので(もしそうならインフォにも間違いなく書くはず)、実際はStereo Remasterだったりしますが、Remixに近いことが出来てしまうという今時のテクノロジーはすごいのだなといった感を受けるタイトル。 |
by Hara ¦ 18:26, Tuesday, Dec 30, 2014 ¦ 固定リンク
『50 & Counting Tour 2012』(WLR) |
『50 & Counting Tour 2012』(WLR-2194) 11CD+1DVD
Oct.25 2012 Le Trabendo Paris,France
Nov.25&29 2012 O2 Arena,London,UK
Dec.8 2012 Barclays Center,Brooklin,New York City,NY
Dec.13&15 2012 Prudential Center,Newark,NJ
※CD-1
Stereo Audience Recording
Quality:Very Good - Good
※CD-2,3,4,5
Mono Soundboard + Stereo Audience Recording (Matrix)
Quality:Excellent
※CD-6,7
Stereo Audience Recording
Quality:Good
※CD-8,9
Stereo Audience Recording
Quality:Excellent
※CD-10,11
Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent
(CD-1)
1.Route 66/2.It's Only Rock'n Roll/3.Shattered/4.When The Whip Comes Down/5.Champagne And Reefer/6.Doom And Gloom/7.Miss You/8.Tumbling Dice/9.Start Me Up/10.Midnight Rambler/11.Jumping Jack Flash/12.Brown Sugar
(CD-2)
1.Video Intro/2.Show Intro/3.I Wanna Be Your Man/4.Get Off Of My Cloud/5.It's All Over Now/6.Paint It Black/7.Gimme Shelter(with Mary J.Blige)/8.Wild Horses/9.All Down The Line/10.Going Down(with Jeff Beck)/11.Out Of Control/12.One More Shot/13.Doom And Gloom/14.It's Only Rock'n Roll(with Bill Wyman)
(CD-3)
1.Honky Tonk Women(with Bill Wyman)/2.Band Introductions/3.Before They Make Me Run/4.Happy/5.Midnight Rambler(with Mick Taylor)/6.Miss You/7.Start Me Up/8.Tumbling Dice/9.Brown Sugar/10.Sympathy For The Devil/11.You Can't Always Get What You Want(with The London Youth Choir)/12.Jumping Jack Flash
(CD-4)
1.Video Intro/2.Show Intro/3.Get Off Of My Cloud/4.I Wanna Be Your Man/5.The Last Time/6.Paint It Black/7.Gimme Shelter(with Florence Welch)/8.Lady Jane/9.Chanpagne And Reefer(with Eric Clapton)/10.Live With Me/11.Miss You/12.One More Shot/13.Doom And Gloom/14.It's Only Rock'n Roll(with Bill Wyman)/15.Honky Tonk Women(with Bill Wyman)
(CD-5)
1.Band Introductions/2.Before They Make Me Run/3.Happy/4.Midnight Rambler(with Mick Taylor)/5.Start Me Up/6.Tumbling Dice/7.Brown Sugar/8.Sympathy For The Devil/9.You Can't Always Get What You Want(with The London Youth Choir)/10.Jumping Jack Flash/11.Satisfaction
(CD-6)
1.Intro/2.Get Off Of My Cloud/3.I Wanna Be Your Man/4.The Last Time/5.Paint It Black/6.Gimme Shelter(with Mary J. Blige)/7.Wild Horses/8.Going Down(with Gary Clark Jr.)/9.All Down The Line/10Miss You/11.One More Shot/12.Doom And Gloom/13.It's Only Rock'n Roll/14.Honky Tonk Women
(CD-7)
1.Band Intros/2.Before They Make Me Run/3.Happy/4.Midnight Rambler/5.Start Me Up/6.Tumbling Dice/7.Brown Sugar/8.Sympathy For The Devil/9.You Can't Always Get What You Want(with Trinity Wall Street Choir)/10.Jumping Jack Flash/11.Satisfaction
(CD-8)
1.Intro/2.Get Off Of My Cloud/3.The Last Time/4.It's Only Rock'n Roll/5.Paint It Black/6.Gimme Shelter/7.Respectable(with John Mayer)/8.Wild Horses/9.Around And Around/10.Doom And Gloom/11.One More Shot/12.Miss You/13.Honky Tonk Women
(CD-9)
1.Band Intros/2.Before They Make Me Run/3.Happy/4.Midnight Rambler(with Mick Taylor)/5.Start Me Up/6.Tumbling Dice/7.Brown Sugar/8.Sympathy For The Devil/9.You Can't Always Get What You Want(with Trinity Wall Street Choir)/10.Jumping Jack Flash/11.Satisfaction
(CD-10)
1.Intro/2.Get Off Of My Cloud/3.The Last Time/4.It's Only Rock'n Roll/5.Paint It Black/6.Gimme Shelter(with Lady Gaga)/7.Wild Horses/8.Going Down(with John Mayer & Gary Clark Jr.)/9.Dead Flowers/10.Who Do You Love?(with The Black Keys)/11.Doom And Gloom/12.One More Shot/13.Miss You/14.Band Intros
(CD-11)
1.Honky Tonk Women/2.Before They Make Me Run/3.Happy/4.Midnight Rambler(with Mick Taylor)/5.Start Me Up/6.Tumbling Dice(with Bruce Springsteen)/7.Brown Sugar/8.Sympathy For The Devil/9.You Can't Always Get What You Want(with Trinity Wall Street Choir)/10.Jumping Jack Flash/11.Satisfaction/12.Happy(※from『Sweet Summer Sun Hyde Park Live』Japan edition)
2012年暮れに行われた50周年を記念しての短期ツアー「50 & Counting...」全5公演+パリのシークレットギグを11枚のCDに、そしてDVDにはロンドンO2アリーナでの2公演を収録といった、WLRお得意の"まとめボックス"2012年編。
CD-1は、ツアーに先駆けてパリで行った10月25日のシークレットギグ。
音自体は近く録れているものの、残念なことに中低域がオーバーレベルで音割れを起こしてしまっているという何とも惜しい音源で、既発は事典で挙げた3種のタイトルがありましたが、本作は『Trabendo』(GRRR251012)からのコピー。
CD-2と3は、短期ツアー初日となる11月25日のロンドンはO2アリーナ公演。
収録されている音源は、イアーモニターに流されたモノラルサウンドボード音源をメインとし、臨場感与える為にステレオオーディエンス音源を被せたマトリクス音源と呼ばれるもので、その音質から『Everybody Rattle Your Jewelry』(G.R.830/831)のコピー。
CD-4と5は、ツアー2日目の11月29日O2アリーナ公演。
この公演もマトリクス音源での収録となっていますが、"I Wanna Be Your Man"のギターソロ2分11秒付近でジリっと大きなノイズが聞こえることから、『Chanpagne,Reefer And A Red Headed Woman』(G.R.832/833)のコピー。
CD-6と7が、ある意味本作の目玉となる、追加公演ながらツアー3日目に設定されたニューヨークはバークレイズセンター公演。
この公演は、2012年から2014年の足かけ3年に渡るツアーでレギュラーゲストだったミックテイラーが唯一参加しなかった公演でしたが、テイラー参加の定番曲"Midnight Rambler"をセットリストから外さずに、ロニーがソロを弾く形態で演奏しているという、"このツアーでは"珍しいものとなっています。
その音の方はというとスタンドの一番上の方で聞いているかの如く、遠くエコーがかったもので、出音が小さいライブ序盤の"The Last Time"では、近くにいる観客の鮮明に録れた話し声の奥でぼやけた音像の演奏が聞こえているといった状態。70年代の遠目からのオーディエンス音源に慣れているなら、まあ聞ける音ともいえるでしょうけど、21世紀のオーディエンス録音でこの音ではGoodレベルとしか言いようが無いかと。また"The Last Time"に限らず、周りの話し声は頻繁に聞こえてくるので、それだけでも充分キツいものがありますが、この音源では"Happy"や"Brown Sugar"で観客が歌いだしてしまい、しかも"Brown Sugar"では歌がフライングしているという、さすがにこういった企画ものでなければプレスCD化は無理といった音源だったりします。
ちなみにその"The Last Time"、キースがイントロを2回もつんのめらせてしまい、3度目でようやく演奏を始めることが出来てたりするのは、久々のツアー序盤ならではと書きたくなるところですが、後の北米や日本公演を考えると・・・といった感が。そしてこの日のキースは"Happy"でも中間のソロの後のサビを飛ばしていきなりAメロを歌いだすといった具合。
CD-8と9は、ニューアーク2連続公演初日の12月13日公演。
この公演は2種のオーディエンス音源がプレスCD化されていますが、本作が収録しているのはMayflowerの『Complete Prudential Center Two Nights 2012』(MF-18/19/20/21)でブート化されていた音源。演奏を大きく捉えた好録音で、時折パラパラと手拍子や拍手が入ったりしますが、ほとんど気にならないレベル。Mayflower盤は高域がクリアーなメリハリのついた音になっていましたが、本作はモコっとした質感の音となっています。
CD-10と11は、「One More Shot」と題されて日本でもテレビ放送されたツアー最終公演を、その番組音声から収録。
ややハムノイズが乗ってしまってはいるものの、音質は当然ながら最高のステレオサウンドボードですが、本作は編集が残念ながら無茶苦茶。チャプターが変わる際に無音や音とび等のギャップが生じてしまっているという大減点ものに加えて、本来"Honky Tonk Women"の後だったメンバー紹介を、なんと"Miss You"の後にクロスフェードもせずに強引に収録。したがってディスク1はキースが"Before They Make Me Run"の曲紹介をしたところでブツ切れで終わっているのに、ディスク2は"Honky Tonk Women"から始まって、その後で唐突に"Before They Make Me Run"が始まるという、後発ではありえない編集となってしまっています。ボーナストラックに『Sweet Summer Sun Hyde Park Live』の日本版だけでリリースされた"Happy"を入れるがための強引な編集かと思いきや、収録時間的には問題が無いので、おそらく作成時にファイルの順番を誤った等のイージーミスかと推測しますが、一応まとめボックスなだけにもう少し丁寧に作ってもらいたかったところ。
DVDの方は、11月25日と29日のO2アリーナ公演、それぞれのオーディエン映像にマトリクス音源を被せたもの。
youtubeに上がった様々な映像が主で、映像の無い部分は当日の写真をスライドにして流すといった編集となっていますが、これは『Out Of The Wood』(PIGNON-187)のコピーでメニュー画面もまったく同じ。したがってチャプター変わる毎に音声が一瞬途切れるという難点も同様。
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by Hara ¦ 12:24, Tuesday, Dec 30, 2014 ¦ 固定リンク
『Osaka 2003 Second Night』(-) |
『Osaka 2003 Second Night』(-) 2CD
Mar.21 2003 Osaka Dome,Osaka,Japan
Stereo Audience Recording
Quality:Excellent
(Disc-1)
1.Opening/2.Brown Sugar/3.Start Me Up/4.It's Only Rock'n Roll/5.Don't Stop/6.All Down The Line/7.Wild Horses/8.Monkey Man/9.Midnight Rambler/10.Tumbling Dice/11.Band Introductions/12.Slipping Away/13.Happy
(Disc-2)
1.Sympathy For The Devil/2.B-Stage SE/3.Mannish Boy/4.Like A Rolling Stone/5.You Got Me Rocking/6.Gimme Shelter/7.Honky Tonk Women/8.Street Fighting Man/9.Satisfaction/10.Jumping Jack Flash
本作が収録しているのは2003年Licks Japan Tour最終日の3月21日大阪公演。
事典でも触れてはいますが、この公演といえば"Monkey Man"のキース激怒事件。キースがギターの準備に手間取っているのに業を煮やしたミックがチャックに演奏開始を指示。チャックが指示に従って演奏を始めたところ、キースが激怒。わざと音を外してギターを弾いてみたり、"One Hit"のプロモビデオばりの体当たりをミックに何度かするは、チャックには喉もとを掻ききるようなモーションを見せる等、この後どんな展開になるのかと、観ていたこちらもある意味緊張した記憶が・・・。
そんなこの公演、事典ではそれぞれ異なるオーディエンス音源による全曲収録盤を3種採り上げましたが、本作はそれらと異なるオーディエンス音源で全曲を収録しています。
本作もまた既発3種同様に演奏を大きく捉えた好音源が使用されていますが、その録れている音の感じはというと『Front Row』(VGP-330)に近い印象。
ただし拾っている手拍子や歓声は本作の方が少なめなのと、VGP盤は定位が左に寄ってしまっているのに対し、本作はそのようなことなく中央。音質もVGP盤同様にクリアーですが、低域がやや響き気味だったVGP盤に比べて本作はすっきりと締まった音になっています。
Bステージでは、録音ポジションが定まりきらない"Mannish Boy"の序盤で、音が回ったり高域がやや引っ込んだりしていますが、1分40秒あたりからはメインステージ同様の音で楽しむことが出来ます。
ちなみに"It's Only Rock'n Roll"の前にミックが前日と同じく「3度目の大阪ドームや」と言っていますが、正しくは4度目。ミックはプロンプターに表示されている言葉を読むだけなので、スタッフが修正を忘れたのでしょうか。 |
by Hara ¦ 01:23, Tuesday, Dec 30, 2014 ¦ 固定リンク
『Osaka Dome 2003 1st Night』(-) |
『Osaka Dome 2003 1st Night』(-) 2CD
Mar.20 2003 Osaka Dome,Osaka,Japan
Stereo Audience Recording
Quality:Excellent
(Disc-1)
1.Intro/2.Opening/3.Brown Sugar/4.You Got Me Rocking/5.Start Me Up/6.Don't Stop/7.Rocks Off/8.You Can't Always Get What You Want/9.Bitch/10.Can't You Hear Me Knocking/11.Tumbling Dice/12.Band Introductions/13.Thru And Thru/14.Before They Make Me Run
(Disc-2)
1.Sympathy For The Devil/2.B-Stage SE/3.It's Only Rock'n Roll/4.Let It Bleed/5.Midnight Rambler/6.Gimme Shelter/7.Honky Tonk Women/8.Street Fighting Man/9.Satisfaction/10.Jumping Jack Flash/11.Outro
2003年3月20日の大阪公演、5つ目のオーディエンス音源による全曲収録盤が本作。
音の近さは、前項の『Osaka 2003 First Night』(-)や『Front Row』(VGP-330)に近い印象ですが、マイクの指向性によるものなのか低域がかなり強調気味となっており、この音は人によって好みの分かれるところ。
手拍子や拍手が耳につくということはありませんが全体的に周りは騒がしめで、ミックのMCには関西らしいツッコミが聞こえてきたりします。また、"Can't You Hear Me Knocking"エンディングでの口ラッパや、この日の午前がイラク戦争開戦だったことからの"Gimme Shelter"イントロでの「No War」連呼は、大きい音量レベルで拾っているというわけではありませんが、気になる人は気になるかもしれません。
本作はネットに上がっていた音源を基にしたものですが、基音源にあった細かなドロップアウトや音ブレ、そしてプチっという微細なノイズを完全ではないものの、ほとんど気にならないレベルで修正・削除されています。
ただここまで手をかけているのに、メイン・Bステージともに右寄りだった定位を修正していないのはちょっと残念。
なお、ディスク1の"Intro"は場内が暗転するまでの8分26秒を収録したトラックで、開演ブザーは2分6秒から。ディスク2の"Outro"はメンバーが引っ込んだ後の場内BGMスタートからで、こちらは場内アナウンスや警備員のメガホン誘導も含めた7分54秒もの長さのトラックになっています。 |
by Hara ¦ 01:17, Tuesday, Dec 30, 2014 ¦ 固定リンク
『Osaka 2003 First Night』(-) |
『Osaka 2003 First Night』(-) 2CD
Mar.20 2003 Osaka Dome,Osaka,Japan
Stereo Audience Recording
Quality:Excellent
(Disc-1)
1.Opening/2.Brown Sugar/3.You Got Me Rocking/4.Start Me Up/5.Don't Stop/6.Rocks Off/7.You Can't Always Get What You Want/8.Bitch/9.Can't You Hear Me Knocking/10.Tumbling Dice/11.Band Introductions/12.Thru And Thru/13.Before They Make Me Run
(Disc-2)
1.Sympathy For The Devil/2.B-Stage SE/3.It's Only Rock'n Roll/4.Let It Bleed/5.Midnight Rambler/6.Gimme Shelter/7.Honky Tonk Women/8.Street Fighting Man/9.Satisfaction/10.Jumping Jack Flash
Bridges To Babylonツアーに引き続いて実現した来阪公演は前回同様に2公演行われましたが、本作が収録しているのはその初日となる3月20日公演。
セットリストは5日前の東京ドーム初日である15日公演に近いもので、"You Can't Always Get What You Want""Can't You Hear Me Knocking""Midnight Rambler"といった日替わり長尺曲3曲が同様にセットインしていることに加え、この日はキースコーナーでもLicks来日公演で唯一"Slipping Away"を外して、これまた長尺の"Thru And Thru"を演奏と、ツアーの長尺曲揃い踏みといった印象を受けるものとなっています。
この公演の収録ブートについては事典で3種ほど紹介しましたが、出版後に新たに2つのタイトルがリリース。そのうちの1つとなるのが4タイトル目にあたる本作。
演奏が大きく捉えられていることに加えて、曲間でギターの弦に触れた際の微細な音も聞き取れることから、スピーカーから近い位置での録音と推測され、音の近さについてはBステージ含めて『Front Row』(VGP-330)と同等。
VGP盤は周りがかなりにぎやかでしたが、本作は周りが静かめで耳障りな手拍子や歓声の類があまり無いことに加え、VGP盤よりも若干音がクリアーでメリハリがついた印象となっています。
惜しむらくはメインステージの定位が右寄りにつき、ここは修正してもらいたかったところ。
なお"Start Me Up"のギターソロ終わり部分2分27秒から2分32秒にかけて、音が出たり引っ込んだりする箇所がありますが、これは他のタイトルにはなく本作だけの現象につき、録音時のマイク接触不良かと推測されます。 |
by Hara ¦ 01:12, Tuesday, Dec 30, 2014 ¦ 固定リンク
『Keep Your motor Runnnin'』(Mayflower) |
『Keep Your motor Runnnin'』(MF-63) 1CD
June.24 1972 Tarrant County Center,Fortworth,TX (1st Show)
July.20 1972 Spectrum Sports Arena,Philadelphia,PA
July.21 1972 Spectrum Sports Arena,Philadelphia,PA (1st&2nd Show)
Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent-Very Good
1.Brown Sugar(7/21-1)/2.Bitch(7/21-1)/3.Rocks Off(7/21-1)/4.Gimme Shelter(7/21-1)/5.Happy(7/21-1)/6.Tumbling Dice(7/21-1)/7.Love In Vain(6/24-1)/8.Sweet Virginia(6/24-1)/9.You Can't Always Get What You Want(6/24-1)/10.All Down The Line(7/20)/11.Midnight Rambler(6/24-2)/12.Band Introductions(7/21-2)/13.Bye Bye Johnny(7/21-2)/14.Rip This Joint(6/24-1)/15.Jumping Jack Flash(6/24-1)/16.Street Fighting Man(6/24-1)/Uptight(7/21-2)/Satisfaction(7/21-2)
本作はアルバム名はもちろんのこと、LPジャケットが裏ジャケットにコラージュされていたり、
記載されているロケーションクレジットもLPに準じたものであったことから(実際はかなり異なってましたが)、お蔵入りしてしまった1972年ツアーのライブアルバム用音源集の1つであるLP『Keep Your Motor Runnin'』(YY4U72-A/B)の拡大復刻作を装っていますが、実のところはそうでもないようで・・・。
上の曲目部分に正しいロケーションを記載しましたが、本作はなんと本来の『Keep Your Motor Runnin'』音源が一切収録されておらず、その中身はというと、"All Down The Line"を除いてTSPの『Philaderphia Special』(TSP-CD-050-2)の曲間を詰めて、曲順を一部入れ替えたものとなっています。
音質はさすがに若干クリアーにしていたり、Brown Sugar"の冒頭に映画『Ladies And Gentleman』のバンドコールを繋いだりもしていますが、TSP盤で曲によって早かったり遅かったりしたピッチはそのまま。また、"Brown Sugar"から"You Can't Always Get What You Want"までの9曲と"Midnight Rambler"の計10曲の、左右のチャンネルが逆だったのも修正せずに、TSP盤そのままといった具合。そして収録時間に余裕があるのにどういうわけか、TSP盤でも聞けた"Midnight Rambler"イントロ前のミックのアドリブハープはカットという、なんとも理解し難い編集となっています。
唯一TSP『Philaderphia Special』と異なる"All Down The Line"は7月20日のテイクで、これは『Keep Your Motor Runnin'』と演奏自体は同じではあるものの、『Keep Your Motor Runnin'』の方はミックのヴォーカルがオーバーダブされたものにつき、ヴォーカルがダブルトラックになっていますが、本作が収録しているのはオーバーダブ前のシングルトラック。
本作は音の感じから同じくTSPの『Philaderphia Special II』(TSP-CD-060-2)から持ってきているようですが、このオーバーダブ前の"All Down The Line"、実は意外と収録盤が少なくてVGP/DACのタイトルには未収録。
TSP盤以外の収録盤は、Rattle Snakeの『Touring Party 1972』(RS 048-054)とWLRの『American Tour 1972』(WLR-2119)といったボックスだけなので、意外とレアな音源といえるかもしれません。
とはいえ、本作に収録されている音源の大半を占める『Philaderphia Special』音源については、事典で挙げたVGPの『Philaderphia Special』(VGP-260)リマスター版という決定版があるにも関わらず、そこから持ってくることはせず、ピッチや左右のチャンネル問題を抱えている上、音質もはるかに劣るTSP盤からというのは理解に苦しむところ。
そして何より、LPの復刻にみせかけてその肝心のLPの音が入っていないというのは大減点ものなタイトル。
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by Hara ¦ 01:32, Monday, Dec 08, 2014 ¦ 固定リンク
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