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2018年 2月
『Bleeding At The Banquet』(Eat A Peach) |
『Bleeding At The Banquet』(EAT 169) 1CD
Olympic Sound Studios,London
May.13-23 1968 (Track4,5,6,8,9)
June.28 1968 (Track10)
Feb.18-Mar.31 1969 (Track15)
Apr.17-July.2 1969 (Track1,3)
June.16-July.27 1970 (Track11)
Sunset Sound Studio & Elektra Studios,L.A.,USA
Oct.17-26,28-Nov.2 1969 (Track2)
Olympic Sound Studios,London & Stargroves,Newbury
Mar-Apr 1970 (Track12,16,17)
Oct.17-31 1970 (Track7,13,14)
1.Jiving Sister Funny/2.I'm Going Down/3.I Don't Know Why/4.Hamburger To Go/5.Down Town Suzie/6.Blood Red Wine/7.Travellin' Man/8.Family/9.Still A Fool/10.Family(Retake)/11.Leather Jacket/12.Dancing In The Light/13.Potted Shrimp/14.Aladin Story/15.I Was Just A Country Boy/16.Who Am I?/17.Trident Jam
Stereo Soundboard Recordings
Quality:Excellent
サブタイトルに「The Trident Mixes Redux」とあるように、本作は1968年から1970年までのスタジオアウトテイクを収録した、アナログLP名盤『The Trident Mixes』(K&S 072)久々の複刻タイトル。
Trident Mixesとはいうものの、実際にはトライデントスタジオでの録音は無く、全て他所での録音。一説によれば、関係者の持ち帰りチェック用のアセテート盤(当時はまだカセットがさほど普及していなかった為)を
トライデントスタジオでカッティングしていたことから、このようなタイトルが付いたとのこと。
この音源を収録した既発の代表的なタイトルとしては、DACのアナログ復刻作『The Trident Mixes』(DAC-052)
このDAC盤は曲前後の会話やノイズ等、これまでカットされて聞くことが出来なかった音が若干聞こえるようになっていることに加えて、"Im Going Down"のイントロやり直し部分ではこれまでと違う物音が入っていたり、"Leather Jacket"のイントロでは会話が被っていたりと、LPとは異なる音源から作成されていたタイトル。
ヒスノイズ処理の影響で、曲間のスタジオノイズの余韻が若干不自然になっている箇所が僅かながらあったり、アナログLPと比べるとやや高域の抜けが悪い曲も一部あるものの、基本的には高音質の部類に入る上、アナログLPでは早かったピッチは正常、そして逆だったチャンネルも正しく収録されているというもの。
では、LPと同じミックスでの代表的なタイトルはというと、こちらもDACのアナログ復刻作『Trident Demos』(DAC-123)
こちらは2枚組CDで1973年までのアウトテイクを収録したタイトルでしたが、『The Trident Mixes』収録曲はすべて入っており、ピッチやチャンネルが正しいのはもちろんのこと、DAC『The Trident Mixes』よりも低域に厚みが増した音造りで、聴き易さが更に向上しています
さて本作、ピッチやチャンネルが正しいのはこちらも同様、音の傾向は基本的にこのDAC『Trident Demos』に近いものですが、更に中低域に厚みが加わっているという近年の音傾向に沿った音造りの高音質タイトル。
残念なのは、アナログLP同様に"Down Town Susie"が音飛びを起こしており、既発の両DAC盤は音飛びのない音源を使用していたことから、後発である本作としてはここはきちんと差し替えしておいてほしかったのと、
ラストの"Trident Jam"を"Too Many Cooks"としているなど肝心の曲名や録音地のクレジットに誤りが多い点。
他の関連既発タイトルにも軽く触れておきますと、アナログLP『Trident Demos 1969』(Chelsea Records 2R-68)は、ややクリアーさに欠ける音質。
ブートCD黎明期の『The Trident Mixes』(CD 698)は、最後の"Trident Jam"がカットされた全16曲収録で、状態のよくないアナログから落としていることからスクラッチノイズが多かったりするというもの。
同じくブートCD黎明期タイトルである『The Trident Mixes』(LLR CD 039)は、曲順を入れ替えている上、"Family(Retake)""Potted Shrimp""Aladin Story"がカットされ、代わりに"Memo From Turner""Too Many Cooks"の2曲が追加収録された全16曲収録盤で、こちらも状態のよくないアナログから落としていることからスクラッチノイズが多いというもの。
全編をアナログとは別のテープから起こした『Hillside Blues』(VGP-214)。こちらはディスク1にアナログ『Trident Mixes』収録曲全17曲をもらさず収録(ディスク2はメインストリート関連のアウトテイク)。基にしたテープのジェネレーションに起因する、やや荒れ気味の音質が玉にキズ。ピッチとチャンネルは基本的に正しくしてあるのですが、最後の"Trident Jam"だけは何故か左右逆のまま。
最後にオフィシャル『Metamorphosis』と重複している曲と、本作含めたこれらタイトル収録のアウトテイクとの違いにも触れておくと。
"Jiving Sister Funny"は別テイク。
"I'm Going Down"は別ミックスで、オフィシャルではカットされているイントロやり直し部分を収録している上、曲はフェードアウトせず完走。
続いて"I Don't Know Why"、ホーンがオーヴァーダブされる前のテイクで、歌い出しのバスドラム2発もなかったりとミックスも異なっています。また、このテイクを聴くとメタモ収録テイクは、2分4秒あたりから1分3秒以降を再び繋げて曲を長くしているのが分かります。
"Down Town Suzie"は別ミックスですが、オフィシャルで聴ける曲終了後の一言とドラムは無し。
"Family(Retake)"も別ミックスの上、オフィシャルには無いアコギのイントロ付き。但しオフィシャルで曲終了後に聴ける息を吸い込むような音は無し。 |
06:30, Wednesday, Feb 28, 2018 ¦ 固定リンク
『Get Your Kicks』(DAC-185) 1CD
Track 1-13
Apr.18 1965 L'Olympia,Paris,France
Track 14-18
Apr.10 1964 BBC 「The Joe Loss Pop Show」
Track 19-23 BBC「Top Of The Pops」#1
Mar.6 1965 「Top Gear」
Track 24-27 BBC「Top Of The Pops」#2
Aug.30 1965 「Yer! Yer!」
Track 19-23 BBC「Top Of The Pops」#3
Sep.18 1965 「Satuday Club」
Mono Soundboard Recording
Quality:Excellent
1.Everybody Needs Somebody To Love/2.Around And Around/3.Off The Hook/4.Time Is On My Side/5.Carol/6.It's All Over Now/7.Charlie's Intro To Little Red Rooster/8.Little Red Rooster/9.Route 66/10.Everybody Needs Somebody To Love/11.The Last Time/12.I'm Alright/13.Crawdad/14.Joe Loss Intro - Not Fade Away/15.Hi-Heel Sneakers/16.Joe Loss Intro - Little By Little/17.Mick Intro - I Just Wanna Make Love To You/18.I'm Moving On/19.Interview With Mick And Brian/20.Everybody Needs Somebody To Love/21.Interview With Mick/22.The Last Time/23.Down The Road Apiece/24.Mercy Mercy/25.Interview With Mick/26.Cry to Me/27.Satisfaction/28.Fanny Mae/29.Interview With Mick/30.The Spider And The Fly/31.Oh Baby
DACによるアナログブート復刻作、今回はブライアン期の『Get Your Kicks』(M-L6465)
※ジャケット画像はネットから
このところのDACのアナログブート復刻作は、表ジャケットも当時のデザインをそのまま使うことが多かったのですが、本作では基のLPが単色スリックだったこともあり、ジャケットは折り返しの裏側にモノクロで載せられるだけに留まり、表ジャケットはパリでの5人のカラー写真を使った別のデザインになっています。
中身の方はというと、基のLPは65年パリの放送音源+BBCのラジオ音源という構成でしたが、本作も基本的にはLPの構成を踏襲。ということで、本作の冒頭13トラックはVGP/DACではなんと6度目のリリースとなる65年4月18日パリ公演の全曲放送。
フランスのFM局Europe 1が収録して「Musicorama」という番組にて放送されたこの公演、エアチェックではない音源が流出していることから非常に音質も良く、ストーンズ初期のコンサートの全貌を捉えた貴重な記録ということに加えて、アンコールでは未発表のカバー曲"Crawdad"を聴くことが出来るということもあって、アナログLP時代から幾多ものブートがリリースされてきた定番音源。
近年では著作隣接権切れによるハーフオフィシャル盤までもが幾つもリリースされてきているといった状況ですが、本作リリース前の決定版的タイトルは、事典出版後にリリースされたIMPがFrom Paris To Hamburg 1965』(IMP-N-051)とIMP系のEternal Groovesがリリースしたハーフオフィシャルタイトルの『L'Olympia 1965』(EGSH-0002)。
どちらもマスターは同じで、違いは"Little Red Rooster"を始める前のチャーリーによる曲紹介を独立したトラックとしているか否かのみ。
この両タイトルは、放送からしてシャープ気味だったピッチを正確に調整しているというのが既発と比べてのポイントでしたが、これについては本作も同様に調整。
本作は中域を耳につかない程度に上げていることにより、他のタイトルに比べて全体的な音の明瞭さが向上、ヒスノイズは若干あるものの、この音源を収録したタイトルとしては最良のものとなっています。
当然ながら、同じDACの『Paris Match』(DAC-007)にあった、1曲目の"Everybody Needs Somebody To Love"イントロでのアナウンス被りや、"Carol"のイントロでのデジタルノイズは無し。
トラック14から18までは、BBCのラジオ番組「The Joe Loss Pop Show」の1964年4月10日放送分。
これまでBBCのラジオ放送をまとめたタイトルでのこの番組音源は、いずれも2曲目の"Hi-Heel Sneakers"の2コーラス目の頭からの収録でしたが、2015年の暮れについに1曲目の"Not Fade Away"を含む前半部分が発掘されて全曲が聞けることに。
早速、ハーフオフィシャルの6枚組ボックス『Another Time,Another Place』(STBCD005)のディスク5『The Lost BBC Tapes & Ready Steady Goes Live!』(STBCD029)に、この放送の"Not Fade Away"が初めて収録されはしたものの、何故か続く"Hi-Heel Sneakers"は従来通りの2コーラス頭からの収録となっていました。
ちなみに余談となりますが、この『The Lost BBC Tapes & Ready Steady Goes Live!』のトラック11に収録されている"Satisfaction"。クレジットでは1965年8月27日の「Ready Steady Goes Live!」となっており、こちらも初登場かと思わせがちですが、実のところは1965年9月2日の「Ready Steady Go」音源で、このタイトルのトラック13に全く同じ演奏が入っているというオチとなっています。
本作は"Not Fade Away"はもちろんのこと"Hi-Heel Sneakers"は曲を始めるカウントからの収録、そして"Little By Little"を始める前のジョーロスの曲紹介に加え、"I Just Wanna Make Love To You"前のミックによる曲名紹介も新たな収録となっています。
その"I Just Wanna Make Love To You"の冒頭部分。これまではミックの「Thank you」から少し間が開いて曲が始まっていましたが、本作ではこれまで聞けなかったミックによる曲名紹介の直後にこの「Thank you」が入り、そこに被る形で曲が始まるという編集になっています。
この「The Joe Loss Pop Show」部分は、既発より低域に厚みを加えた音造り。
トラック19から最後までは、BBCのラジオ番組「Top Of The Pops」(TV番組とは別)から、ストーンズ放送回3回分。
LP『Get Your Kicks』は"Oh Baby"と"The Spider And The Fly"の2曲の収録に留まっていましたが、本作は9曲+メンバーへのインタビュー4本という拡大収録。このラジオ版「Top Of The Pops」はBBCの他の番組からの流用が主ですが、本作収録の3回分も例にもれずほぼ全てが他の番組からの流用。
したがって演奏自体はこれまでのBBC音源収録盤で聞けますが、インタビュー部分については初登場部分あり。BBC音源を収録した代表盤『Beat Beat Beat At The Beep』(DAC-130)をベースに比較してみると・・・。
トラック19から23までの「Top Of The Pops」#1は、65年3月6日のBBC「Top Gear」。
『Beat Beat Beat At The Beep』等のBBC収録盤と曲順が入れ替わっていたりしますが、その中の"Interview With Mick And Brian"は、インタビュー直後にアナウンサーが"Everybody Needs Somebody To Love"の曲紹介を実はしており、これまではその部分がカットされていたことからフェードアウト処理となっていましたが、本作はノーカットのため"Everybody Needs Somebody To Love"の前という本来のポジションに収録されています。
その"Everybody Needs Somebody To Love"終了後のミックへのインタビューは初登場。
オフィシャル『On Air』で一部重複収録という雑な編集がされてしまっていた"The Last Time"は当然ながらきちんとした状態での収録。
トラック24から27の#2は65年8月30日BBC「Yer! Yer!」。
本作に収録されている3曲に加えて、この「Yer! Yer!」では"The Spider And The Fly"も放送されましたが、この曲は本作の次に収録されている「Saturday Club」65年9月18日放送回に同じ演奏が使われているので「Top Of The Pops」でカットされているのは当然なのかと。
トラック25の"Interview With Mick"は序盤約30秒ほど『Beat Beat Beat At The Beep』よりも長くなっていますが、この長くなった部分は『Beat Beat Beat At The Beep』でいうと"Satisfaction"の前に収録されているインタビューで、本来は1つだったインタビューを分割使用していたことが本作で判明。
ちなみに"Cry To Me"はこれまで「Saturday Club」とされてきましたが、本作ではこの「Top Of The Pops」放送回が「Yer! Yer!」中心となっていることから、こういうクレジットとしているようです。
ラストに収録されている#3はBBC「Saturday Club」65年9月18日放送回ですが、トラック29の"Interview With Mick"は流用ではなく、「Top Of The Pops」用のインタビューで、『Beat Beat Beat At The Beep』には未収録。
これら「Top Of The Pops」音源は、『Beat Beat Beat At The Beep』よりも低域に厚みを持たせた音造りとなっています。 |
06:30, Monday, Feb 26, 2018 ¦ 固定リンク
『Austin 2006 Dolby Digital 2 Channel Stereo Edition』(-) |
『Austin 2006 Dolby Digital 2 Channel Stereo Edition』(-) 2CD
『Austin 2006』(-) 2CD
Oct.22 2006 Zilker Park,Austin,TX
Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent
(Disc-1)
1.Intro/2.You Got Me Rocking/3.Let's Spend The Night Together/4.She's So Cold/5,Oh No,Not You Again/6.Sway/7.Bob Wills Is Still The King/8.Streets Of Love/9.Ain't Too Proud To Beg/10.Bitch(Edit)/11.Tumbling Dice/12.Band Introductions/13.Learning The Game/14.Little T&A
(Disc-2)
1.Under My Thumb/2.Get Off Of My Cloud/3.Honky Tonk Women/4.Sympathy For The Devil/5.Jumping Jack Flash/6.Satisfaction/7.Brown Sugar
前々項、前項とオフィシャルDVDのサウンドトラック的なタイトルを紹介してきましたが、ここに挙げた2つのタイトルもまた同趣向のもの。
これらタイトルが収録しているのは『The Biggest Bang』のディスク1に収録されていた2006年10月22日のオースティン公演。
この日は"You Got Me Rocking"でスタートという、アルバム『No Security』を彷彿させるオープニングだったり、2005-2007年のABBツアーで唯一となった"Bob Wills Is Still The King""Learning The Game"を披露していたりと特別な印象を受ける公演につき、この手のサウンドトラック的なタイトルの中でも重宝がられるものなのかもしれません。
この映像音源の既発タイトルは、事典で紹介した13枚組CDボックス『A Bigger Bang World Tour 2006』(WLR-2178)。
トータルタイム89分54秒を1枚の規格外ディスクに収めるというアイデアは良かったものの、肝心の音の方がよりによってこの公演のディスクだけ、制作時の入力レベル過多の影響で高域がバリバリと歪んでしまっているという残念なタイトル。
ここに挙げた2作は当然そのようなことのない超高音質収録盤。
残念ながらこの日のオーディエンス音源を見つけることが出来なかったようで、オフィシャルDVDでカットされていたBステージでの"Start Me Up"とアンコールの"You Can't Always Get What You Want"は未収録のままですが、DVD最後のクレジット部分のバックで流れていた"Bitch"は曲の後半部分がカットされた短縮版ではあるものの、ライブ本来の位置にきちんと歓声を被せた形で追加収録しています。
ちなみにこの"Bitch"、ボックスの方は未収録。
先にリリースされた『Austin 2006』の方はDVDの「Dolby Digital 5.1 Surround」音声を2チャンネル再生して基に作成されていましたが、"You Got Me Rocking"の2分13秒、"Bob Wills Is Still The King"のエンディング部分3分00秒、そしてディスク2の"Brown Sugar"の曲中3分20秒・3分27秒・3分34秒の計5箇所で、強力なリミッターがかかったかのような音量の落ち込みが生じてしまっています。この音の落ち込みについてDVDを幾つかの機器で2チャンネル再生して確認したところ、これは元々このソフト自体がそうなっていた模様。
続いてDVDの「Dolby Digital Stereo 2.0」を使って作成されたのが『Austin 2006 Dolby Digital 2 Channel Stereo Edition』。
『Austin 2006』のような一部音声の落ち込みはありませんが、全体的にバンドの演奏がオンに聞こえる『Austin 2006』に比べると、こちらはライブ会場の臨場感を強調するかのような演奏がやや奥に引っ込んだ印象の音となっているため、ここは好みの分かれるところ。 |
06:30, Friday, Feb 23, 2018 ¦ 固定リンク
『Paris Olympia 2003』(-) 2CD
July.11 2003 L'Olympia,Paris,France
Stereo Soundbpard Recording
Quality:Excellent
(※)Disc-1 Track9 Disc-2 Track7,9
Stereo Audience Recording
Quality:Excellent
(Disc-1)
1.Intro/2.Start Me Up/3.Live With Me/4.Neighbours/5.Hand Of Fate/6.No Expectations/7.Worried About You/8.Doo Doo Doo Doo Doo/9.It's Only Rock'n Roll/10.Stray Cat Blues/11.Dance/12.Everybody Needs Somebody To Love/13.That's How Strong My Love Is
(Disc-2)
1.Going To A Go Go/2.Band Introductions/3.The Nearness Of You/4.Before They Make Me Run/5.Love Train/6.Respectable/7.Rip This Joint/8.Honky Tonk Women/9.Tumbling Dice/10.Brown Sugar/11.Jumping Jack Flash
前項に引き続き、本作もまたオフィシャルDVD『Four Flicks』のサウンドトラック盤的なタイトル。
収録されているのは、2003年7月11日フランスはパリのオリンピア劇場でのライブ。
DVDの方は"It's Only Rock'n Roll""Rip This Joint""Tumbling Dice"の3曲がカットされていましたが、本作はブート化されているこの公演の3種のオーディエンス音源の中で最良だったCrystal Catの『At The Olympia,Paris』(CC 705-06)から、これらの曲をコピー補填して全曲収録盤としたタイトル。
このCrystal Cat音源、演奏を大きく捉えていることに加えて適度な奥行き感があり、高域がすっきりと伸びたクリアーでバランスの良い音質につき、本作でDVD音声からこの音源に切り替わっても、ちょっと演奏の線が細くなったかなという程度で、ほとんど違和感なく聴き通すことが出来ます。
惜しむらくはこの音源、元々定位が右寄りだったのですが、本作も特に修正しない状態で補填してしまっているため、オーディエンス音源に切り替わるとやや音が右寄りに。ここは丁寧に修正しておいてもらいたかったかなと。
なお、この形での全曲収録盤は本作が初めてではなく、Crystal Cat音源を補填するという同様の音源構成で、この公演もまた17枚組CDボックス『Licks Tour Europe 2003』(SF-03)の中のCD3とCD4でブート化されています。
このボックスの方はメインのDVD音声が何故か左右逆になっているという欠点に加え、ボーナストラックを収録する都合上、ライブ前半のディスクの最後が"Before They Make Me Run"となっていたのですが、その後の"Love Train"のカウントの途中でブツ切れとなってディスク終了。次のディスクの頭はその"Love Train"がフェードインで始まるという雑な編集。
本作は当然ながらそのようなことはなく、ボックスの音源切り替わり部分がクロスフェードされておらず単純な繋ぎとなっていたのに対し、きちんとクロスフェード処理もされていてスムーズに聞けるような編集が施されています。
ちなみに前項のトゥイッケンハム公演では、オフィシャルリリースにあたり演奏ミスが丁寧に修正されていましたが、イントロでフライング気味の変なタイミングでキースがリフを入れていた"Live With Me"は、削除や修正がされずそのままというのが何とも不思議なところ。 |
06:32, Wednesday, Feb 21, 2018 ¦ 固定リンク
『Twickenham 2003 1st Night』(-) |
『Twickenham 2003 1st Night』(-) 2CD
Aug.24 2003 Twickenham Stadium,London,UK
Stereo Soundbpard Recording
Quality:Excellent
(※)Disc-1 Track4,12 Disc-2 Track7
Stereo Audience Recording
Quality:Excellent
(Disc-1)
1.Introduction/2.Brown Sugar/3.You Got Me Rocking/4.Don't Stop/5.Rocks Off/6.Wild Horses/7.You Can't Always Get What You Want/8.Paint It Black/9.Tumbling Dice/10.Band Introductions/11.Slipping Away/12.Happy/13.Sympathy For The Devil
(Disc-2)
1.Intro S.E./2.Star Star/3.I Just Wanna Make It Love To You/4.Street Fighting Man/5.Gimme Shelter/6.Honky Tonk Women/7.Start Me Up/8.Satisfaction/9.Jumping Jack Flash
オフィシャルDVD『Four Flicks』のサウンドトラック盤といったタイトルで、収録されているのはミックの風邪により幾つかの公演がキャンセルとなった後の明けとなった8月24日トゥイッケンハム公演。
とはいえ、単純にDVDの音声だけをCD化しただけではなく、DVDで残念ながらカットされていた"Don't Stop""Happy""Start Me Up"の3曲をオーディエンス音源で補填しての全曲収録盤。
同種のCDは本作が初めてではなく、17枚組のCDボックス『Licks Tour Europe 2003』(SF-03)の中のCD11とCD12でブート化されています。
このボックスの方は、補填のオーディエンス音源をVGPの『Salt Of The Earth』(VGP-359)から持ってきており、音質自体はこのVGP盤もかなりのものにつき、音源による音質の差はほとんどないのですが、繋ぎの編集が雑なのが難点なタイトル。
その雑な編集ぶりに触れておくと、まず"Don't Stop"は、入りがきちんとクロスフェードしてるまでは良かったのですが、オーディエンス音源おスタートポイントが遅く、チャックのカウントが途中からフェードインしてしまっていることに加え、曲が終わった後は何故かフェードアウト・インでクロスフェード処理がされておらず、次の"Rocks Off"がフェードイン気味にスタート。
"Happy"は本作と違いディスクの最後の曲のため、終わった後のフェードアウトは良かったのですが、音源スタート部分が今度はクロスフェード処理をされていないどころか曲のイントロ途中からフェードインという理解に苦しむ編集。
"Start Me Up"も入りはクロスフェードされていますが、こちらも何故かイントロ途中からフェードイン・・・。そして曲が終わった後はフェードアウト・インなのはまだしも、ミックの客の煽りがオーディエンス音源とサウンドボード音源でダブって収録されてしまっているという何とも残念なものとなっていました。
本作はそのようなことなくきちんとしたクロスフェード処理が施されており、音源切り替わりの際もスムーズに聞くことが出来ます。その本作で使われているオーディエンス音源ですが、こちらはVGPとは異なる音源で、音の重心はサウンドボード音源に比べてやや高めとなっていますが、VGP盤に負けず劣らずの演奏を大きく捉えた優良音源につき、こちらも音源が変わってもさほど違和感を覚えず聴くことが出来ます。
ただ、サウンドボード音源の方が臨場感を強調するためにエコーを結構かけた音造りだったのに対し、本作のオーディエンス音源はVGP音源よりもエコー感が少な目な印象の音につき、少しリバーブをかけたら尚良かったのではという気も。
なお、この公演からはオフィシャルアルバム『Live Licks』にも"Rocks Off""You Can't Always Get What You Want""Paint It Black""Street Fighting Man"の4曲が採用されており、その中の"Rocks Off"がオフィシャルらしからぬ雑な編集で話題になったりもしましたが、一応その部分について触れておくと・・・。
アルバムでは中盤の「Feel So hypnotized」で始まるスローパートが終わると、音飛びを起こしたかのような編集で「The Sunshine」からのパートを丸々カットしてサビに強引に繋がれていますが、実際のオーディエンス音源を聴くと、このカットされた部分でチャーリーが完全にリズムをひっくり返ってしまっており、サビで何とか元に戻るというどたばたな演奏だったことが分かります。
では、本作の基となっているDVD『Four Flicks』の方はというと、ドラムのトラックのみリズムを若干ずらした編集をしており、まだ少しちぐはぐに感じはするものの、さほど違和感なく聞こえるようになっていることから『Live Licks』の方も何故同様の編集にしなかったのかという点が何とも疑問の残るところ。
DVD『Four Flicks』におけるバンドのミス修正はそれだけにとどまらず、"Tumbling Dice"ではミックが1小節早く歌い出してしまっており、実際の演奏ではミックに合わせてバックがAメロを短くして対応していましたが、DVDではミックのヴォーカルを1小節遅らせた上でバックの演奏も1小節増やすという、あたかもそのようなミスがなかったかのような絶妙な編集が施されています。
そしてアンコールの"Jumping Jack Flash"では。キースがイントロで不協和音を出してしまっていましたが、こちらもまだフレーズとしては怪しいものではあるものの、別のものに差し替えられています。 |
06:30, Tuesday, Feb 20, 2018 ¦ 固定リンク
『L'Olympia 1965』(Eternal Grooves) |
『L'Olympia 1965』(EGSH-0002) 1CD
Track 1-12
Apr.18 1965 L'Olympia,Paris,France
Track 13,14
Nov.15 1965 US TV 「Hullabaloo」
Track 15-17
Sep.2 1965 UK TV 「Ready Steady Go」
Mono Soundboard Recording
Quality:Excellent
1.Everybody Needs Somebody To Love/2.Around And Around/3.Off The Hook/4.Time Is On My Side/5.Carol/6.It's All Over Now/7.Little Red Rooster/8.Route 66/9.Everybody Needs Somebody To Love/10.The Last Time/11.I'm Alright/12.Crawdad/13.She Said Yeah/14.Get Off Of My Cloud/15.Oh Baby/16.That's How Strong My Love Is/17.Satisfaction
著作隣接権切れに伴い、ストーンズの初期音源が次々とハーフオフィシャルでリリースされてきていますが、本作はIMP系のEternal Groovesがリリースしたハーフオフィシャルタイトル。
本作がメインで収録しているのは1965年4月18日のパリ公演。
この公演はフランスのFM局Europe 1が収録し、「Musicorama」という番組にて全曲放送されましたが、ストーンズ初期のコンサートの全貌を捉えているというだけでも貴重な上に音質も良く、アンコールで演奏された"Crawdad"は未発表のカバー曲ということもあって、アナログLP時代から幾多ものブートがリリースされてきた定番音源。
この音源については、事典出版後にIMPがFrom Paris To Hamburg 1965』(IMP-N-051)というタイトルで、放送でもややシャープ気味だったピッチを正確にしてリリース。放送自体がそうだったからということもありますが、それまで正確なピッチのタイトルが無かった中、唯一正確に合わせてリリースしたことにより、この音源を収録したタイトルの決定版となりましたが、同系列の本作も同様に正確なピッチにてリリース。
またIMP盤のもう1つのポイントだったのが、"I'm Alright"からアンコールの"Crawdad"までの1分弱程度の歓声部分。事典で2つ挙げた代表盤の片方『A Rolling Stone Gathers No Moss』(VGP-101)では、タイムでいうと3分51秒あたりから3分55秒くらいまで歓声が重複していましたが、
IMP盤はもう片方の代表盤だったGoldplate『Olympia Live In The Sixties』(GP-1302CD1/2)同様に重複なしで収録されています。本作もこれらタイトル同様に歓声の重複は無し。
なお、IMP盤では独立した1つのトラックとして分けられていた"Little Red Rooster"を始める前のチャーリーによる曲紹介は、前曲"It's All Over Now"と同じトラックとしてまとめられています。
トラック13から17は、同じ1965年の音源からパリ公演で演奏されていない楽曲を収録。
トラック13と14は11月15日に放送されたアメリカはNBCのテレビ番組「フラバルー」から2曲。この時期の大半のテレビ出演同様、ストーンズの演奏はミックのヴォーカル以外、バッキングトラックを使ったものとなっています。
事典で採り上げたこの音源のベストは12CD+2DVDのボックス『Live In The Sixties』(WLR-2145)で、当時最後発だったこのタイトルが一番ヒスノイズも少なく、僅かながらではありますが芯のある音で聞くことができましたが、本作の方がより基テープのジェネレーションの若さを感じられるすっきりとした音で収録されています。
なお、WLR盤で聞くことが出来た"She Said Yeah"前のバンド紹介部分ですが、本作はカット。
トラック15から17の3曲はイギリスのテレビ番組 「レディ・ステディ・ゴー」65年9月2日放送分から。
この放送回については1989年から90年代にかけて、アメリカの有料チャンネルであるディズニーチャンネルにて再放送されましたが、この再放送の編集の際に、番組の権利を有するデイブ・クラーク・ファイブのデイブ・クラークが"Oh Baby"の冒頭30秒をカットしてしまったことによりオリジナルの放送より短くなってしまっています。
既発ブートの大半がこの再放送を基にしていたため"Oh Baby"が短いまま収録されていますが、本作も同様に再放送からの収録のため短いまま。事典でこの音源の代表盤として挙げた『ANIMAL DUDS』(DAC-064)に比べると、高域部にややチャリチャリとした圧縮音源特有のノイズが乗ってしまっているのがマイナスポイント。
なお、VGPの『Ready Steady Stones』(VGP-248)は、唯一当時の放送エアチェック音源を収録していますので、この65年9月2日放送回の"Oh Baby"は音質こそ90年代の再放送音源より落ちるものの、それよりも30秒ほど前の部分にあたるイントロ直後の歌い出しから聞くことが出来ます。
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12:37, Sunday, Feb 18, 2018 ¦ 固定リンク
『Brussels Affair』(Moonchild Records) |
『Brussels Affair』(Moonchild Records)
Oct.17 1973 Foret Nationale,Brussels,Belgium (1st & 2nd Show)
Stereo Soundboard Recordings
Quality:Excellent
(Disc-1) First Show
1.Intro/2.Brown Sugar(Remix)/3.Gimme Shelter/4.Happy/5.Tumbling Dice/6.Dancing With Mr.D/7.Angie/8.You Can't Always Get What You Want/9.Midnight Rambler/10.Honky Tonk Women/11.All Down The Line/12.Rip This Joint/13.Jumping Jack Flash/14.Street Fighting Man
(Disc-2) Second Show
1.Brown Sugar (※ 1st) /2.Gimme Shelter/3.Happy/4.Tumbling Dice/5.Star Star/6.Dancing With Mr.D/7.Doo Doo Doo Doo Doo/8.Angie/9.You Can't Always Get What You Want/10.Midnight Rambler (※ 1st)/11.Honky Tonk Women/12.All Down The Line/13.Rip This Joint/14.Jumping Jack Flash/15.Street Fighting Man (※ 1st)
定番の1973年欧州ツアー終盤の10月17日ブリュッセル公演サウンドボード音源集。
ディスク1は曲の並びからも分かるように、73年ツアーのラジオ放送音源がメインでブリュッセル公演だけを収録したVGP『The Lost Brussels』(VGP-088)のコピー。ただし本作は、VGP盤の最後に収録されていたオーディエンス音源の"Star Star"はカットしており、純粋にラジオ放送音源のみの収録としています。また冒頭のバンドコールを独立した1つのトラックとしているのに加え、音質もVGP盤より少し派手目な音造り。
冒頭の"Brown Sugar"は87年放送分のホーンがオンにミックスされたリミックス版。
このディスク1即ち『The Lost Brussels』から漏れたラジオ放送のブリュッセル公演音源は、70年代から放送されていたオリジナルミックスの"Brown Sugar"と88年の放送で登場した"Midnight Rambler"の短縮エディット&リミックス版。
なお、ラジオで放送されたのはいずれも1stショーで、2ndショーは放送されていません。
ディスク2は、オフィシャルブートレグ『The Brussels Affair』の配信音源をディスク化したもの。
本作を入手されるような方はオフィシャルCDを既に持っているでしょうから、このディスク2はちょっと微妙。
しいてあげれば、オフィシャルはディスク2枚に分かれているが本作は切れ目なく1枚通して聞けるということと、日本では日本限定として71年のマーキークラブとカップリングでリリースされていることからこの音源を入手しやすいですが、海外では高額限定ボックスでしかリリースされていないため、海外の方が需要が高いのかもしれません。このことは日本限定でリリースされた音源や日本限定でリリースされた映像作品から音声だけを抽出した音源を主として収録した海外製ボックス『Made In Japan』(RF-7316)に、この2枚組のブリュッセル音源を1枚に合わせて収録されていることからも推測されます。
さて、少しだけ中身に触れておくと、本作のクレジットではディスク2は全て2ndショーとなっていますが、"Brown Sugar""Midnight Rambler""Street Fighting Man"の3曲は1stショー
更にライブスタート前のバンドコールも1stショーから。ただしディスク1のラジオショー音源の方でのバンドコールにはピアノの音が被っていますがこちらは無し。ではこのラジオショー音源の方で被っているピアノの音はというと、実は"Brown Sugar"終了後のもので、このディスク2では"Brown Sugar"終了後に聴けるもの。そのピアノの音に続いてのミックのMCも1stショーから。
他には"Tumbling Dice""You Can't Always Get What You Want""Honky Tonk Women""All Down The Line"の4曲で、テイラーのギターの一部が1stショーのものに差し替えや移植されています。
なお、本作のジャケットは冒頭に載せてある通り2種ありますが、このジャケットはリバーシブルではなく、裏はそれぞれ別のデザインとなっています。
ミック&キースのジャケット裏面
キース単独ジャケット裏面
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11:27, Saturday, Feb 17, 2018 ¦ 固定リンク
『Forty Licks US/Canada Tour 2002 The Arena & Stadium Shows』(R205) |
『Forty Licks US/Canada Tour 2002 The Arena & Stadium Shows』(R205) 17CD
Oct.14 2002 Gund Arena,Cleaveland,OH,USA ※CD1&2
Oct.20 2002 Nationwide Arena,Columbus,OH,USA ※CD3&4
Oct.23 2002 American Airlines Arena,Miami,FL,USA ※CD5&6
Oct.26 2002 Turner Field,Atlanta,GA,USA ※CD7&8
Nov.9 2002 Pacific Bell Park,San Francisco,CA,USA ※CD9&10
Nov.12 2002 Arena,Oakland,CA,USA ※CD11&12
Nov.23 2002 SBC Center San Antonio,TX,USA,USA ※CD13&14
Nov.30 2002 MGM Grand Garden,Las Veags,NV,USA ※CD15&16
Various Location 2002 ※CD17
CD1,2,13,14
Stereo Audience Recording
Quality:Excellent
CD3,4,7-12 CD17 Track1,2,5,6,7
Stereo Audience Recording
Quality:Excellent-Very Good
CD5,6,15,16 CD17 Track3,4
Stereo Audience Recording
Quality:Very Good
CD17 Track8,9,10,13,14
Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent
CD17 Track11,12
Mono Soundboard Recording
Quality:Excellent
(CD 1)
1.Street Fighting Man/2.It's Only Rock'n Roll/3.If You Can't Rock Me/4.Don't Stop/5.Live With Me/6.Sweet Virginia/7.Loving Cup/8.All Down The Line/9.Rocks Off/10.Tumbling Dice/11.Band Introductions/12.Slipping Away/13.Before They Make Me Run/14.Start Me Up/15.I Can't Turn You Looose
(CD 2)
1.Honky Tonk Women/2.Can't You Hear Me Knocking/3.Satisfaction/4.Stray Cat Blues/5.Like A Rolling Stone/6.Brown Sugar/7.Midnight Rambler/8.Jumping Jack Flash
(CD 3)
1.Start Me Up/2.It's Only Rock'n Roll/3.If You Can't Rock Me/4.Don't Stop/5.Rocks Off/6.No Expectations/7.Stray Cat Blues/8.Street Fighting Man/9/Sympathy For The Devil/10.Tumbling Dice/11.Band Introductions/12.Slipping Away/13.Before They Make Me Run
(CD 4)
1.Love Train/2.You Got Me Rocking/3.Can't You Hear Me Knocking/4.Honky Tonk Women/5.Satisfaction/6.Mannish Boy/7.Like A Rolling Stone/8.Brown Sugar/9.Midnight Rambler/10.Jumping Jack Flash
(CD 5)
1.Street Fighting Man/2.It's Only Rock'n Roll/3.If You Can't Rock Me/4.Don't Stop/5.Monkey Man/6.That's How Strong My Love Is/7.Loving Cup/8.Rocks Off/9.Rip This Joint/10.Tumbling Dice/11.Band Introduction/12.The Worst/13.Before They Make Me Run
(CD 6)
1.Start Me Up/2.You Got Me Rocking/3.Can't You Hear Me Knocking/4.Honky Tonk Women/5.Satisfaction/6.When The Whip Comes Down/7.Like A Rolling Stone/8.Brown Sugar/9.Jumping Jack Flash
(CD 7)
1.Brown Sugar/2.It's Only Rock'n Roll/3.Start Me Up/4.Don't Stop/5.Tumbling Dice/6.Monkey Man/7.Angie/8.You Can't Always Get What You Want/9.Can't You Hear Me Knocking/10.I Can't Turn You Loose/11.Band Introductions/12.Slipping Away/13.Happy
(CD 8)
1.Sympathy For The Devil/2.When The Whip Comes Down/3.Little Red Rooster/4.You Got Me Rocking/5.Gimme Shelter/6.Honky Tonk Women/7.Street Fighting Man/8.Jumping Jack Flash/9.Midnight Rambler/10.Satisfaction
(CD 9)
1.Brown Sugar/2.Start Me Up/3.Tumbling Dice/4.Don't Stop/5.Rocks Off/6.Wild Horses/7.You Can't Always Get What You Want/8.Monkey Man/9.Midnight Rambler/10.Band Introduction/11.Slipping Away/12.Before They Make Me Run
(CD 10)
1.Sympathy For The Devil/2.It's Only Rock'n Roll/3.Let It Bleed/4.You Got Me Rocking/5.Gimme Shelter/6.Honky Tonk Women/7.Street Fighting Man/8.Jumping Jack Flash/9.Satisfaction
(CD 11)
1.Street Fighting Man/2.It's Only Rock'n Roll/3.If You Can't Rock Me/4.Don't Stop/5.Ain't Too Proud To Beg/6.Heart Of Stone/7.Sweet Virginia/8.Loving Cup/9.All Down The Line/10.Tumbling Dice/11.Band Introductions/12.Thru And Thru/13.You Don't Have To Mean It
(CD 12)
1.Start Me Up/2.You Got Me Rocking/3.Honky Tonk Women/4.Can't You Hear Me Knocking/5.Satisfaction/6.Mannish Boy/7.When The Whip Comes Down/8.Brown Sugar/9.Sympathy For The Devil/10.Jumping Jack Flash
(CD 13)
1.Street Fighting Man/2.It's Only Rock'n Roll/3.If You Can't Rock Me/4.Don't Stop/5.You Got Me Rocking/6.Wild Horses/7.Dead Flowers/8.Bitch/9.Can't You Hear Me Knocking/10.Tumbling Dice/11.Band Introductions/12.Slipping Away/13.Before They Make Me Run
(CD 14)
1.Midnight Rambler/2.Start Me Up/3.Gimme Shelter/4.Honky Tonk Women/5.Satisfaction/6.Walk(B-Stage)/7.Mannish Boy/8.Like A Rolling Stone/9.Brown Sugar/10.Jumping Jack Flash
(CD 15)
1.Street Fighting Man/2.Start Me Up/3.If You Can't Rock Me/4.Don't Stop/5.You Got Me Rocking/6.Wild Horses/7.Dead Flowers/8.Bitch/9.Neighbours/10.Tumbling Dice/11.Slipping Away/12.Happy
(CD 16)
1.Sympathy For The Devil/2.Rocks Off/3.Honky Tonk Women/4.Can't You Hear Me Knocking/5.Satisfaction/6.Mannish Boy/7.It's Only Rock'n Roll/8.Brown Sugar/9.Jumping Jack Flash
(CD 17)
-Bonus Tracks Do Not Include Tracks From The Theater Shows-
1.Love In Vain(Sep.20 Philaderphia)/2.Beast Of Burden(Sep.20 Philaderphia)/3.Undercover Of The Night(Sep.28 New York)/4.Rock And A Hard Place(Sep.5 Boston)/5.Far Away Eyes(Sep.10 Chicago)/6.Shattered(Sep.10 Chicago)/7.Miss You(Sep.10 Chicago)/
-A Small Soundboard Collection-
8.Jumping Jack Flash(Nov.4 Los Angels)/9.Dead Flowers(Nov.30 Las Vegas)/10.Street Fighting Man(Sep.3 Boston)/11.Don't Stop(Sep.3 Boston)/12.Angie(Oct.26 Atlanta)/13.Can't You Hear Me Knocking(Sep.30 New York)/14.Thru And Thru(Nov.12 Oakland)
2002年Licks USツアーからアリーナとスタジアム7公演を収録したボックス。
この手のボックスは既発コピーが主なものが多いのですが、本作は初のブート化となる音源が2つほどあります。
まずはこのボックスの目玉でCD13とCD14に収録されている11月23日のサン・アントニオ公演。この公演のプレスブート化は初。
会場となったSBCセンターはこの年の10月にオープンしたばかりの会場で、現在はAT&Tセンターという名称の屋内競技場。屋内会場ということから、全体的にエコーがかっており低域部の分離がやや悪かったりはしていますが、演奏自体はBステージ含めて大きく捉えられた好録音で、マイルドで聴き易い音に加え、"Midnight Rambler"の中間部で一か所だけ男性の話し声がオンに入ってくる以外では、メインステージ部で女性の叫び声が遠目から時折聞こえてくるものの気になるレベルではなく、その他耳障りな手拍子や歓声の類はほとんどないという高音質音源から作成されており、今までブート化されていなかったのが不思議といったレベルのもの。
この時代の録音なので曲中カットははありませんが、本編ラストの"Brown Sugar"が終わってからしばらくして歓声がフェードアウトになった後、アンコールの"Jumping Jack Flash"が始まる前の歓声がカットインで始まるというちょっと雑な編集があるので、ここはクロスフェード処理しておいてほしかったところ。
演奏の方はこれといったものはありませんが、2002年ツアー終盤のまとまった演奏を聴くことが出来ます。
なお、この日のアリーナ公演恒例のアルバム特集は『Sticky Fingers』。"Wild Horses"から"Can't You Hear Me Knocking"まで4曲続けて演奏されています。
もう一つの初ブート化音源は、CD5とCD6に収録されている10月23日マイアミ公演で、既発VGPの『Hot Licks』(VGP-326)とは異なる音源。
『Hot Licks』同様のエコーがかった音ですが、こちらの方は周りが賑やか。高域キツ目の音質で、メインステージ部分の定位は右寄り。チャプターが変わるたびに一瞬音が途切れるという編集ミスがあるのが残念。
なお、6曲目の"That's How Strong My Love Is"は2002年ツアーではたった3回しか演奏されておらず、
その内の2回はシアター公演でアリーナでの演奏はこの日のみというもの。
その他のディスクにも触れておくと、まずCD1とCD2に収録されているのは10月14日のクリーヴランド公演。
CD2が"Honky Tonk Women"から始まっていることとディスクのトータルタイムが同じなので、これは『More Hot Licks』(VGP-333)のコピー。エコーがかってはいるものの演奏を大きく捉えた好録音で、耳障りな歓声や手拍子はほとんど無いものの、定位右寄りになっていることが多いのがやや難点といった音源。
CD3とCD4は10月20日のコロンバス公演。
この日のアルバム特集は『Beggars Banquet』で、この年唯一の演奏となる"No Expectations"から"Sympathy For The Devil"までの4曲を披露。事典では"Sympathy For The Devil"を演奏していませんと誤記しましたが、ちゃんと演奏されています。こちらもVGP『More Hot Licks』(VGP-333)のコピー。
演奏を大きく捉えた好録音で、手拍子がたまにパラパラ入たりしますが気にならないレベル。Bステージはややエコーがかった輪郭ぼやけ気味の音になっているというもの。
CD7とCD8は10月26日アトランタ公演で、こちらはVGP『Hot Licks』(VGP-326)のコピー。
若干輪郭がぼやけ気味の音で、メインステージは耳障りな手拍子はさほど拾っていないものの、Bステージはやや周りが騒がしめで手拍子もそこそこ拾っていたりするというもの。高域を持ち上げた影響で、時折ヴォーカルやシンバルが耳につくところがあるのが玉にキズ。
CD9とCD10は、シェリル・クロウが"Wild Horses"で客演した11月9日サンフランシスコ公演。
こちらはVGP『Heart Of Stone』(VGP-332)のコピー。左チャンネルの抜けが若干悪かったりはするものの、落ち着いた音で演奏を大きく捉えた好録音。手拍子はパラパラと入る程度ですが、"Satisfaction"で顕著なように時折マイクに何かが触れている低音ノイズが入るのが気になるという音源。
CD11とCD12は、これもシアターで2回、そしてアリーナ公演ではこの日が唯一という"Heart Of Stone"を演奏した11月12日オークランド公演。
この公演では他にフランキー・ギャビンがフィドルで"Sweet Virginia"に、そしてシェリル・クロウが"Honky Tonk Women"にゲスト参加しています。この公演は2種の音源がブート化されていますが、本作はVGP『Heart Of Stone』(VGP-332)のコピー。エコーがかったやや距離を感じる音ではあるものの、周りが結構静かなので落ち着いて聴くことが出来るという音源。ただしBステージは若干音の輪郭がぼやけ気味なのと、"Heart Of Stone"の途中から定位が一旦左に寄った後、"All Down The Line"が始まる寸前から最後まで音が右に寄ったままになってしまっています。
CD15とCD16は、2002年の最終公演となった11月30日ラスヴェガス公演で、『Viva Las Vegas Vol.3』(VGP-327)のコピー。
エコーがかった遠目の音で手拍子を結構拾っており、Bステージになると更に演奏がぼやけ気味になるといった音源。この日の"Honky Tonk Women"はこの年の最終公演ということで気が抜けたのか、イントロで演奏が止まりそうになるという凡ミスが耳を惹くところ。
ボーナスディスク扱いのCD17の前半7トラックは、このボックスに収録されている8公演の選曲から漏れた楽曲をシアター公演から収録したもの。シアター公演で演奏されたレア曲ではなく、他のアリーナやスタジアム公演で演奏されている曲を選んでいるのがポイントなんでしょうけど、まあ無くてもいいかなといった感じのオマケトラック。
9月5日ボストンの"Rock And A Hard Place"は『65 Licks』(VGP-320)から。
9月10日シカゴでの"Far Away Eyes""Shattered"Miss You"の3曲は『Going To Chicago』(VGP-321)からのようですが、イントロがフェードインだったり、"Shattered"のイントロが重複していたりとなんとも雑な編集。
9月20日フィラデルフィアからの2曲"Love In Vain"と"Beast Of Burden"は『Sweet Home Philaderphia』(VGP-322)のコピーですが、"Beast Of Burden"がフェードイン収録というこれまた雑な編集。
9月28日ジャイアンツスタジアムの"Undercover Of The Night"は『So Glad To Be New York City』(VGP-323)からのコピー。
ディスク17後半の7トラックは、このツアーのサウンドボード音源集で、"Dead Flowers"から"Thru And Thru"までの6曲は「rollingstones.com」で公開されていた音源。
トラック8の11月4日ロサンゼルス公演の"Jumping Jack Flash"はFox TVの「America's Party」という番組放送されたもの。こちらは『Get Licked Around The World 2002/3』(EXCD-039A/B)からのコピーで、
曲が終わりきらないうちにフェードアウトしてしまています。
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00:30, Tuesday, Feb 13, 2018 ¦ 固定リンク
『Live In Holland』(DAC-186) 2CD
May.18 1990 Feyenoord Stadion,Rotterdam,Holland
Stereo Audience Recording
Quality:Very Good
(Disc-1)
1.Continental Drift/2.Start Me Up/3.Bitch/4.Sad Sad Sad/5.Harlem Shuffle/6.Tumbling Dice/7.Miss You/8.Almost Hear You Sigh/9.Ruby Tuesday/10.Angie/11.Rock And A Hard Place/12.Terrifying/13.Mixed Emotions/14.Honky Tonk Women/15.Midnight Rambler
(Disc-2)
1.You Can't Always Get What You Want/2.Can't Be Seen/3.Happy/4.Paint It Black/2.2000 Light Years From Home/6.Sympathy For The Devil/7.Street Fighting Man/8.Gimme Shelter/9.Band Introductions/10.It's Only Rock'n'Roll/11.Brown Sugar/12.Satisfaction/
13.Jumping Jack Flash/14.Carmen
1990年アーバン・ジャングル欧州ツアー初日、5月18日のロッテルダム公演を収録していた2枚組LP
『Live In Holland』(E102621/2)の拡大復刻タイトル。
アナログ盤『Live In Holland』の方は2枚組LPという収録時間の制約もあって、"Miss You""Almost Hear You Sigh""Ruby Tuesday""You Can't Always Get What You Want""Can't Be Seen""Happy"の6曲とメンバー紹介が未収録の全20曲収録。
コンサートの流れ自体はしっかりと押さえてはいるものの、キースのヴォーカル曲が2曲ともカットされているといった点で若干バランスに欠ける選曲なことに加えて、"Tumbling Dice"と"Terryfying"それぞれに各1箇所ずつ音切れあったりするので、それならキースのどちらかと他のきちんと録れている曲を入れればいいのにといった感も。
音の方はというと、フィールドの人波の中での録音だったようで、マイクの前に人の壁があるような感じのややクリアーさに欠ける音質となっているところがあったり、不快に感じるほどではないものの曲によって歓声や手拍子・歌声が大きく入っていたりもしますが、演奏を大きく捉えた聴き易い良好音源から作成されています。
この公演の既発CDとしてはこのアナログから起こされた『Live In Holland』(PKO CD 93071/2)がありますが、何故かLPには入っていた"Continental Drift"がカットされていたり、終演後に打ち上げられる花火のBGM"Carmen"が終わった後もLPより短くなってしまっているという残念なタイトル。
※このCDはジャケが2種類あり、1つはLPと同じで、こちらは独自デザインのもの。
さて本作、基となった音源はLPと同じですが、高域を耳につかない程度に若干クリアーにしつつ低域に厚みを持たせたことにより聴き易さが更に向上。
本作は、LPでカットされていた6曲とメンバー紹介を基本的には同音源より収録してコンサートの全貌を網羅したものとなっていますが、"Can't Be Seen"の頭から歌い出し寸前までは別のオーディエンス音源を補填。
こちらの別音源は、やや中域が張り出し気味で低域の厚みが若干メインの音源より欠けるといったものではあるものの、こちらもまた演奏を大きく捉えた録音のため、音源の切り替わりでもほとんど違和感のないものとなっています。
LPやPKO盤CDにあった"Tumbling Dice"と"Terryfying"の音切れも本作は無し。
ちなみにコンサート終了後の"Carmen"の後については、アナウンスの後にBGMとして"The Ride of the Valkyries(ワルキューレの騎行)"が場内に流れますが、PKO盤は先に触れたように流れる前でフェードアウトなので聞くことが出来ず、本作は収録してはいるもののLPの方がより長く収録されていたりしますが、ここはストーンズの演奏とは全く関係のない部分につき、どうでもよいと言えばどうでもよいところかと。
そんな本作の聞きどころというと、スティールホイールズ/アーバンジャングルツアー初演となる"Street Fighting Man"はもちろんのこと、"Honky Tonk Women"では歌詞がおかしかったり、"Midnight Rambler"はドラムが入った後のハープの入り忘れ、そして"Paint It Black"の歌い出しでは音を外す等、ミックが凡ミスを連発しているといったあたりかと。
なお、『1990 Nervours Breakdown』(King Snake Records)にも、この公演から"Bitch""Angie""Terrifying"の3曲が収録されていますが、使われているのは本作と同じ音源です。
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10:53, Sunday, Feb 11, 2018 ¦ 固定リンク
『Hyde Park July 1969』(DAC) |
『Hyde Park July 1969』(DAC-183) 2CD
July.5 1969 Hyde Park,London,UK
Disc-1
Mono Audiennce Recording
Quality:Excellent
Disc-2
Mono Soundboard Recording
Quality:Excellent
(Disc-1)
1.Adonais/2.I'm Yours And She's Mine/3.Jumping Jack Flash/4.Mercy Mercy/5.Stray Cat Blues/6.No Expectations/7.I'm Free/8.Down Home Girl/9.Love In Vain/10.Loving Cup/11.Honky Tonk Women/12.Midnight Rambler/13.Adonais/14.Midnight Rambler/15.Love In Vain
(Disc-2)
1.Mercy Mercy/2.Radio Comment/3.Love In Vain/4.Radio Comment/5.Adonais/6.Jumping Jack Flash/7.Stray Cat Blues/8.No Expectations/9.Radio Comment/10.I'm Free/11.Loving Cup/12.Honky Tonk Women/13.Radio Comment/14.Street Fighting Man/15.Midnight Rambler/
16.Sympathy For The Devil/17.Radio Comment
1969年ハイドパーク公演をオーディエンス音源にて収録していたLP『Hyde Park 1969 July』(Contra Band)の拡大復刻タイトル。
このLPに収録されていた音源は、アナログLP時代にブート化されていた唯一のオーディエンス録音で、ミックのヴォーカルやギターが前面でドラムはかなり小さめ、そしてベースがやや歪み気味といったバランスではあるものの演奏自体は大きく捉えており、また耳障りな歓声や手拍子もほとんど無いという良好なもの。
この日演奏された曲の中で唯一テレビやラジオで放送されなかった"Down Home Girl"と、幾つかのタイトルで"Mercy Mercy"の補填として使われたイントロ部分以外はこれまでプレスCD化されてきませんでしたが、本作は初登場となるこの音源の"Midnight Rambler"を含めた形でCD化。
これまでLPや既発CDで聞けたこの音源は、音が中域に集まり気味な典型的な当時のカセット録音といったレンジの狭い音質でしたが、本作はジェネレーションの若いテープから作成したようで、高域部がすっきりと伸びたクリアーな音質に加えて、ヒスノイズもこれまでより少なくなっています。
インフォメーションによると、オランダの海賊放送局ラジオ・ベロニカがライブから10日後の7月15日に特番としてこの音源を放送したようで、本作はそのラジオ・ベロニカに残されていたテープからCD化したとのことなので、ここまでの音質の向上となった模様。
音質以外での本作のトピックとしては、初登場となるこの音源の"Midnight Rambler"。
中間のスローブルースパートが始まる前までという長さなものの、これまでブート化されてこなかった新たな部分が出てきたということがポイントかと。
この続き、本作のタイムでいうと4分2秒からはトラック13に収録されているオーディエンス音源が補填されており、補填音源の方は全体的に演奏がやや奥に引っ込んではいますが、切り替わり部分がスローパートという比較的静かな箇所だったこともあり、ほとんど違和感はありません。
なお、"Loving Cup"のイントロ欠落、そして事典で触れそこなっていましたが、"I'm Free"に大幅な欠落があって曲自体がかなり短く編集されているのは本作も既発同様。
トラック12から14は、こちらも初登場となるオーディエンス音源で、インフォによるとラジオ放送されたものとのことですがラジオ局や番組名等は不明。この音源の登場によりハイドパークのオーディエンス音源は、このディスクの前半部に収録されたLP時代からの音源、そして『In The Park』(SCRO 001)収録の音源に続いて3つ目となります。
従来の両音源に比べて、この音源は全体的にやや音が奥に引っ込んでしまってはいるものの、遠いというほどのレベルではありません。また音質は前述の補填で違和感がないことからもわかるように、こちらもクリアーなものとなっています。
この音源も"Love In Vain"は途中までで、3分39秒からはこのディスク前半の音源、即ちLP時代からの音源を逆に補填していますが、ミックのヴォーカルが前に浮き出たかなと感じる程度のこちらも違和感のない繋ぎとなっています。
ディスク2に収録されているのは、ハイドパークのラジオ放送音源を収録。
これはニューヨークの地方FM局WLIRが、ハイドパーク10周年記念ということで放送した番組で、この音源についてはDAC自体が『Brian,Come Back You Bastard!』(DAC-164)にて一度ブート化していますが、前回が実際のライブの曲順に並び替えての収録だったのに対し、今回は"Mercy Mercy"から始まる放送曲順での収録。
今回はただ単に曲順を並び替えただけでなく、全体的な音質では『Brian,Come Back You Bastard!』がやや中域が張り出した音だったのに対し、本作は中域を抑えてやや高域を伸ばした音造りとしたことにより音の上下のレンジが広がって聞こえるようになっています。
またトラック4の"Radio Comment"後半部、おそらくバックステージでのテイラーと思しきギターをバックにしたミックのインタビュー、そしてミックがステージに上がる前のバンドコールがきちんと繋がった形となっている部分が『Brian,Come Back You Bastard!』には収録されていなかったので、これがディスク2のポイントかと。
このミックのインタビューについては、同じくこのWLIRの番組のインタビュー・コメント部分をまとめて収録していたGoldplateの『Hyde Park Legend 1969 Complete Edition』(GP-1303CD1/2)にも収録されていなかったので、この部分は初登場。
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06:31, Friday, Feb 09, 2018 ¦ 固定リンク
『Mad Shadows』(DAC-180) 2CD
Nov.20-21 1963 Regent Sound Studios,London,England (Disc-2 Track4,7,8)
June.10 1964 Chess Stuioss,Chicago,IL,USA (Disc-1 Track2,5)
June.11 1964 Chess Stuioss,Chicago,IL,USA (Disc-1 Track1,3,4)
Feb.4 1964 Regent Sound Studios,London,England (Disc-1 Track6)
July21-23 1964 Regent Sound Studios,London,England (Disc-1 Track7)
Sep.28 1964 Regent Sound Studios,London,England (Disc-2 Track5)
Nov.2 1964 RCA Studios,Los Angels,CA,USA (Disc-2 Track18)
Nov.8 1964 Chess Stuioss,Chicago,IL,USA (Disc-2 Track2,3,6)
Nov.14 1964 De Lane Studios,London,England (Disc-2 Track1)
Jan.17-18 & Feb17 RCA Studios,Los Angels,CA,USA (Disc-2 Track17)
Sep.6 1965 RCA Studios,Los Angels,CA,USA (Disc-1 Track8)
Dec.3-10 1965 RCA Studios,Los Angels,CA,USA (Disc-2 Track15,16,19,20,21)
Mar.1 1966 IBC Studios,London,England (Disc-2 Track9)
Mar.6-9 1966 RCA Studios,Los Angels,CA,USA (Disc-2 Track10,11,14)
Aug.3-11 1966 RCA Studios,Los Angels,CA,USA (Disc-1 Track9)
Aug.31-Sep.2 1966 IBC Studios,London,England (Disc-2 Track12,13)
Nov.8-26 1966 Olympic Sound Studios,London England (Disc-1 Track10)
Mar.17-Apr.3 1968 Olympic Sound Studios,London England (Disc-1 Track11)
Apr.27-28 1968 Olympic Sound Studios,London England (Disc-1 Track12)
Feb.9-Mar31 1969 Olympic Sound Studios,London England (Disc-1 Track13)
March-May 1970 Olympic Sound Studios,London England (Disc-1 Track14)
Oct.17-26 Sunset Sound Studios & Oct.28-Nov.2 Elektra Studios,Los AngelsCA,USA (Disc-1 Track15,16)
June.23 1972 Sumet-Burnet Recording Studio,Dallas,TX,USA (Disc1 Track17)
May 1973 Island Recording Studios,London,England (Disc-1 Track18,19,20)
Disc-1 Track1-5,7,8,11,13-20 Disc-2 Track13-18
Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent
Disc-1 Track6,9,10,12 Disc-2 Track1-12,19-21
Mono Soundboard Recording
Quality:Excellent
(Disc-1)
1.Hi-Heel Sneakers/2.Stweed And Keeded/3.Tell Me Baby/4.Down In The Bottom/5.Don't Lie to Me(II)/6.Spector And Pitney Came Too/7.Heart Of Stone(II)/8.Looking Tired/9.Have You Seen Your Mother,Baby,Standing In The Shadow?(I)/10.Get Yourself Together(III)/11.Pay Your Dues/12.Jumping Jack Flash(VI) (PROMO FILM, LONDON, APRIL 28, 1968)/13.Honky Tonk Women(I)/14.Good Time Women/15.All Down The Line(I)/16.Hillside Blues/17.32-20 Blues/18.Dancing With Mr.D(III)/19.Criss Cross(III)/20.Silver Train(II)
(Disc-2)
1.Go Home Girl/2.Mercy Mercy(I)/3.Key To The Highway/4.Leave Me Alone/5.Susie Q(I)(w/countdown)/6.Good Bye Girl/7.It Should Be You/8.That Girl Belongs To Yesterday/9.Con Le Mie Lacrime(I)/10.Paint It Black(I)(Prepared Backing Track For The Ed Sullivan Show)/11.Lady Jane(I)(Prepared Backing Track For The Ed Sullivan Show)/
12.Have You Seen Your Mother,Baby,Standing In The Shadow?(II)(Prepared Backing Track For The Ed Sullivan Show)/13.Have You Seen Your Mother,Baby,Standing In The Shadow?(IV)/14.Paint It Black(III)/15.19th Nervous Breakdown(II)/16.19th Nervous Breakdown(III)/17.The Last Time(III)/18.Heart Of Stone(III)/19.Goin'Home(I/II)/20.Mother's Little Helper(II)/21.19th Nervous Breakdown(I)
DACによる他レーベル復刻シリーズ(?)、今回はCD黎明期の名タイトルの一つだったスコルピオのスタジオアウトテイク集『Mad Shadows』(SC-91022)を復刻。
こちらはスコルピオ盤のセカンドエディションならびにSRSによる丸コピー盤のジャケット。
ディスク1は、そのスコルピオ『Mad Shadows』のアップグレード版となっており、収録曲とテイクは全て同じ。
スコルピオ盤での裏ジャケットでは全19曲となっており、本作7曲目に収録されている"Heart Of Stone"がクレジットされていませんが、これはクレジットミスで実際にはスコルピオ盤にも同位置に収録されています(コピー盤のSRS盤も同様)。ちなみにスコルピオ盤の方は裏ジャケと異なり、ディスクのレーベル面にはきちんと"Heart Of Stone"がクレジットされているため、ディスクをみれば収録されているのが分かりますが、SRS盤の方はレーベル面まではコピーしておらず、曲目クレジットの無い独自デザインとしていることから、外見ではこの曲が収録されているか分からないこととなってしまっています。
本作については既に詳細なインフォメーションが出ているので、それで充分な気もしますが、一応曲ごとに触れておくと・・・。
ディスク1の冒頭の"Hi-Heel Sneakers"から"Don't Lie to Me(II)"までの5曲は、64年チェススタジオ録音のアウトテイク。
スコルピオ盤は"Hi-Heel Sneakers"から"Down In The Bottom"までの4曲をモノラルで収録していたのに対し、本作はいずれもステレオで収録。スコルピオ盤はピッチが高めでしたが、本作は正確なピッチとなっています。
"Don't Lie to Me(II)"は、スコルピオ盤と本作どちらもステレオでの収録で、スコルピオ盤のピッチが低めだったのに対し本作は正確。また、スコルピオ盤は1番のサビのおしりから2番途中まで音飛びしてしまっていますが、本作にはそのような欠落は無し。
これら冒頭5曲の64年チェススタジオのアウトテイクの中で、スコルピオ盤はこの曲のみ音質がコモった感じで若干落ちますが、本作は5曲全て音質差なく高音質で聴くことが出来ます。
ちなみにこの"Don't Lie to Me(II)"、オフィシャル『Metamorphosis』でも聴くことが出来ますが、『Metamorphosis』の方は左チャンネルが中央寄りにミックスされているため、本作収録のステレオ音源と比べると左右の拡がりがやや狭め。また曲が終わった後、数秒ほど本作収録のステレオ音源の方が長いため、ピアノやドラムのチェック弾き(叩き)を聞くことが出来るという違いがあります。
続く"Spector And Pitney Came Too"は、スコルピオ盤では"1964 Blues Jam"という曲名でクレジットされていたインスト曲。
スコルピオ盤の方はピッチ低めでしたが本作は正確。スコルピオ盤はノイズ除去処理の弊害と思しきスクラッチノイズとは異なるプチノイズが静音部を中心に発生していましたが、本作はそのようなノイズは無し。また本作の方がスコルピオ盤よりも曲前の部分を長く収録しているため、曲前のやり取りを更に多く聞くことが可能。
"Heart Of Stone(II)"は、最初に触れたようにスコルピオ盤ではクレジット漏れしていたものの実際は同位置に収録されていた楽曲。
スコルピオ盤はピッチが低いことに加えてモノラルだったのに対し、本作は正確なピッチのステレオ収録。また、スコルピオ盤はイントロが若干フェードイン気味に入ってきますが、本作は頭からしっかりと収録されています。加えてスクラッチノイズもスコルピオ盤にはありますが、本作はテープから起こされているようでそのようなノイズは無し。このテイクもオフィシャル『Metamorphosis』に収録されていますが、音質が微妙に異なるだけでミックスや長さの差異は無し。
"Looking Tired"もスコルピオ盤がモノラルなのに加えてピッチが高かったのに対し、本作はステレオでピッチ正確。
"Have You Seen Your Mother,Baby,Standing In The Shadow?(I)"は両盤ともにモノラルですが、スコルピオ盤が厚みのある音だった音に対し、本作の方はすっきりとした音造りで好みの分かれるところ。ただ、スコルピオ盤はノイズ除去処理の影響でやや余韻が不自然になってしまっているというマイナスポイントがありますが、本作はヒスノイズが少ないことに加えて余韻も自然な状態で収録されています。この曲もスコルピオ盤はピッチが低めでしたが本作は正確。
"Get Yourself Together(III)"も両盤ともにモノラル。
こちらもスコルピオ盤が厚みのある音だった音に対し、本作の方はすっきりとした音造りで好みの分かれるところですが、正確なピッチの本作に対してスコルピオ盤はピッチが低いというマイナスポイントあり。
"Street Fighting Man"のアーリーテイクである"Pay Your Dues"。
スコルピオ盤含め既発タイトルの大半が若干音の輪郭がぼやけた状態で収録されていましたが、本作はExtract Factryの『Unsurpassed Masters Remastered Edition』(EXT 007)のものと同様の、左右の分離の良い鮮明な音源を収録。この曲もまたスコルピオ盤はピッチが低めでしたが本作は正確。
"Jumping Jack Flash(VI)"はプロモフィルムから。
スコルピオ盤はヒスノイズが多くピッチも低い上、イントロがフェードイン、加えて間奏前で音飛びしてしまっているという散々な状態で収録されていますが、本作はそのようなことのない最良の状態で収録されています。
"Honky Tonk Women(I)"は、リードギターがオーバーダブされる前のバッキングトラックに、ミックのヴォーカルは2番がパリの歌詞というアウトテイク。
スコルピオ盤がモノラルでスクラッチノイズも多いという収録状態だったのに対し、本作はステレオに加えてテープ起こしのようでスクラッチノイズは無し。ただややイントロのカウベルが耳についたりするので、少し高域を控えめにしても良かったかも。ピッチはスコルピオ盤が気持ち高めですが大差なく、どちらもほぼ正確。
"Good Time Women"は両盤ステレオ収録。
スコルピオ盤はピッチ高めでしたが本作は正確。スクラッチノイズが時折聞こえるスコルピオ盤に対し、本作はテープ起こしのようでスクラッチノイズは無し。またスコルピオ盤はモコっとした不鮮明な音でしたが、本作は若干ヒスノイズはあるものの、すっきりとした音で収録されています。
"All Down The Line(I)"も両盤ステレオですが、スコルピオ盤がフェードインなのに対し、本作は頭からきちんと収録。
スコルピオ盤はピッチ低めでしたが本作は正確。歌い出しで音が飛ぶのは両盤共通ですが、この箇所で音飛びしないというものは現時点でブート化されていません。
スコルピオ盤では"I Don't Know The Reason Why"と誤クレジットされていた"Hillside Blues"は、両盤とも曲途中からなのは同じですが、本作の方がスコルピオ盤より前からの収録。
スコルピオ盤はピッチ高めでしたが本作は正確。またスコルピオ盤はキーンという高域ノイズが全編に漂っていたり、おそらく基にしたテープのダビング時のトラブルと思しき曲中での、接触不良による右チャンネルの音の欠落が生じていたりますが、本作にはそのような欠落は無し。
"32-20 Blues"は唯一アウトテイクではなく、1972年ツアー中に行われたリハーサルから。
ピッチはスコルピオ盤が気持ち高めですが大差なく、どちらもほぼ正確。復刻という形故に本作も収録したのでしょうけど、アウトテイクではないので収録しなかった方が統一感があって良かったのではという気も。
"Dancing With Mr.D(III)"。
スコルピオ盤はイントロ途中からのフェードイン収録でしたが、本作はきちんと頭から収録。またスコルピオ盤はピッチが高い上、1番のサビが終わったところで音飛びしているという難点がありましたが、本作はそのようなことは無し。間奏途中から曲の最後まで左チャンネルがレベルダウンを起こしているのは同様ですが、スコルピオ盤が演奏音量が小さいままでヒスノイズだけ大きいのに対し、本作はヒスノイズは増加しているものの演奏音量をきちんと右チャンネルと同レベルとしています。
"Criss Cross(III)"は、スコルピオ盤がピッチが高いことに加えて1分半ほどの収録だったのに対し、本作は正確なピッチに加えて4分半強の収録。
Silver Train(II)も、スコルピオ盤がピッチがかなり高いことに加えてイントロ途中からの収録だったのに対し、本作はピッチが正確なのはもちろんのこと、イントロ前のピアノ指慣らしまで収録。
ディスク2もまたスコルピオ系の復刻であり、こちらもスコルピオがBad Wizardレーベルにてリリースした『Time Trip Vol.5』(SCORPIO TT5)に収録されていた1963年から1966年までのアウトテイク音源のアップグレード版。
DACはスコルピオのTime Tripシリーズを、4枚組の『Time Trip』(DAC-063)としてVol.1からVol.4までまとめてアップグレード復刻していたことから、この『Time Trip Vol.5』もそう遠くないうちに同様のリリースをすると推測していましたが、何とそれから10年経った本作でようやくこの音源をリリース。
この音源については、本作のインフォメーションにもあった通り、後発のRattle Snakeが「the master tape version」と銘打って『Time Trip Vol.5』よりも状態の良いテープから作成した『Key To The Highway』(RS 220)をリリース。
この『Key To The Highway』、全体的にピッチが高かった『Time Trip Vol.5』に比べるとピッチが低めにはなっているものの、正確に調整された本作と比べるとまだ高く、逆に"Heart Of Stone(III)"と""Goin'Home(I/II)"は本作と比べるとピッチが低くなってしまっていることに加えて、ほとんど気にならないレベルではありますが、時折プチっという微かなレベルでのデジノイズが入るという難点あり。
本作はピッチが正確に調整されているのはもちろんのこと、『Key To The Highway』にあった微かなデジノイズも無い最良の状態で、この音源を収録しています。
こちらも各曲について触れておきますと・・・。
"Go Home,Girl"は、アーサー・アレキサンダーのカバーで63年11月14日レコーディング。
この日はオフィシャルリリースされた"Money""Poison Ivy"を加えた計4曲をレコーディングしたようですが、
残る"Talkin'Bout You"は未だブート化すらされていません。
続く"Mercy Mercy(I)"。
オフィシャルリリースされたテイクは65年5月10日の同じくチェススタジオ・レコーディングでしたが、本作に収録されているのは前年の64年11月8日チェススタジオでのレコーディング。重厚さを感じさせるオフィシャルテイクに比べると、こちらのテイクはギターがペラペラの逆に軽快さを感じさせる演奏。『Key To The Highway』ではイントロの1音目と展開部のヴォーカルがファルセットに変わるところで、大きめのデジノイズが入っていましたが、本作には無し。
"Key To The Highway"は前曲同様、64年11月8日チェススタジオでのレコーディング。
ハウリン・ウルフが参加したとの説もありますが、この音を聴く限りでは確認出来ず。『Key To The Highway』ではこの曲ものかどうか不明ですが、イントロ冒頭にギターが1音欠けた状態で入っていますが、本作はその直後からの収録となっています。
"Leave Me Alone""It Should Be You""This Girl Belongs To Yesterday"の3曲は、63年11月20日と21日の2日間行われたロンドン・リージェントスタジオでのレコーディングのアウトテイクでいずれもオリジナル。
"Good Bye Girl"も64年11月8日チェススタジオでのアウトテイクで、ビル・ワイマン作のオリジナル。
"Suzie Q"(I)は『Time Trip Vol.5』では64年2月5日、『Key To The Highway』では64年2月25日のリージェントスタジオとクレジットされていますが、本作にクレジットされている64年9月28日のリージェントスタジオでのレコーディングというのが正解。
オフィシャルとテイクは同じですが、オフィシャルには無い曲前の会話とカウントを収録しているのがポイント。
"Con Le Mie Lacrime(I)"はオフィシャル同様にモノラルミックスですが、ハープシコードがオーバーダヴされる前のテイクで、曲前の会話もオフィシャル未収録。
"Have You Seen Your Mother,Baby,Standing In The Shadow(II)"と"Paint It,Black(I)"、そして"Lady Jane(I)"の3曲はヴォーカルトラックをオフにしたモノラルミックスで、エドサリバンショー(66年9月11日放送)のために準備されたものと本作ではクレジットされていますが、"Lady Jane(I)"のイントロではカットされていて然るべき鉄琴の音が1音聞こえており、エドサリバンショーではこれが確認出来なかったりするので、
本作に収録されているのはそのミックス作業過程のものかと。またこの"Lady Jane(I)"、こちらは完全なるインスト状態ではなく、かすかな音量ながらヴォーカルを聴くことが出来ますが、この頃のレコードディングはヴォーカル後録りのため、他のトラックに転写してしまっているとは考え難いことからも、やはりエドサリバンショーで使うための編集作業中のガイド的なものとして完全にフェーダーをゼロとしていないのかと推測されます。
トラック13の"Have You Seen Your Mother,Baby,Standing In The Shadow(IV)"からトラック18の"Heart Of Stone(III)"までの6曲は、スコルピオのOld Mastersシリーズ第一弾『Dartford Renegades』(OM 90-64-18)にて初登場のステレオミックス及びアウトテイク。
DACもこのスコルピオ盤を復刻した『Dartford Renegades』(OM 90-64-18)でこれら6曲をチャンネルとピッチを正確に合わせてリリースしていましたが、本作の方がよりマスターに近い音源を使用している分、ヒスノイズが少ない状態で収録されていて聴き易さが向上しています。
トラック13の"Have You Seen Your Mother,Baby,Standing In The Shadow(IV)"は、未だオフィシャルでリリースされていないステレオミックス。
『Key To The Highway』では最後のヴァースで気にならない程度の僅かな音ブレがありましたが、本作には無し。
"Paint It,Black(III)"は基本的に現行オフィシャルと定位は同じものの、単音イントロ後のシタールによる最初のストロークがオフになっているという、フェーダー操作ミスと思しきミックス。
トラック15の"19th Nervous Breakdown(II)"は、ヴォーカルが異なるアウトテイクでステレオミックス。
続くトラック16の"19th Nervous Breakdown(III)"の方は、未だオフィシャルでリリースされていないステレオミックス。
"The Last Time(III)"も未だオフィシャルでリリースされていないステレオミックス
"Heart Of Stone(III)"はオフィシャルと同じステレオミックスですが、フェードアウトがオフィシャルより若干長い為、ミックのアドリブ・ヴォーカルを余分に聴くことが出来るというもの。
"Going Home(I/II)"は、『Time Trip Vol.5』では曲前の会話やポロっと弾いただけのギターフレーズを細かくトラック分けしてあったりしましたが、『Key To The Highway』と本作はきちんと1トラックとしています。その曲前部分だけがオフィシャルでは聞くことが出来なかった部分で、曲自体はオフィシャルと同じモノラルミックス。
次の既発未収録2曲が、本作の超目玉で初のブート化となる音源。
トラック20の"Mother's Little Helper(II)"はバッキングトラックは同じなものの、イントロ部分のヴォーカルをキースがとり、それ以降のミックのヴォーカルもオフィシャルとは異なるテイク。これまでオフィシャルテイクが(II)とされていましたが、このテイクの登場によりオフィシャルは(III)となります。
続く"19th Nervous Breakdown(I)"
ヴォーカルが異なっていることに加え、キースがAメロでは歌メロのガイドのようなフレーズを、そしてサビではヴォーカルの合いの手のようなギターフレーズを加えているテイク。
といった具合で、本作は驚きの初登場2曲が収録されているのはもちろんのこと、全曲丁寧にピッチを合わせているだけでなく、この手のものにありがちな音質差もほとんどなく全曲高音質で聞き通すことが出来るという、丁寧な造りの優良タイトルなのかなと。 |
06:15, Thursday, Feb 08, 2018 ¦ 固定リンク
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