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2018年 3月
『Chicago 2006 2nd Night』(-) |
『Chicago 2006 2nd Night』(-) 2CD
Jan.25 2006 United Center,Chicago,IL
Mono Audience Recording
Quality:Excellent
(Disc-1)
1.Introduction/2.Jumping Jack Flash/3.It's Only Rock'n Roll/4.Rough Justice/5.Love Is Strong/6.Memory Motel/7.Rain Fall Down/8.Ain't Too Proud To Beg/9.Midnight Rambler/10.Tumbling Dice/11.Band Introduction/12.This Place Is Empty/13.Happy
(Disc-2)
1.Miss You/2.Respectable/3.Get Off Of My Clud/4.Honky Tonk Women/5.Sympathy For The Devil/6.Start Me Up/7.Brown Sugar/8.You Can't Always Get What You Want/9.Satisfaction
約1か月のインターバルを置いて1月10日より再開したA Bigger Bang アメリカツアーの7公演目にあたる、1月25日シカゴ公演全曲収録盤。
この日は、3年に及んだABBツアーでは結局その10日前の1月15日ボストン公演とこの公演の2回のみだった"Memory Motel"や前週18日のMSG公演で8年ぶりの披露となり結局このアメリカツアーでは3回しか演奏しなかった"Love Is Strong"(翌年の欧州では5回)、こちらもアメリカツアーでは3回のみの演奏となった"Respectable"(翌年の欧州では4回)と比較的レアな曲が揃ったセットリストとなっています。
そんなセットリストに注目しがちなこの公演ですが、演奏の方でも聴きどころ満載。
まずは"Rough Justice"、イントロではキースが何を勘違いしたのか、今演奏をし終えたばかりの"It's Only Rock'n Roll"をまた弾き始めそうになり、慌てて気づいて帳尻を合わせようとして変なフレーズになってしまっているのをはじめ、レア曲2曲を挟んで演奏された"Rain Fall Down"は、リフのアタック部分を補完しているチャックのキーボードがオフになっていたのか、はたまた音色の切り替え忘れだったのかフェードイン気味に入ってきたため、何とも締りのないイントロでの曲スタート。
"Tumbling Dice"ソロ後の3コーラス目のサビでは、チャーリーがアクセントを一発いれるだけのところから突如リズムを刻み始め、"Midnight Rambler"イントロ前のフリー演奏部分では、ギターが全然入って来ないことからチャーリーだけがドカドカ叩いているだけの状態となってしまったことから、やむなくミックが「ドラムソロ」とコメントを挟んで場を取り繕っていたり、キースの"Happy"では間奏のソロでロニーが入り損ねたことから、挽回とばかりにロニーが後半部に色々弾いてはいるものの、中途半端にソロフレーズが完結しないまま曲が終了。
Bステージでの"Respectable"ではキースが迷子になってしまったことから、バックのコード進行が無茶苦茶になっているところを、ミックが強引に歌いきって何とか大崩れせずにすませたものの、Bステージを終えた後の"Sympathy For The Devil"では、そのミックがサビ前のAメロで変な間を開けてしまったがために変なことに。
そしてオーラスの"Satisfaction"では、キースがイントロに変化を与えようと試みるも(単純に弾き間違いのような気も)、訳の分からないものになってしまっているという、この日はとてもツアー再開2週間とは思えないほどの凡ミスのオンパレード状態となっています。
そんなこの公演の既発タイトルはというと、前々日のシカゴ同所公演を全曲収録した『abiggerbangustourchicago'06』(Check This Out)に、先に触れたレア曲"Love Is Strong""Memory Motel""Respectable"に日替わり曲の"Rough Justice""Get Off Of My Clud"の計5曲がボーナストラックとして収録されていましたが、こちらは本作とは別のオーディエンス音源。
ややエコーがかってはいるものの演奏を大きく捉えた好録音ではありますが、肝心の"Memory Motel"で近くの客の咳を曲中でそこそこ大きく拾ってしまっているというちょっと難のあるもの。
ちなみにWLRの13枚組ボックス『A Bigger Bang World Tour 2006』(WLR-2178)にも、この公演からの"Love Is Strong"と"Respectable"がディスク2に、"Memory Motel"がディスク4にそれぞれボーナス収録されていますが、これらもCheck This Out盤と同じ音源。
また、Hermetic Societyの14枚組ボックス『A Bigger Bang North American Tour 2006』(HS 70)のディスク2にボーナス収録されている"Love Is Strong"と"Memory Motel"もまた、Check This Out盤と同じ音源となっています。
本作はCheck This Out盤とは異なるオーディエンス音源から作成。
演奏を大きく捉えていることに加えて周りの観客も静かという好音源ではあるものの、何故かモノラル録音ということもあり左右の音の拡がりに乏しいので、疑似ステレオ処理をしてあれば尚良しだったかもしれません。 |
06:30, Friday, Mar 23, 2018 ¦ 固定リンク
『Memphis 2005』 (-) 2CD
Dec.3 2005 FedEx Forum,Memphis,TN,USA
Stereo Audience Recording
Quality:Excellent
(Disc-1)
1.Intro/2.Start Me Up/3.It's Only Rock'n Roll/4.Shattered/5.Tumbling Dice/6.Oh No,Not You Again/7.Rain Fall Down/8.Angie/9.Mr.Pitiful/10.Night Time Is The Right Time/11.Band Introductions/12.Slipping Away/13.Infamy
(Disc-2)
1.Miss You/2.Rough Justice/3.Get Off Of My Cloud/4.Honky Tonk Women/5.Sympathy For The Devil/
6.Brown Sugar/7.Jumping Jack Flash/8.You Can't Always Get What You Want/9.Satisfaction
2005年A Bigger Bang アメリカツアー最終日にあたる12月3日メンフィス公演の全曲収録盤。
この公演からは過去に曲単位のリリースもなかったことから、本作がプレスCDでは初のブート化となります。
"Start Me Up"で普段目立たない部分のロニーのバッキングがはっきりと聞こえることから、ロニー側のスピーカー近くでの録音のようで、"It's Only Rock'n Roll"や"Shattered"はじめ幾つかの曲で隠し味的にミックスされているブロンディのアコースティックギターも明瞭に聞き取れるほどの音の近さとなっています。
周りの観客はというと、キースコーナーでざわつく以外では、ライブ前半に左側の男性客のホーという叫び声が耳につきますが、幸いなことに叫んでいるのは曲間だけで基本的に曲を邪魔することはなく、ライブ中盤以降は男性客が場所を移ったのか、その叫び声を耳にすることはなくなります。
この音源、ライブ前半は定位が右に寄ってしまっており"Rain Fall Down"あたりで一旦改善はしますが、メンバー紹介から"Slipping Away"の前半にかけては再びかなり右に寄ってしまっているので、ここは調整してもらいたかったところ。
また、"It's Only Rock'n Roll"のイントロで音ブレがそのままだったり、"Miss You"の開始前にチャックが毎回入れる指慣らし風のキーボードの遊びをディスク1の最後に入れてフェードアウトしてるまでは良かったのですが、ディスク2のスタートはその後からになっていてこの遊びが入っていない等、もう少し気を使って欲しかったと感じる面も。
この日はメンフィスでの公演ということもあり、ツアー4回目にして最後となる"Mr.Pitiful"を日替わり曲として演奏していたりもしますが、ハイライトとなるのはオーラスの"Satisfaction"。イントロでキースがミストーンを出してはいるものの、曲の後半ではミックのハイテンションなアドリブに加え、4分30秒過ぎからのチャーリーのフィルインの連発も相まって2005年の最後を飾る素晴らしい演奏を繰り広げています。
なお、キースが歌う"Infamy"も翌年翌々年のツアーでは演奏されなかった為、この公演が最後となっています。 |
06:30, Thursday, Mar 22, 2018 ¦ 固定リンク
『"All Meat Music" Winter Tour 1973』 (-) |
『"All Meat Music" Winter Tour 1973』 (-) 1CD
Jan.18 1973 Inglewood Forum,Los Angels,CA
Mono Audience Recording
Quality:Very Good
1.Intro/2.Brown Sugar/3.Bitch/4.Rocks Off/5.Gimme Shelter/6.Route 66/7.It's Al Over Now/8.Happy/9.Tumbling Dice/10.No Expectations/11.Sweet Virginia/12.You Can't Always Get What You Want/13.Dead Flowers/14.Stary Cat Blues/15.Live With Me/16.All Down The Line/17.Rip This Joint/18.Jumping Jack Flash/19.Street Fighting Man
前項前々項と1973年ウインターツアーものを採り上げてきましたが、本項もウインターツアーから。
本作が収録しているのは、ツアー初日となる1月18日のロサンゼルス公演。
この日は、前年12月に起きたニカラグア大地震の被災者救済の為にストーンズが開催した「ニカラグア大地震被災者救援コンサート」という特別公演であることから、セットリストもこの後から始まるツアーの基本的なものとは異なり、"Route 66"や"It's All Over Now"、"No Expectations"、"Stary Cat Blues"といったこの日限りのレア曲が挟まれているというスペシャルなもの。
このレア曲の中で唯一"It's All Over Now"だけは、次のハワイ公演でも演奏されてはいますが、そのハワイでの演奏ともスタジオ版とも67年の「Sunday Night At The London Palladium」出演時のアレンジとも異なる、後年ミックとキースそれぞれがソロでカヴァーするフレディキングの"Going Down"風のリフで始まるというアレンジでこの日は演奏されています。
この公演のブート化されているオーディエンス音源は唯一つで、アナログLP時代から『Winter Tour 1973』(TMQ 72006もしくはD-305)をはじめ幾つものタイトルでリリースされ続けてきていますが、アンコールで演奏された"Midnight Rambler"は残念ながら未収録、ラストの"Street Fighting Man"も終盤でフェードアウトしてしまうものの、ライブ本編はほぼカバーしているというもの。
その音の方は、演奏が近く録れてはいるんですが、録音位置がテイラーのアンプの前だったようで、ほとんどの曲がテイラーのギターばかり大きく聞こえるというアンバランスなものになってしまっており、別のオーディエンス音源の発掘が望まれるところですが、ライブから45年経った今も出て来ず。
さて本作ですが、事典で代表盤として挙げた、LPの基テープから作成されたVGP『All Meat Music』(VGP-283)とは異なり、アナログLPから起こされたタイトル。
VGP 2004年版ジャケット
VGP 2001年版ジャケット
本作は基にしたLPの盤のコンディションの悪かったようで、ザザっといったノイズが入っていたり、"Route 66"や"You Can't Always Get What You Want"の前半あたりは細かな音ブレがあったりします。
スクラッチノイズの方はきちんと除去処理しているようで、時折ほんの僅かに聞こえる程度となっていますが、こちらも元々のノイズが多かったのか、少し強めの処理にしてしまっているようで、"Dead Flowers"前後で顕著なように歓声部の余韻がおかしくなってしまっているところも。
VGP盤は基テープから作成されていることから、高域強めで少しシャリシャリした質感の音造りだったアナログLPとは異なり、地味と評する意見もあるものの中低域に重きを置いた丸みのある落ち着いた音だったのに対し、
本作はアナログLP起こし故に当然ながら高域が強調されたクリアーな音となっていますが、基LPほどシャリシャリさせておらず聴き易くしているのが特徴。
この音源、トータルで80分を若干超えてしまうため、ほとんどの既発タイトルが2枚組となっていましたが、
同じくLP起こしのCD『All Meat Music』(007)は、LP冒頭に収録されていた録音者による録音チェック用もしくは記録用のアナウンスをカットしているのはライブと関係ない部分なので当然ですが、曲間のMCまでカットして無理やりCD1枚に収めているというタイトル。
この007盤ですが、音質の方もストレートなLP起こしではなく、音に奥行き感を出すエフェクトをかけているというこのシリーズ特有のもので、その効果によって手拍子が浮き上がってしまったりしていることから、好みの分かれるところかもしれません。ピッチはLPほどではありませんがやや高め。
この音源をCD1枚に収めたものとしては他に、13CD+1DVDのボックス『Tour 1973』(WLR-2135)もありますが、こちらはLPのピッチの高さそのままなことに加えて、冒頭アナウンスだけではなく"Brown Sugar"スタート前のバンドの音出し部分もカットしているといった編集となっています。
では本作はどうやってCD1枚に収めているかというと、冒頭のアナウンスカットは同様ですが、曲間のMCはそのまま。
ピッチがLP並みに高いのかというとほぼ正常となっていたことから、同じくピッチほぼ正常なVGP盤と同時再生して比べてみたところ、何と音程はそのままにテンポを若干上げるという処理が施されているようです。
よって、1曲あたり1〜2秒ほど時間が短くなっているため、CD1枚に曲間MCをカットなく収めることが出来てはいますが、この比較しなくては気づかない程度のテンポアップを良しとするか悪しきとするかは評価の分かれるところかと。 |
06:30, Wednesday, Mar 21, 2018 ¦ 固定リンク
『Mick Taylor Years CD4』 (SRS) |
『Mick Taylor Years CD4』 (CD-SRS-17-04-43) 1CD
Feb.27 1973 Royal Randwick Racecource,Sydney,Australia
Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent
1.Brown Sugar/2.Bitch/3.Rocks Off/4.Gimme Shelter/5.Happy/6.Tumbling Dice/7.Love In Vain/8.Sweet Virginia/9.You Can't Always Get What You Want/10.Honky Tonk Women/11.All Down The Line/12.Midnight Rambler/13.Band Introductions/14.Little Queenie/15.Rip This Joint/16.Jumping Jack Flash/17.Street Fighting Man
アルバムタイトルにCD4とあるように、SRSレーベル4連作の4番目となるのが本作。
これまでの3つが、何故今更このタイトルからのコピー?というものでしたが、本作もやはりその路線。
今回のコピー元は12CD+1DVDのボックス『The Mick Taylor Years』(-)のCD4と、狙ったのかどうかは定かではありませんが、奇しくもアルバムタイトルと同じディスクナンバー。
・・・と書いていて、ようやく気づきましたが、このSRSシリーズ4作はこのボックスの最初の4枚と全く同じ。
だからタイトルにCD1じゃのCD2じゃの付いていたのかと。したがってこれまでの3作もこのボックスからのコピー、ということでボックス自体がコピーもの中心なので、本作含むこのシリーズはコピーのコピーということになります・・・。
少し脱線しますが、このボックスのCD12が何とも摩訶不思議な企画で、72年〜73年の"You Can't Always Get What You Want"中間部のテイラーのソロだけを抜粋した、22公演分+1リハーサル(!)の計23トラックを1枚のCDにまとめているというもの。たしかにテイラーはその都度、多彩なソロを披露してはいますが、延々曲の中間のソロ部分だけ聞かされても・・・という微妙な珍品だったりします。このシリーズのリリースが止まっているので、まさかこのディスクまでは単品コピーリリースは無いと思いますが、もしこんなもんまで単品リリースされると・・・。
さて、そんなボックスからコピーした本作が収録しているのは、1973年ウインターツアー最終日となる2月27日シドニー公演のミキサー卓直結のステレオサウンドボード音源。
このウインターツアーからは24日のパース、26日のシドニーのミキサー卓直結のサウンドボード音源も流出していますが、これらは全て不完全で、全曲が流出しているのはこの27日のシドニー公演のみ。
音質の方は24日や26日に比べると、カセットダビングを何度か経た感じの高域が減退したものとなっていますが、キースとテイラーのギターが前面に出た生々しいミックスはこの公演でも同様。逆に24日や26日でパシャパシャとした薄い録れ音だったドラムは、この27日の方が太い音で録れていたりもします。
この音源、オープニングの"Brown Sugar"のイントロが左から鳴り、バンドが入ると右によるという違和感のあるミックスになっていたり、"Jumping Jack Flash"と"Street Fighting Man"の2曲は少し後になってから流出したことから、この音源を収録したほとんどのタイトルが左右逆となっていましたが、本作も同様となっています。
そんな本作(=ボックス)の基となっているのは、Tarantura『Back Strap Jacket』(TCDRS-3-1,2)。
ちなみに、この左右問題にきちんと対応している唯一のタイトルが、事典で挙げたVGP『Welcome To Australia』(VGP-110)のリマスター盤。
なお、"Brown Sugar"を始める前にミックが一声発しており、VGP盤はきちんとそれを収録していますが、本作はその一声の後からディスクスタートとなっているため未収録。
また、テープチェンジにあたった"You Can't Always Get What You Want"終了直後の処理に関しても、『Welcome To Australia』のリマスター盤や『Sydney,Royal Randwick Racecourse February 26th 1973』(SAM 009)では、曲が終わった後にミックが発した「Thank you very much」の後の二言も聴くことが出来ましたが、本作はそれ以外のタイトル同様に「Thank you very much」の後、すぐに"Honky Tonk Women"のイントロが始まる編集となっています。
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06:30, Tuesday, Mar 20, 2018 ¦ 固定リンク
『Mick Taylor Years CD3』 (SRS) |
『Mick Taylor Years CD3』 (CD-SRS-17-03-43) 1CD
Feb.24 1973 Western Australia Cricket Ground,Perth,Australia
(※) Track-7,8,9,15
Feb.26 1973 Royal Randwick Racecourse,Sydney,Australia
Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent
1.Brown Sugar/2.Bitch/3.Rocks Off/4.Gimme Shelter/5.Happy/6.Tumbling Dice/7.Love In Vain/8.Sweet Virginia/9.You Can't Always Get What You Want/10.Honky Tonk Women/11.All Down The Line/12.Midnight Rambler/13.Band Introduction - Happy Birthday Nicky Hopkins/14.Little Queenie/15.Rip This Joint
久々のSRSレーベル4作同時リリースのうちの3つめ。
これまで採り上げてきたCD1,CD2と、今となっては微妙なタイトルをコピーしていましたが本作もまた然り。
本作がコピーしているのは、これまたいにしえのタイトルTSP『Rocks Off!』(TSP-CD-056)
このTSP盤同様、本作もジャケットのクレジットでは全曲2月24日公演としていますが、そのようなことはなく"Love In Vain""Sweet Virginia""You Can't Always Get What You Want""Rip This Joint"の4曲は、次のシドニー公演から。
24日公演、26日公演共にキースとテイラーのギターが前面に出た生々しいミックスの、ミキサー卓直結の高音質ステレオサウンドボード音源ですが、このTSP盤は26日音源の左右チャンネルが逆。本作も当然修正などしない丸コピー盤なので逆のままという・・・。
またTSP盤ならびに本作は過剰なノイズ除去処理により、曲間の場内音や楽器の余韻がかなりおかしなことになっていて、今聞くとかなり違和感を抱くものとなっています。
本作がメインとしている24日公演の最大の目玉が、メンバー紹介時にバンドで余興演奏した"Happy Birthday Nicky"。初出のLP時代から幾つものアルバムタイトルにもなった曲ですが、本作は何故か"Happy Birthday Nicky Hopkins"という実際に歌ってもいないフルネーム表記・・・。親切心なのか、はたまた他との差異をつけようとしてのクレジットなのかは不明ですが、何とも微妙なものではあります。
そしてこの公演の、ある意味もう1つの聞きどころなのが"Gimme Shelter"。チャーリーが半拍ずれて曲に入ってしまい、途中で叩くのを止めたりするもののそれでもリズムを合わせられず、1番はリズムがずれたまま進行し、ようやくバンドに合わせることが出来たのは2番に入ってからという珍演となってしまっています。
【追記】
本作は上記で挙げたタイトルからの直接コピーではなく、本作から遡ること10年前にリリースされていた『The Mick Taylor Years』(-)からのコピーでしたので、上記で挙げたタイトルのコピーのコピーということになります。
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06:30, Monday, Mar 19, 2018 ¦ 固定リンク
『Midnight Ramblers』 (DAC) |
『Midnight Ramblers』 (DAC-184) 2CD
Disc-1
Nov.10 1969 San Diego International Sports Arena,San Diego,CA
Mono Audience Recording
Quality:Excellent
Disc-2
July.26 1972 Madison Square Garden,NY
Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent
(Disc-1)
1.Introduction - Carol/2.Sympathy For The Devil/3.Prodigal Son/4.You Gotta Move/5.Under My Thumb/6.Live With Me/7.Little Queenie/8.Satisfaction/9.Honky Tonk Women/10.Street Fighting Man
(Disc-2)
1.All Down The Line/2.You Can't Always Get What You Want/3.Midnight Rambler/4.Band Introductions/5.Bye Bye Johnny/6.Rip This Joint/7.Love In Vain/8.Sweet Virginia/9.Jumping Jack Flash
本作は、アナログ2枚組LP『Midnight Ramblers』(Phoenix Records 44785)のアップグレード復刻作。
ディスク1は、Phoenix盤LPのサイド1と2に収録されていた、69年11月10日サンディエゴ公演からのオーディエンス音源。
このオーディエンス音源、当時のオーディエンス録音としてはトップレベルの高音質を誇っていましたが、Phoenix盤LPの方はダビングを重ねたテープが基になっているようで、まるで幕がかかったかのようなコモり気味の音質。
一方の本作は裏ジャケットにわざわざクレジットしているように、この音源を録音したダブ・テイラー自身が作成したTMOQの1枚物LP『San Diego'69』(TMOQ-71078)を基にしていることから、そのTMOQ盤に遜色ない高音質となっています。
こちらの画像はネットから
今回チェックに使ったのは同スタンパーの『Stoneaged San Diego'69』(Box Top Records)
このサンディエゴ公演については、ブートCD黎明期よりLPの基となったテープ音源からCDが作成されていたことから、コンサート全曲を容易に聞くことが出来ましたが、このTMOQ盤の抜粋された曲目によるCDといえば、その黎明期にリリースされたアナログ起こしの『Stoneaged』(WPOCM 1189 D 043-2)のみだったので、本作はこのWPOCM盤以来となります。
ここでカットされた曲は"Jumping Jack Flash""Stray Cat Blues""Love In Vain""I'm Free""Midnight Rambler"の5曲。オープニングの"Jumping Jack Flash"がカットされているのは、コンサート全体をダイジェスト収録したライブ盤としてはマイナスですが、そこを除けば中盤のアコースティックコーナー含め、コンサートの流れをきちんと押さえた選曲となっており、1番途中からキースのギターのチューニングが狂ってしまうものの、そのままギターを変えずに最後まで押し通すという、演奏の崩れが少ないこのツアーでは珍しい類となるラストの"Street Fighting Man"もきちんと収録していることはポイントかと。
これまでの既発CDでは、ノイズ除去処理の影響により音の余韻がおかしかったタイトルがあったり、いずれのタイトルも曲間にヒスノイズ除去処理特有のシュワシュワとしたデジタルノイズが多少なりとも乗っていたりした中、本作はテクノロジーの進歩のおかげか、そのようなことのない自然な音となっています。
事典でこの音源の代表盤として挙げた、VGPの『Stoneaged San Diego Sixty-Nine』(VGP-008) -Digital Remastered Edition-も、やはりノイズ除去処理特有のデジタルノイズが若干あることに加えて、全体的にやや硬質な音となっていたので、本作もLPの抜粋選曲とはせず全曲収録としてあれば尚良しでしたが、残念ながら今回はあくまでもLPの復刻が主眼のようなのでそうはしなかったのでしょう。
ディスク2は、1972年北米ツアー最終日となる7月26日マジソン・スクエア・ガーデン公演から、ミキサー卓直結のクリアーな高音質ステレオサウンドボード音源。
このサウンドボード音源、残念ながらライブ中盤から終盤までの9曲しか発掘されていないため、序盤から中盤にかけての"Brown Sugar""Bitch""Rocks Off""Gimme Shelter""Happy""Tumbling Dice"、本編ラストの"Street Fighting Man"、アンコールの"Uptight〜Satisfaction"の計8曲が未収録なのに加えて、
"Jumping Jack Flash"は曲の途中でフェードアウトしてしまうというもの。
この音源、アナログLP時代は"All Down The Line"から始まるタイプと、"Bye Bye Johnny"から始まるタイプという2種類の曲順がありましたが、Phoenix盤『Midnight Ramblers』は後者の"Bye Bye Johnny"から始まるタイプ。
このPhoenix盤収録の音源は、ミックテイラー側のチャンネルをモノラル化したもののため、曲中のキースの音量が著しく低かったりするというアンバランスな音だったのに対し、本作が収録しているのは、裏ジャケットに復刻元としてクレジットしているように"All Down The Line"から始まるアナログLP『Welcome To New York』(TMOQ-71080)からの左右に音が分離したステレオ音源。
こちらのステレオ音源の事典で挙げた代表盤は『Nasty Songs』(DAC-065)
『Nasty Songs』は、それまでのCDタイトルのいずれもがヒスノイズ除去により程度の差こそあれ微妙におかしかったのに対し、ヒスノイズをある程度残してでも余韻がおかしくならない様に処理して、音の自然さを強調したタイトルでしたが、本作も使っているマスター自体は『Nasty Songs』と同じで、全体の音量を少し抑え目にしているだけ。
ただ、曲順については『Nasty Songs』が曲をライブの演奏順に並べ替えていたのに対し、本作はアナログLP『Welcome To New York』に準じたランダムなもの。
またLP時代からあった"Midnight Rambler"11分37秒付近でのテープレコーダーの一時停止操作ミスによると思しき音切れも、ほとんどの既発CDタイトルはいずれも音を摘んでいて音飛びの様になっていましたが、『Nasty Songs』は基テープそのままの音切れ状態のまま収録。
それに対して本作は摘んで繋いではいるものの、きちんとテイラーのギターフレーズを活かした違和感のない繋ぎ処理としています。 |
02:57, Saturday, Mar 17, 2018 ¦ 固定リンク
『Togo(東郷)』 (MF-097/098) 2CD
Mar.9 1995 Tokyo Dome,Tokyo,Japan
Stereo Audience Recording
Quality:Very Good
(Disc-1)
1.Introduction/2.Not Fade Away/3.Tumbling Dice/4.You Got Me Rocking/5.All Down The Line/6.Rocks Off/7.Sparks Will Fly/8.Satisfaction/9.No Expectations/10.Let It Bleed/11.Rock And A Hard Place/12.Love Is Strong/13.I Go Wild
(Disc-2)
1.Miss You/2.Band Introductions/3.Honky Tonk Women/4.Before They Make Me Run/5.The Worst/6.Sympathy For The Devil/7.Monkey Man/8.Street Fighting Man/9.Start Me Up/10.It's Only Rock'n Roll/11.Brown Sugar/12.Jumping Jack Flash
ちょっと古めのタイトルですが、今日が公演からちょうど23年後にあたるということで紹介。
本作が収録しているのは、Voodoo Lounge Japan Tour 3公演目となる1995年3月9日東京ドーム公演。
この日は初日と2日目に演奏しなかった"All Down The Line"と"No Expectations""Let It Bleed"、そしてキースの"The Worst"が日本初登場。中でも"No Expectations"は、前年の北米ツアーでもツアー開始前のシークレットギグ含めて2回しか演奏しておらず、この後の欧州ツアーでも演奏されなかったというレア曲。
また、この日の"Brown Sugar"のイントロ始まりは、スタジオ版に準じた「チャッチャ」ではなく、この時期としては比較的珍しい『Love You Live』で聴ける「チャラッチャ」となっています。
そんな9日公演を収録している本作は3枚組『Voodoo Lounge Tour Memorial March 1995』(-)の中の日替わり曲集「Rarities」や、『13th Memories』(-)に収録されていた音源の全長版。
エコーがかってはいるものの演奏自体はそこそこ大きめに捉えており、周りもさほど騒がしくないという良好音源でしたが、本作の場合は迫力を出そうとしたのか、チャーリーのバスドラム付近の周波数をかなり持ち上げたことにより低域が過剰に響いてしまっているので、ここは強調するにしてももう少し抑え気味にしておいてもらいたかったところ。
なお、事典では『Voodoo Lounge Tour Memorial March 1995』と『13th Memories』を別項で採り上げていましたが、これはイコライジングの違いだけでしたので、ここで同音源と訂正します。
その他の既発タイトルにも触れておくと、この公演をフル収録したタイトルは2つ。
まずは『Never Tired』(VGP-065)
演奏を大きく捉えた好録音で耳障りな歓声もさほど拾っていないというもの。時折オーバーレベルと思しき音の歪みがあったりもしますが、気になる程では無し。
もう1つが東京最終となった17日公演とのカップリング4枚組『Voodoo Lounge In Tokyo Third Night & Last Night』(-)
やや奥行きを感じる録音で、音質はクリアーではあるもののシンバル類が耳についたりと高域持ち上げすぎな感が。また"Satisfaction"ではミックに合わせて歌う1人の観客の歌声を拾ってしまっていて耳障りだったりします。
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06:30, Friday, Mar 09, 2018 ¦ 固定リンク
Oct.30 2005 Key Arena,Seattle,WA,USA
Stereo Audience Recording
Quality:Excellent
(Disc-1)
1.Introduction/2.Start Me Up/3.Shattered/4.She's So Cold/5.Tumbling Dice/6.Oh No,Not You Again/7.Angie/8.Rain Fall Down/9.Bitch/10.Night Time Is The Right Time/11.Band Inroductions/12.The Worst/13.Infamy
(Disc-2)
1.Miss You/2.Rough Justice/3.Get Off Of My Cloud/4.Honky Tonk Women/5.Out Of Control/6.Sympathy For The Devil/7.Brown Sugar/8.Satisfaction/9.You Can't Always Get What You Want/10.Jumping Jack Flash
まるで"入れ歯を外した爺さま"といった風情のミックがジャケットの本作。収録しているのは2005年10月30日のシアトル公演。
この公演からは"Oh No, Not You Again"が、オフィシャルサイトRS.comの「Virtual Ticket Videos」コーナーにて、当時フルコーラスで映像が公開されていましたが、コンサート全体のプレスブート化は本作が初。
ややエコーがかった奥行きのある音ですが、演奏を大きく捉えていることに加えて耳障りな歓声や手拍子の類のない音源で、耳につくことないクリアーでバランスの良い音質も相まって大変聴き易いものとなっています。時折定位が左に寄っていたりする箇所はあるものの、それほど極端ではないので気になるほどのレベルでは無し。
毎度の如くキースが"Shattered"のイントロでやらかしてはいますが、この公演で特筆なのはかなり速いテンポで演奏されたアンコール曲"Jumping Jack Flash"。このシアトル公演が行われた時期はこれまで、10月15日のアトランタ公演から11月4日のアナハイム公演までの公演がブート化されていなかったことから、その前のフィラデルフィア公演や後のハリウッドボウル公演を確認してみても、ここまで速いテンポで演奏とはなっていないので、どのあたりの公演からテンポを速めて、また落ち着かせたのかが気になるところではありますが、やはりこういうイレギュラー(?)な演奏は魅力的かと。
なお、前述のRS.com"Oh No, Not You Again"は、事典で挙げた『Ultra Rare Bangs』(-)や『A Bigger Bang Soundboard 2006-2007 Volume 4』(WLR-2055)といったタイトルで、そのサウンドボード音声を聴くことが出来ます。
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06:30, Thursday, Mar 08, 2018 ¦ 固定リンク
『Philaderphia 2005 1st Night』 (-) |
『Philaderphia 2005 1st Night』(-) 2CD+1DVD
Oct.10 2005 Wachovia Center,Philadelphia,PA,USA
Stereo Audience Recording
Quality:Excellent
(Disc-1)
1.Intro/2.Start Me Up/3.You Got Me Rocking/4.She's So Cold/5.Tumbling Dice/6.Oh No, Not You Again/7.Angie/8.Rain Fall Down/9.Rocks Off/10.Get Up Stand Up/11.Band Introductions/12.The Worst/13.Infamy
(Disc-2)
1.Miss You/2.Rough Justice/3.Get Off Of My Cloud/4.Honky Tonk Women/5.Out Of Control/6.Sympathy For The Devil/7.Brown Sugar/8.Jumping Jack Flash/9.You Can't Always Get What You Want/10.It's Only Rock'n Roll-Satisfaction
ストーンズ史上最大の迷演"It's Only Satisfaction"を、画像と音の両方で楽しもうというタイトル。
この"It's Only Satisfaction"、元々は"Satisfaction"を演奏する予定だったのを、キースが何故か"It's Only Rock'n Roll"を弾き始めたがために、他のメンバーもそれに合わせていたのですが、ミックだけはお構いなしにこの"It's Only Rock'n Roll"をバックに"Satisfaction"を歌い出し、結局は"Satisfaction"になるという普通ではあり得ない展開の演奏になったというもの。
ミックがキースの音をちゃんと聞いているなら、普通は合わせて"It's Only Rock'n Roll"を歌うんでしょうけど、こういう展開になるということは、ミックのイヤーモニターにはキースの音は流されていなかった、
もしくはスクリーンや照明のプログラミングの兼ね合いでやむなく"Satisfaction"を強行した等々、色々推測出来るのですが、はたして真相は?といったところかと。
この日は、初演となる"Rain Fall Down"に加えて、A Bigger Bangツアーではこちらも初めて演奏する"Angie"、そして3回目の演奏にしてこの年ラストとなってしまったレア曲"Get Up Stand Up"等、不慣れな曲が多かったことからなのか、"It's Only Satisfaction"始め、ソロ前のサビをミックが先走って歌い出してしまったがために崩れかける"Start Me Up"、最後の最後でロニーが音を外す"You Got Me Rocking"、リズムを落とす中間部で何故かチャーリーが叩き続けてしまう"Rocks Off"、ブレイクでずっこけかける"Infamy"、イントロや間奏が怪しい"Rough Justice"、そして出だしから滅茶苦茶の"Jumping Jack Flash"等、ラフというにはあんまりなストーンズを楽しむことが出来ます。
さてこの公演をフル収録した既発ブートとしては、事典で代表盤として挙げたDACの『Rain Fall Down』(DAC-043)
そしてGodfatherの『Jammin' Side By Side』(G.R.126/127)とありますが、どちらも基は同じ音源。
アリーナ特有の全体的にエコーがかった音なものの演奏を大きく捉えた好録音で、周りの観客も静かで耳につく拍手や手拍子・歓声の類は無いというもの。
DAC盤は高域控えめで低域を厚めにした音だったのに対し、Godfhater盤はクリアーさに重点を置いた高域強めの音造りとなっています。
本作もこれらタイトルと同じ音源から作成されていますが、音質は双方の良いとこどりといったところで、Godfhater盤なみにクリアーな音ではあるものの、Godfhater盤のような持ち上げた感のない自然な高域となっていることに加えて、DAC盤ほど低域がオンにはなっていませんが、適度な太さの音になっているというもの。
既発両タイトル同様に定位は基本中央ですがBステージでは右寄りになってしまっているので、これは修正しておいてもらいたかったところ。
DVDの方は、ステージほぼ正面からの1カメラ映像ですが、ブレもほとんどなくメンバーを大映しで捉えた良好なもの。この公演のオーディエンス映像を収録したプレスDVDとしては『Shake Your Rock'n Roll Bodies』(-)というタイトルがありましたが、本作と同じ映像です。
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06:00, Wednesday, Mar 07, 2018 ¦ 固定リンク
『Toronto 2005』(-) 2CD
Sep.26 2005 Rogers Centre,Toronto,Canada
(Disc-1)
1.Introduction/2.Start Me Up/3.You Got Me Rocking/4.She's So Cold/5.Tumbling Dice/6.Rough Justice/7.Ruby Tuesday/8.Dead Flowers/9.Bitch/10.Night Time Is The Right Time/11.Band Introductions/12.The Worst/13.Infamy
(Disc-2)
1.Miss You/2.Oh No,Not You Again/3.Satisfaction/4.Honky Tonk Women/5.Out Of Control/6.Sympathy For The Devil/7.Brown Sugar/8.Jumping Jack Flash/9.You Can't Always Get What You Want/10.It's Only Rock 'n Roll
Stereo Audience Recording
Quality:Excellent - Very Good
2005年A Bigger Bangツアー、9月26日トロントはロジャーズ・センター公演全曲収録盤。
このロジャーズ・センターは旧称スカイドームで1989年の開所以来、1989年 Steel Wheels、1994年 Voodoo Lounge、1997年 Bridges To Babylon、2002年 Licks、そしてこの2005年 A Bigger Bangと、ストーンズがツアーを行う度に会場として使用される場所でもあります。
この公演からは、オフィシャルで配信リリースされた8月10日の同じくトロントのフェニックスシアターでのウォームアップギグ以来となる"Dead Flowers"のみ、同年のヒューストン公演を収録した『abiggerbangutourhouston05』(Check This Out)のボーナストラックとしてブート化されていましたが、本作はそのCheck This Out盤で使われていた音源の全長版をディスク化。
オートレベル調整機能を使っての録音だった様で、リミッターがかかった若干潰れ気味の音ですが、逆にこの荒れ気味の音が妙な迫力を醸し出していたりします。
また、元々演奏を大きく捉えた録音ではあるものの、このオートレベル機能のおかげで小さい音を大きく拡大してくれていることから妙に音が近くなっており、ぱっと聞きではジェネレーションの高い卓直結サウンドボードのように聞こえる箇所も。
ただしこの機能、デメリットもあって前述のリミッターもさることながら場内ノイズも拡大してしまうので、終始低域にゴーというノイズが乗ってしまっていたりも。
Check This Out盤の方はメリハリをつけた音造りとしていたため、この低域ノイズも若干強調気味でしたが、本作はあまり加工をしない自然な音としているため、Check This Out盤と比べるとこの低域ノイズも控えめ。
また、Check This Out盤の"Dead Flowers"はイントロが欠けた状態で収録されていましたが、本作の方はそのようなことなく、きちんと頭から聞くことが出来ます。
惜しむらくは、Check This Out盤同様に本作も定位が若干左寄りのままなので、ここは修正しておいてもらいたかったところ。
この公演はツアー開始から一ヶ月経っていることもあり、キースが"Jumping Jack Flash"のイントロでやらかしていたりはするもののバンド自体は好調、とりわけミックは節回しを変えて歌っていたり、随所にアドリブを入れる等、その絶好調ぶりを発揮しています。 |
06:30, Tuesday, Mar 06, 2018 ¦ 固定リンク
『Mick Taylor Years CD2』(SRS) |
『Mick Taylor Years CD2』(CD-SRS-17-02-43) 1CD
Track 1,2,4
Sep.13 1973 City Hall,Newcastle,UK (1st Show)
Track 3,5
Sep.9 1973 Wembley Empire Pool,London,UK
Track 6
Oct.2 1973 Ernst Merck Halle,Hamburg,West-Germany (2nd Show)
Track 7-11
Oct.17 1973 Foret Nationale,Brussels,Belgium (2nd Show)
Track 12
Sep.30 1973 Festhahalle,Frankfurt,West-Germany (2nd Show)
Track 13
Apr.27-28 1968 Olympic Sound Studios,London England
Track 1-5,7-13
Mono Soundboard Recordings
Quality:Very Good
Track 6
Stereo Audience Recording
Quality:Excellent
1.Brown Sugar/2.Star Star/3.Dancing With Mr.D/4.Angie/5.Midnight Rambler/6.Doo Doo Doo Doo Doo/7.Gimme Shelter/8.Happy/9.Star Star/10.All Down The Line/11.Rip This Joint/12.Street Fighting Man/13.Jumping Jack Flash
前項に続いてのSRSレーベルMick Taylor Yearシリーズ、第二弾はいにしえのタイトル『Reflections Of A Stone Alone』(VGP-043)の丸コピー盤。
このVGP盤、今や同系列のDACがアップグレード盤として『Back To The Graveyard』(DAC-113)をリリースしており、その役目を終えた感のあるタイトルであることから、SRSレーベルは何故にDAC盤の方をコピーしなかったのかが全くもって謎。
一応、中身の方にも触れておきますと、冒頭5曲はヨーロッパを広くカバーするルクセンブルクの放送局「Radio Tele Luxembourg」(略してRTL)にて放送された73年欧州ツアーのモノラル音源。
続くトラック6は本作唯一のオーディエンス音源で、73年10月2日のハンブルグ公演から。たしかに73年欧州ツアーのオーディエンス音源の中では群を抜いたものではあるものの、サウンドボード音源で固められたこのタイトルでは、ちょっと浮いているといった感じのトラック。
このオーディエンス音源があったがために、同時リリースの『Mick Taylor Years CD1』(CD-SRS-17-01-43) の方では重複を避けるべく、本来収録されているべきこのハンブルグ公演の"Doo Doo Doo Doo Doo"をカットしておかしなことになってしまいましたが、実はこの曲だけではなかったという強烈なオチなのが、次のトラック7から11までの5曲。
この5曲、クレジットでは基のVGP盤にならって10月15日のベルギー・アントワープ公演としていますが、実は10月17日ベルギー・ブリュッセル公演の2ndショー、つまり『Mick Taylor Years CD1』のトラック9から13までの5曲と同じ音源という・・・。
トラック12の"Street Fighting Man"は、BBCのテレビ番組「Old Grey Whistle Test」にて放送された9月30日フランクフルト2ndショー。
そしてラストの"Jumping Jack Flash"は、曲の頭で「Yeah」を連呼し、終りはフェードアウトせず完走するプロモフィルム。
・・・といろいろ書いてはきましたが、たしかに今や本作ならびにコピー元のVGP盤よりも高音質のタイトルはリリースされてはいるものの、これはこれで音質がちょっと落ちるなりにも各音源の音質がトータルでほぼ均一となっていて、聴き易い優良タイトルではあります。
【追記】
本作は上記で挙げたタイトルからの直接コピーではなく、本作から遡ること10年前にリリースされていた『The Mick Taylor Years』(-)からのコピーでしたので、上記で挙げたタイトルのコピーのコピーということになります。
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23:13, Monday, Mar 05, 2018 ¦ 固定リンク
『Mick Taylor Years CD1』 (SRS) |
『Mick Taylor Years CD1』(CD-SRS-17-01-43) 1CD
Track 1
Sep.28 1973 Olypiahalle,Munich,West-Germany (2nd Show)
Track 2,5
Oct.2 1973 Ernst Merck Halle,Hamburg,West-Germany (2nd Show)
Track 3,4,6,7,8
Oct.10 1973 Grugahalle,Essen,West-Germany
Track 9-13
Oct.17 1973 Foret Nationale,Brussels,Belgium (2nd Show)
Track 1
Mono Soundboard Recordings
Quality:Excellent
Track 2-8
Stereo Audience Recording
Quality:Excellent
Track 9-13
Mono Soundboard Recordings
Quality:Very Good
1.Brown Sugar/2.Gimme Shelter/3.Happy/4.Tumbling Dice/5.Star Star/6.Dancing With Mr.D/7.Angie/8.You Can't Always Get What You Want/9.Gimme Shelter/10.Happy/11.Star Star/12.All Down The Line/13.Rip This Joint
LicksツアーからABBツアーの頃、活発に活動していたSRSレーベルによる久々のストーンズブート。
このレーベル、オリジナル・丸コピー構わずリリースしてきましたが、本作は懐かしの1973年音源集、Midnight Beat『The Stars In The Sky The Never Lie』(MB CD 141)のコピー盤。
単なる丸コピー盤なら、基のMB盤が優良なタイトルだったことからそれなりのものとなるのですが、何故か73年ハンブルグ公演からの"Doo Doo Doo Doo Doo"がカットされているというマイナスポイントが・・・。
おそらく次作『SRS Mick Taylor Years CD2』(CD-SRS-17-02-43)に、このハンブルグ公演の"Doo Doo Doo Doo Doo"が収録されていることから、シリーズ内で重複しないよう配慮しての編集かと推測されますが、実はCD2はサウンドボード音源集につき、その中で唯一オーディエンス音源だった"Doo Doo Doo Doo Doo"は浮いた存在でもあったので、もしカットするのであればどちらかというとCD2の方でカットした方が得策だったのではといった気も。
また本作はそのカットの仕方も雑で、単純にMidnight Beat盤のトラック割のまま"Doo Doo Doo Doo Doo"のトラックをカットしてしまっているが故に、本作では"Star Star"が終わった後、ミックがMCで"Doo Doo Doo Doo Doo"の曲名を告げた直後にブツ切れ(カットアウト)してしまい、"Dancing With Mr.D"がフェードインで入ってくるという中途半端なものとなってしまっているので、せめてこの程度は何とかしておいてもらいたかったところかと。
中身の方にも軽く触れておくと、最初の"Brown Sugar"はドイツのTV局ARDが76年に放送した、ドラムがオフ気味の若干軽めな音のモノラルサウンドボード音源。
"Gimme Shelter""Star Star"は10月2日のハンブルグ公演、"Happy""Tumbling Dice""Dancing With Mr.D""Angie""You Can't Always Get What You Want"は10月10日エッセン公演からの6曲からの高音質オーディエンス音源で、アナログLP時代からの有名音源。
エッセン公演の方は、基のMidnight Beat盤含む一部のタイトルや書籍でライン録音と紹介されている程の素晴らしい音源で、まるでスピーカーの前にマイクを置いているかの如く、音が大変近い1973年欧州ツアー屈指の好録音。
一方のハンブルグ公演の方も、エッセン公演と比べると若干音に距離はあるもののバランスの良い好録音で、いずれも全長版でのリリースが期待されている音源ですが、未だ発掘されず。
トラック9の"Gimme Shelter"以降は、10月17日ブリュッセルでの2ndショーからで、ミキサー卓直結のサウンドボード音源。
この2ndショーは、今やオフィシャル『The Brussels Affair』にて本作に収録されている曲は全て聴くことが出来ますが、ミキサー卓直結音源の方では"All Down The Line"に顕著なように、トラブルによりミックテイラーの音が急に出なかったりしていたことから、オフィシャルの方はその対処として1stショーからテイラーのギターが一部オーバーダビングがされているので、その違いを楽しむことが出来ます。
とはいえ、本作に収録されているのは5曲ですが、事典でこの音源の代表盤として挙げた『Back To The Graveyard』(DAC-113)等のMidnight Beat盤以降の後発タイトルでは、この5曲に加え"Tumbling Dice"も聴けるので、やはり今となっては中途半端な感も。
【追記】
本作は上記で挙げたタイトルからの直接コピーではなく、本作から遡ること10年前にリリースされていた『The Mick Taylor Years』(-)からのコピーでしたので、上記で挙げたタイトルのコピーのコピーということになります。
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20:46, Sunday, Mar 04, 2018 ¦ 固定リンク
『East Troy 1989 2nd Night』(-) |
『East Troy 1989 2nd Night』(-) 2CD+1DVD
Sep.09 1989 Alpine Valley Music Theatre,East Troy,WI,USA
Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent
(※)Disc-1 Track-12,13、Disc-2 Track-6,13,14
Stereo Audience Recording
Quality:Excellent
(Disc-1)
1.Continenntal Drift/2.Start Me Up/3.Bitch/4.Sad Sad Sad/5.Undercover Of The Night/6.Harlem Shuffle/7.Tumbling Dice/8.Miss You/9.Ruby Tuesday/10.Play With Fire/11.Dead Flowers/12.Rock And A Hard Place/13.One Hit/14.Mixed Emotions/15.Honky Tonk Women/16.Midnight Rambler
(Disc-2)
1.You Can't Always Get What You Want/2.Little Red Rooster/3.Before They Make Me Run/4.Happy/5.Paint It Black/6.2000 Light Years From Home/7.Sympathy For The Devil/8.Gimme Shelter/9.Band Introductions/10.It's Only Rock'n Roll/11.Brown Sugar/12.Satisfaction/13.Jumping Jack Flash/14.Outro
(DVD)
1.Continenntal Drift/2.Start Me Up/3.Bitch/4.Sad Sad Sad/5.Play With Fire/6.Dead Flowers/7.Honky Tonk Women/8.Before They Make Me Run/9.Happy/10.2000 Light Years From Home/11.Sympathy For The Devil/12.Gimme Shelter/13.Band Introductions/14.Brown Sugar/15.Satisfaction/16.Jumping Jack Flash
1989年Steel Wheelsツアー序盤の9月9日イーストロイ公演全曲収録盤。
この公演についてはミキサー卓直結のサウンドボード音源が流出。
テープチェンジにより"Rock And A Hard Place"と"2000 Light Years From Home""Jumping Jack Flash"は不完全、"One Hit"は丸々欠落といった状態のものではあるものの、そこはやはりサウンドボード音源、この音源を基にしたブートが過去4タイトル程リリースされてきましたが、事典で紹介しきれなかったこともあったりするので、まずは整理を兼ねて軽くそれらに触れていきますと。
まずはWeeping Goat『East Troy 1989』(WG 009/10)
サウンドボード音源のみを収録。"Rock And A Hard Place"冒頭12秒に"2000 Light Years From Home"冒頭53秒と、他のタイトルにでは聞けないサウンドボード音源が聞ける反面、"Satisfaction"は何故か完全に終わりきらないうちにフェードアウトしているというタイトル。肝心のサウンドボード音源は、ヒスノイズ除去処理を強くしすぎた影響で余韻がおかしくなことに。
続いてはShaved Disc『Wisconsin Flat』(TSD 007/008)
こちらもサウンドボード音源を収録。部分的にあった"Rock And A Hard Place"と"2000 Light Years From Home"は丸々カットされていますが、"Satisfaction"をきちんと最後まで収録。アンコールの"Jumping Jack Flash"はイントロ頭欠けで曲後半がフェードアウトとなってしまう状態ながら4分36秒収録。音の方はやはりヒスノイズ除去の影響で余韻がおかしくなってはいますが、『East Troy 1989』ほどでは無し。
サウンドボード音源にオーディエンス音源を補填して全曲収録としたのが、事典でこの音源の代表盤として挙げたVGP『Wheels Are Rolling』(VGP-229)
"Rock And A Hard Place""One Hit""2000 Light Years From Home""Jumping Jack Flash"の4曲は、丸々オーディエンス音源。サウンドボード音源は除去処理ほほとんどしていない分、ヒスノイズは多めですが余韻は自然なので聞いていて違和感は覚えず。補填のオーディエンス音源は、遠い位置からの録音で歪み気味という点はさておき、定位がかなり右寄りなのでモノラル化するなりして中央にしておいてもらいたかったというタイトル。
14枚組ボックス『Rolling Stones Steel Wheels North American Tour 1989』(WLR-2126)に収録のこの公演は、VGP盤のコピー。
では本作はというと、それ単体でリリースされてもおかしくないくらいの高音質オーディエンス音源と、VGP盤のサウンドボード音源を余韻がおかしくならないようヒスノイズ除去しつつ音をクリアーにした上でミックスしたマトリクス音源がベース。
VGP盤が基になっているため、曲の一部しかなかった"Rock And A Hard Place""2000 Light Years From Home""Jumping Jack Flash"とサウンドボード音源がそもそも無い"One Hit"の4曲は丸々オーディエンス音源ですが、本作で使われているオーディエンス音源はクリアーで演奏を大きく捉えた優良録音故、唯一丸ごとマトリクスとなっておらずサウンドボード音源のみの"Dead Flowers"と比べても、音質の若干の差こそあれ、音の近さは違和感を全く抱かないものとなっています。
惜しむらくは、"Dead Flowes"と"Paint It Black"終了直後のオーディエンス音源部も切り離すのは難しかったのかVGP盤から流用していますが、やはり定位を修正していないので右寄りのまま。また、本作はあまりクロスフェードは使っていないようで、冒頭の"Continenntal Drift"は音源を重なる箇所での極端な音量変化や、"Rock And A Hard Place"や"Brown Sugar"が始まる前もカットアウト・インとなっている等、この辺はうまく処理してあれば尚良しだったかと。
本作はCDに加えて、ロニー側から録られたオーディエンス映像に本作収録の音源を被せた1時間強のDVDもセットされており、この時代としてはメンバーを大きく捉えた優良な映像を見ることが出来ます。
この映像で特筆なのは"Dead Flowers"。音だけだと、間奏後にミックが凡ミスで歌に入れなかったのだろうとなってしまいますが、インフォにもあったように実際にはマイクトラブルで音が出ず、ミックが移動してコーラス隊のマイクで歌って急場をしのぐといったシーンを見ることができます。
このDVDでは"Rock And A Hard Place"が未収録につき、この曲でもなかなかミックが歌い出していないので、これもマイクが原因だったのかが確認出来ないのがちょっと残念。
この公演はマイクトラブル以外にも、"2000 Light Years From Home"でマットがメロトロンの印象的なフレーズを忘れて変なタイミングで入ってきたり、"Satisfaction"のコールアンドレスポンス部ではチャーリーのリズムがひっくり返ったのにミックが動揺したのか、コールアンドレスポンスの後から曲の締めの部分まで沈黙しちゃったりと、このツアーとしては珍しい場面を本作では聞くことが出来ます。 |
06:30, Friday, Mar 02, 2018 ¦ 固定リンク
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